Ciao! (=´ー`)ノ⌒♪私自身あるいは困難な存在

■TMNETWORKとXJAPANが日々の糧εεε=(*ノ▽ノ)な佐野瑞希です、こんにちは。■音楽と、広範囲な意味での文学について綴っています。■現在は、一連の創作シリーズ『夢想と薔薇の日々』の更新がメインになっています。「おもしろかったー!」と思っていただける一日があれば幸いです。  ───遠い記憶をたぐり寄せると、どこまで遡っても自分の感性や思考のしかたが変わっていないなあと感じざるを得ない今日この頃。春、桜舞い散る日に。(2015.04.12改稿)

◆ INFORMATION ◆
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夢想と薔薇の日々<anniversary/ いのちの初夜 〜幻のお誕生日企画①〜>後編

『夢想と薔薇の日々(Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

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…ヨシキ。


トシに呼ばれて、ますます緊張して体がこわばった。

───来た〜〜〜!!!


おれ恥ずかしくて下を向いてたんだけど、返事しないわけにいかないから、「うん、、、」って言おうとした。

なのにね。

気が付いたら、もうトシの顔が目の前にあったの。
かがんで、こっち見てたんだよね。


…大丈夫?

「う、うん。だいじょぶだよ///」


それを聞き届けて安心したのかな。
トシは、おれの前髪をかき上げながら目線を合わせて、にっこり笑った。


…あらためて。お誕生日おめでとう♡

「あり、が、と、、、」


言うか言わないかの間に、口をトシの唇でふさがれた。


「あ…っ」

「ト…シ……っ!」


びっくりしたよ。

でもね。
こういうときって、おれ、マジックがかかってると思う。
次に何がやって来るか、なんとなくわかってしまう。

ほぼ、キス、したまま。
トシはおれの体を倒して、ベッドに沈めた。


きっとそうなるって、おれはわかってたから、だから、されるままになってたよ。
緊張してた分、準備もできてたっていうか。

トシは、ちょっと遠くにずれてた枕をおれの頭の下に引き寄せてくれた。
なんかそうゆう小さい気遣いが、すんごいうれしかったな〜♡


トシの体はすでに、おれにしっかり被さってたんだけど、そのトシが、わざわざおれの頭をぎゅーっと抱え込むみたいにして、言った。


…もう、、、いい……?

「…うん」

…我慢、できない。

「うん。。。」


トシが何のことを言ってるのか、当然見当はついたから。



トシは、おれの耳をそっと噛んだ。
おれは、きゅっと目を閉じた。
それから、トシは首筋に沿ってずっとキスをくれた。
それだけで、カラダがぽゎーっとなっちゃって、もしかしたらおれ熱出てるんじゃないかな?と思ったくらい。


「あ…っ!トシ。。。」

…え。……ん?何?

「ん、、、ん〜ん/////なんでもないっ」


肩のところで響いたトシの声は、落ち着いてて低かった。
それを聴いて、覚悟が決まった。
もうみんな任せようって、思ったんだ。





· · • • • ✤ • • • · ·



いつまでも終わらないかと思うようなキスが続いてた。
トシの息づかいと、何度もねじ込まれて絡んでくる舌と、たま〜におれの唇を噛むいたずらな歯と、すべてが甘くって……。
夢みたいだな〜♡


トシはその勢いのまんま、おれのカラダを愛撫し始めた。
手と舌と唇と、、、あっちこっち使って。
おれの胸とかお腹とか腰とか、背中や脇の下まで。
股の内側、脇腹、そんなおれの急所も、トシはちゃんとわかってて。


あのね、素朴な疑問なんだけど、トシっておれの胸、好きなのかな?
魅力、感じるのかな?
女の人と比べたら、ふくらみも乳首もあまりに足りないのに、こんなんで満足できるのフシギに思っちゃう。
おれ、いつも申し訳ないような、変な気分になるんだよね。
トシは……、本来、女も抱けるからね……。


まぁ。
そんな疑問は置いといて、おれはもう完全に参っちゃってた。
トシの触れた至るところが火照って、どうしようもない。
重なってるカラダ同士ね、うん、トシの体もめちゃめちゃ熱っぽかったよ。

その熱に浮かされながら、おれは、何度も目をしっかり開けて、トシの顔を見ようとした。
ありがとうって伝えたかったんだ。
だって、やさしくしてもらえて、すごくすごくうれしかったんだもの。
けど、どうしてもうまく目を開けれなかった。
喘ぎながら「トシ…!」って叫ぶのがやっとだった。


…ヨシキ、愛してるよ。

…好きだよ。

…ヨシキ?気持ちいい?


そんなトシの言葉に、必死で「うん!」「うん!」って応えるだけ。
あとはもう、訳のわからない絶叫をくり返すばっかり。
興奮して心臓がドクンドクンしてるのが、耳の内側から聞こえた。
もう、ありがとうなんて、伝えるどころじゃなかった。





· · • • • ✤ • • • · ·




我慢できないって言ったわりに、トシはなかなか挿入はしてこなかった。


おれはおれを全部トシにあげたいと思ったのに、実際は、トシがトシをおれに全部くれちゃってるみたいだった。


え?
意味わかんないって?

んと、つまり……尽くしたいと思ってるのはおれの方なのに、現実はトシの方がおれに尽くしてるみたい……、って言ったらわかる?

うん。
なんか、そんなふうなんだよ。
おれは、ただ、トシのくれる快感に、身を委ねてるだけだった。
夢中で。


トシはね、すごく、おれの体を愛してくれたんだ。
慈しんでくれたっていうか。
それが目的だったのか、それとも前戯のつもりだったのかは、知らないけど。


「と、し……、、」


快感の波が次から次へと押し寄せて、どうにかなっちゃいそうだった。
トシの背中や腕に、いっぱい引っかき傷つくっちゃったかな。


「トシ、、」


はぁ、はぁ、っていう激しい呼吸の合間に名前を呼ぶ。



…なに?

「トシ…っ」

…聴こえてるよ。

「も、もう……挿入れて、いいから……ッ」

…ヨシキ、もうイきたい?


顔が更に、カーーーッと赤面する。


「ちが…ッ、おれじゃなくて、トシ!」

…俺?

「トシもキモチよく、な…って、、、」


トシはクスクスって笑った。
余裕こいててズルいな。


…入っていいの?

「う…ん……。」

…んじゃ、遠慮なく。


遠慮なくって言ったくせに、トシは遠慮しいしい突っ込んできた。


「ん…ッ///」

…平気?だいじょうぶ? 

「へ、いき……っ!」

…沈むぞ?

「うん……、奥まで来て!もっと、奥だよ!/////」

…ダイジョブかな。

「あ…ッ!ん、あああ……!!」

…ヨシキ?

「い…いいからぁッ!」


カラダの中が、トシでいっぱいになった。
その瞬間、おれギャーギャー泣いちゃってさ。
きっと、やっとひとつになれたんだって思ったら、感極まっちゃったんだよね。

おれが泣いたからかもしれない。
トシは、しばらく動かないで、静かに抱いててくれた。


…平気?

「うん。。」


涙でグショグショになったおれの顔を、トシの手が包んでくれた。
おれも、ようやくまともにトシの顔を見れるようになって、「ダイジョブ…」って答えた。


…今日はヨシキの誕生日なんだから。ムリしちゃだめだよ。

「無理なんてしてない!」

…最後までヤらなくたっていいんだよ、こんなの。別に。

「けど!おれがキモチいいなら、トシも同んなじがいいもん


トシはふふ、って笑った。


…ありがとう///よし!動くよ?

「うん」


もう一度、固く目をつぶる。


トシの頭や背中をぎゅぅってしながら、さすりながら、どうかおれの気持ち伝わりますように、って、ずっと願ってた。

全部、トシのものになりたいって。
それか、全部溶けてしまって、トシのこと、包み込んであげたいって、、、、











《未 完/UNFINISHED》










夢想と薔薇の日々<スウィート・ペイン>

『夢想と薔薇の日々(Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

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…ヨシキ!メープルシロップかけ過ぎ!

「え〜!だめ〜?‌」

…もー、どんだけかけたら気がすむの!!








思わず大きくため息をつきそうになる。

一体俺は、どうしてこんなにも必死なのだろう。
毎日毎日、たかが元同級生の男相手に。
いい年して恋人ごっこも大概にしろ、と思う。


───こんな人生、送るつもりなかった。





ヨシキがいなければ。

そうだ。
もしもあのとき、ヨシキさえ帰ってこなければ……。

そうしたら、もっと上手く生きられたのに。

仕事に懸けることだって、家庭を持つことだって、ずっと自由にできたろう。

彼に再会していなければ。









だけど───。





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「おいし〜い♡」


目の前で、自分が焼いてやったパンケーキを頬張るヨシキを見ていたら、何故だろう、つーんと涙が込み上げた。







彼のいない生活を、自分は本当に望んでいるのか……?





桜の花の美しい薄紅を。
光に透ける笑顔の眩しさを。
切なく暮れゆく秋の日を。
凍てつくの夜のぬくもりを。
そして、
一粒の涙に宿る意味や、
差し伸べられる手の尊さすらも。

何ひとつわからずに─────。








もしもあの春、彼が帰ってきてくれなかったら、俺は。




上手く生きていたろう。
この世の何が 幸福 しあわせ なのか、ただ、知ることもなく。















《END》
お疲れさまでした、ありがとう🌹
バナートシ3



絶不調のなかで

どのくらい不調かというと、Toshlくんの歌声を聴くだけで涙がこみ上げてくるくらい。

それってどんだけだよ!って突っ込まれると困るんだけど。
相当参ってる。

#IMASINGER はおろか、 #IMASINGERVol2 すらもお腹いっぱいで、もういいよ💧と言ってた数日前までが何だったのかと思うほど、Toshlくんの声が心に沁みる。
泣きたくて泣きたくて仕方なくなってしまう

しばらく前から本当に絶不調で、体調、精神ともに不安定でしんどいです。

ちょっとした明るい時間もあるんだけど、ひとりになったりすると、どん底まで落ちる。
「死にたい」という言葉が口をつきそうになって、恐ろしくなる。


こんなに長く、低空飛行が続くと思わなかった。
『夢想と薔薇の日々』が書けないよ、って言ってたときから、そうだったのだと思う。
書こうとしても、集中力が全くなくて、ふたりの姿を追えなかったから。


Toshlくんの声は────何だろ、 medicine クスリ 、トランキライザー?
胸の ひだ をまっすぐに降りてきて、奥底に溜まっている塊を、じゅわーっと溶かす。

なんかね、Toshlくんの声に触れた途端、芯から癒されて、浄化されていく感じ。
本当に、涙がこぼれそうになる。

何なんだろう、この奇跡のような声はね。

Spotifyの「Toshl」名義の曲をエンドレスで聴いてるから、昔のとかXJAPANのはないんですけど、聴いたらどうなのかな。


わたしね。
やっぱりToshlくんの歌声が大好きなんだと思う。
Toshlくんのことが、大好きなんだと思う。

どんなに酷い仕打ちを受けても、やっぱりどうしても好きなんだと思う。
離れられない。

どんなに好きかって考えると、泣けてきちゃうよ……。


Toshlくんが完璧な人間だとは思わない。
けど、歌はね────歌は、命だから。彼の。

わたしは、Toshlくんの歌声を信じます。


絶不調だから弱気だから、こんなこと言ってるのかもしれないけど、今の気持ちを留めておくために。

まとまらない文章になっちゃったけど、とにかく今わたしは、Toshlくんに、救われている。


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夢想と薔薇の日々<ネコの春と…恋。三たび>後編

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。


ネコの春と…恋。三たび
「チュウして?」

…うん。

「、あ」


…んん。ふ…っ。

「トシ好きだよぉ」

…うん。……おれも、好きだよ。

「あっ!ん、キモチいい……もっと!」

…待って。

「トシ、もっと。もっとだよぉ」


順繰りに、ヨシキの要求に応えていく。


…ここ感じるでしょ。ほら、ここも。

「あっ!あぁ~!」

「や…っ、く……ッ!」

「は……ぁッ!いっちゃう!!」



ピストン運動を繰り返している腰と、支えている腕がしんどい。
それでも覚悟を決めたんだからと、ひたすらヨシキに奉仕する。





永遠に続くかと思われる仔猫ちゃんとの情事。

もう何回彼をいかせたろう?
数えるのさえ嫌だ。
普段ならせいぜい3ラウンドくらいで終わるのに。




朦朧とする頭で、俺ははたと、いいことを考えついた。


…ヨシキ、腕、縛るよ。


厚手のスポーツタオルに手に取る。


「ん?なんで。トシに触れなくなっちゃう」

…いいから。

「痛いことするの」

…まさか。しないよ。

…ヨシキが引っ掻くからできないように結わえとくの。

「ん~。。」


実際、俺の体はヨシキのせいで引っ掻き傷だらけだった。
背中とか胸とか、いつだって我を忘れると爪を立てるのがこのネコさんの癖だけれど、発情中は半端ない。
体じゅうに傷ができてしまう。
商売道具の、首から上を防備するのが精一杯だ。
ただ、別にヨシキは故意にしているわけではなくて、俺を求めるあまりなのはわかるから、むやみに責められない。



今日のタオルはね、特別な意味なんだ。







そして、最後の戦いに挑む。
外ではまだ、猫たちがにゃぁにゃぁと甘ったるい声を出している。


…ヨシキが。次にイったらおしまいだよ。

「え~。そんな~」


約束を取り付ける。
ここが重要なのだ。







ヨシキの胸に唇を這わせると、ビクン、ビクン、と彼の躰が反応する。
もう、乳首とその回りが、すっかり鮮やかなピンク色に染まっていた。


「は…っ……んんっ!」







「なんかさあ、トシ……すごいね……?」

…はぁ…、はぁ…っ、そ…う……?


当然だ。
これでヨシキをイかせれば、俺には安眠が訪れる。
 


本当に、息が苦しい。
しかしこれが俺の腕の見せどころで。










「あああ~~~!トシ、いきたい!!」

…んん?……だめ。

「でも、出ちゃうよ!」


出ちゃうって?
何を言ってるんだろう。


…ならいいよ。出してみ。

「あ、んんっ………え??」




「……あ。トシのいじわる~!!」


ヨシキがようやく、気付いた。

両手首をタオルで縛られているから、彼は自分で自由に達することができないのだ。

タオルごと俺に掴まえられて、ヨシキの躰は震えていた。


「も、もう、いきたい!許してよ!」

「トシ限界だよ許して! 射精 たい!」


とうとう、ヨシキがまた泣き声になった。


…もういい?満足したの?


俺はわざと意地悪く、彼に訊ねる。


「し…っ、した、したよ!お願いいかせて!」


涙を流し、身をよじって絶頂エクスタシーを懇願するヨシキの姿は壮観だった。

───俺ってやっぱりサディストなのかな?

自分の性器 ペニスをヨシキに深く突き立てたまま、俺はヨシキを抱きしめて、彼のそれに手をやった。


「は、やく…っ!」


ヨシキの顔は、感情が高ぶっているのと、極限まで高まった快感と、それから、この状況への羞じらいとで、真っ紅だった。
覗き込むと、悔しそうにそっぽを向いて、唇を噛んだ。


…はい、いいよ。いきな。


俺が軽くそれに触れただけで、ヨシキは悲鳴を上げた。
続けて、キュッとしごくと。


「あ、あ。あーーーーーー…ッ!!!」


激しいオーガズム。
彼のお腹の上に、勢いよく精液がほとばしり出る。

俺は一瞬見とれてしまった。


…大丈夫?


ちょっといじめすぎたかなと思いながら、俺は、ヨシキの精液を人差し指ですくった。

そして、最後に悠々と、自分もオーガズムを迎えた。



…ヨシキ……好きだよ。



快感に酔いつつ呟いてみる。
けれどその言葉は、残念ながらヨシキに届きはしなかった。

彼はすでに意識を失っていたのだ。











───ふぅ。


戦いの終わり。



…とんでもないネコさんだよ、全く。



俺はヨシキの精液をもう一度指につけると、ぺろっと舐めた。
いつもの味、いつものにおい。






ヨシキはいつ目覚めるだろう?
今夜はこれで、もう大人しく眠ってくれるだろうか。

時刻は午前3:30を僅かに過ぎている。



───疲れた。

満身創痍でベッドに倒れ込んだ。
体が汗でびっしょり濡れていたけれど、とてもシャワーを浴びに行くだけの力がない。

ぐったり横たわったベッドで、ぼんやりと視界に入ってくるヨシキの姿を見ている。
目を閉じても、やはり気になってしまって、再び瞼を上げた。

───仔猫ちゃん…か。

自分の体がこんなことになっていても、眠っているヨシキを綺麗だと思わずにいられなかった。
寝乱れ、逝き果てた姿に、改めて欲情しそうになる。


…まずいだろ、いくら何でもそれは。





思わず苦笑して、ベッドの向こう側に眠っている彼の手を握った。

あたたかい。


───ほんとにねぇ。寝顔は可愛いのにね。

もうちょっとだけ加減してくれたら、と思う。
盛りのついた猫とはよく言ったもんだ。


…容赦ないからなあ。


ヨシキの顔を見ながら、もう一度ため息をつく。



───さて、と。


そろそろ俺も休んでおかないと、あとが怖い。



ふと、家の外に耳を澄ました。
しんとして何も聞こえない。
猫たちも、逢い引きを済ませて眠ったようだ。


…ヨシキ、また明日ね。おやすみ。


しっかり布団をかけてやると、自分も毛布にくるまった。
それから、思い切って枕元のライトをオフにした。

真っ暗な闇。

仔猫ちゃんの夢に、俺は出てくるんだろうか?なんて考えたりする。
けれど、すぐに途方もない疲れがどっと押し寄せて、俺を眠りへと追い立てた。


…寝よ。………おやすみなさい。












いよいよ、春本番。
猫たちの恋の季節も本番。

もう間もなく、桜が満開になるだろう。













《END》

お疲れさまでした🐱ありがとうございました💗
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夢想と薔薇の日々<寄り道 ~マイ・バースデー・ナイト~>

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

寄り道

駅からの道を、いい気分でトシと歩いてる。
トシがごちそうしてくれたバースデーのディナー食べて、映画のレイトショー観て、新宿から帰って来たところ。

おれは酔っ払っちゃってて、ちょっとばっかり足元がおぼつかなかった。
でもほんと、気持ちだけはすごくハッピーだったから、鼻歌なんか歌ったりしてて。


…おい気を付けろよ。

「うん、だ~いじょうぶ♪」

…ほら!ヨシキ危ない!

「へ~きだよぉ♪」


トシは四六時中おれに注意を払ってくれてたし、おれはおれで気がでっかくなってたから、何が来たってへっちゃらって感じだった。

本当に、楽しくって。
こんなに長くトシと遊べて、いっしょの時間をシェアできて、そして、ふたり同んなじところへ帰るんだ。
おれは、この上なくしあわせだった。

ところが、ね。




…もうヨシキ、危ないからダメ!


決断したのはトシだった。


「え~何がぁ~?」


おれはぼんやりフワフワしてて。


…もう、危ないってー。俺におぶされ。

「ん~?トシに…おんぶ~?/////」


酔ってはしゃいでたおれは、公道でトシに背負ってもらえるのがうれしくてうれしくて!
だから軽い気持ちでトシにおぶさっちゃったんだ。


これが運命の分かれ道だった。





.。o○.。o○.。o○.。o○






気付いたら、トシの肩で危うくよだれ垂らしそうになって寝てた。
トシの歩調が気持ちよくて、つい眠っちゃったんだと思う。


「どこ……?」


小さく呟いてみると、トシがいつものやわらかい声で答えた。


…もう家の近くだよ。


寝ぼけててよくわかんなかったんだけど、家の近くったって、ここは家への道とは別の…。

もう一度トシの肩に顔をくっつけたおれは、半信半疑で訊いてみた。


「ここ、行き止まりでしょう、公園で、、、」


そしたらね、トシはこう答えたんだ。


…そこが目的地。


おれ、驚いちゃって。

え?
目的地が公園???


「ど~したの?」


トシは答えてくれない。


「トシ、下ろして?」

…ダメ。



すぐに、道の突き当たりの公園に着いちゃった。

人のいないだだっ広い公園は、街灯もあったけど、木が繁り合ってて暗かった。


「トシ?なんなの、ねえ?」

…今わかるよ。




トシがおれを連れてったのは、公園の隅にあるテーブルと椅子のところだった。


…はい、下りて。


おれは、椅子じゃなくてテーブルの上に腰かけるかたちで下ろされた。


「ど~したの?なんかサプライズとか!?」

「トシ…」


トシがこっちを向いた。
そして、おれの顔を両手で挟んだ。


…冷たいね。


なんだろ、やばい、って、このとき初めて思った。


…少しさ、俺に付き合って。

「付き合うって、お話??」


そう言い終えたときには、すでにトシの腕がおれを抱きしめてた。
そんで………そのまま、キス────。


「ちょ、、、っ!待ってよ

「トシ!」


トシは無言だった。

とっさに、トシを止めなくちゃって思ったけど、後の祭りってやつ。

まさかトシが、こんなところで、こんなこと……。


トシは、おれの着てた薄いコートを途中まで脱がせたかと思うと、シャツのボタンも丁寧に外した。
そして、黙ったまま、おれの首もとや肩にキスし始めた。

知らないうちに涙が込み上げてきた。
いやだとかじゃない。
パニック起こしたんだ。

どうしたらいいのかわかんなかった。
カラダが硬直したみたいになって。

トシが訊いてきた。


…寒い?


答えられなくて、夢中で首を横に振った。

トシの手が、背中から腰に回ってきた。
それから……ジーンズのチャックを開けて。。。


「トシ、だめだよ、、、こんなとこで…」


ひそひそ声のまんま、必死になる。


…大丈夫、ヨシキ言うこと聞いて?


トシの声は低い。


「だって、家に帰ってから…」

…家までなんて待てない。

「そ…んな」

…ヨシキ、おねがい。愛してるんだ。

「だめだって!ここじゃ…っ、」


そう言いはしても、コートを中途半端に脱がされてるから、腕が自由に動かない。


「あ、、、っ!だ、め、トシ!」



そこからはあっという間だった。


テーブルの上に転がされて、おれたちはそのままセックスした。
って言っても、おれもトシも完全に裸になったわけじゃなくて。
なんて言うんだろ、胸をはだけたのと、お尻を出しただけ(トシなんか前開けただけ)っていうか。

おれはほんとにただ、誰も来ませんようにってことしか考えられなかった。
トシが誰かに見つかったら困るって思ったの。
あとは、お酒が相当入ってたのもあって、意識が理性と快楽との間を往き来してた。

トシがずっと、おれの名前を呼ぶんだけどね、それがいつもと違ってて。
ヨシキ、ヨシキ、って、甘えるような?
ううん、むしろ、すがるみたいな。


「や…っ」

「あ、あ、……ん、、っトシ!」

「トシ」

「ふ……っ、、…く、」

「トシ、やぁ…ん……ッ」


自分の声とトシの息づかいが、広い公園の静けさの中に響いた。
いけないって気持ちとは裏腹に、カラダはどん欲にトシを求めてしまって。
トシを制しようとしてたはずが、いつの間にか、もっと感じたくて感じたくて仕方なくなってた。


…ヨシキ…気持ちいい?

「は……ッ、、ぁん…」

…ヨ…シキ…、愛してるよ!

「トシ、、、


涙だけは相変わらず、こぼれるのを止められなかった。
自分でもなんで泣いてるのかわかんない。
もう何もかも、何でもいいやって思った。

涙の向こうに、トシの肩ごしに、おっきな樹の枝と都会の星がにじんで見えた。





。o○.。o○.。o○.。o○






…ごめん。悪かった。


おれに服をきちんと着せ終わると、トシがうつむいて言った。
まるで懺悔してるみたい。

正直おれは、何のことを謝られてるのかわかんなかった。

無断でキスしたり服脱がしたりしたこと?
公園でエッチしたこと?
それとも、夕食や映画が台無しになっちゃったとでも思ってるのかな?

確かに初めはムカついたよ。
黙ってこんなトコに連れてこられて、有無を言わさずエッチに持ち込まれて。
しかも、楽しいってゆうのとは違うもん。
テーブルは痛いし、ろくにトシのこと抱きしめもできないし。

けどね、不思議な感覚が湧いてきたのも事実だった。

一言で言っちゃうと、「おれってこんなに求められてたんだ!」っていう。
単純に、トシが家まで待てないくらい、おれに欲情してたのがうれしかったっていうか。

だから、トシ主導のむさぼり喰われるようなセックスでも、なんか、怒れなかったんだよね。

少なくとも、いやじゃ、なかったもん。


「今さら、悪かったとか言われたって。」


トシは地面を見つめたまま、何にも言わない。

泣くつもりはないのに、急激に感情がたかぶって涙があふれてしまう。


「だってこれ。共犯でしょう?」


「ねぇ、違うの……?」


トシに、そうだね、って笑って認めてほしかった。
ただの一方的な行為じゃなかったんだって。
おれも、同罪なんだって。


「なんで軽々しく謝るんだよ」


「なんか言ってよ」


テーブルに座らされてたおれは、トシのだんまりにモーレツに腹が立っちゃって、目の前のトシを殴ろうとした。

振り上げた拳は、やんわり手首ごと掴まれちゃったけどね。

それでそのまんま、トシに抱きすくめられた。


トシに甘えたいのと、トシを責めたいのが、ごちゃ混ぜになって、おれは一気にボロ泣きした。


「後悔、してるの?」


「おれと寝たこと、、、?」



おれね。
すごいさみしかったし、それに、悔しかった。

こんなにふたりでいるのに、くっついてるのに、トシが限りなく遠くて……。




「ねぇ、返事してよう」


「ねえったら」
 


それでもトシは無言で。









「もう、、いいよ。。。」


どれくらい経ってたんだろう?
ひどい脱力感に襲われて、トシからの言葉もあきらめたときだった。

トシが、おもむろに、口を開いた。


…ごめん。。。ごめんね。。後悔は、してない。本当だよ。


…だけど、またやり方を間違っちゃったなって。


…いつも泣かせてばっかで…俺。ごめんね。すごく大切なくせに、全然大切にできないんだ──。


トシは、言い終えると、腕の中にいるおれの髪を撫でた。
その手があんまりやさしくて、苦しそうで。

おれは嗚咽を抑えられずに、トシの胸にしがみついた。


「ちゃんと、大切にされてるじゃん!」



首筋と背中に感じるトシの手が、熱かった。







もう。





ほんとに、これで何もかも。




何でもいいや。








この世界に、トシとおれさえ残れば。








.。o○.。o○.。o○.。o○







帰り道は酔いもすっかり覚めちゃって、黙々とトシの後ろをついて歩いた。


…手、繋ぐ?


トシが言ってくれたけど、おれは「ううん、いい」って答えた。
今 手を繋いだら、公園でのセックスを生々しく思い出しちゃいそうで、何となく気恥ずかしかったんだ。

だけどね。
トシの背中を追いながら、おれ、ある重大なことに気付いちゃったの。
とってもとっても、重大なことだよ。


───今しかないかなあ。

思い詰めて、トシを呼んだ。


「トシ……トシ!」

…え?


トシが振り向いておれを見る。
おれはトシに近付いていって、トシの真正面に立った。


…なぁに?

「あのね」

…うん。。。


トシはちょっと、戸惑ってるみたいだった。
公園でのこと、気にしてるのかな。


「おれ…」

…うん。

「おれ、今日トシと同い年になりました」

…?

「でもね、なってから1回も言ってなかったでしょ」

…ん?何を?


おれはトシの目をまっすぐに見上げた。

もう、1才違いの年下じゃない。
堂々と、言うんだ。


「───おれ、トシのこと、愛してるよ。誰よりも、愛してるよ」


「誰にも、負けない。愛してる、世界でいちばん」


「だからこれから一年、またよろしくね」


トシが面喰らってるのはわかってた。
けどおれは、淀みなく、言いたいこと全部言い切った。


…ヨシキ…。

「ん?」


おれを見つめるトシの瞳に、微かにだけど涙が浮かぶのがわかって。


「やぁだトシ、、、泣かないでよ/////」


おれは一気に照れくさくなっちゃって、とびっきりの笑顔をつくると、トシの肩に飛び付いた。

すぐに、あわてて受け容れてくれる、トシの腕があって。


「さっきからさ、トシはおれのこと愛してるって連発してくれてるけど、おれは全然言ってなかったから」

「ごめんね、ほんとにほんとに愛してる♡」


うん、ありがとう、って言いながら、おそらくトシは少し泣いたんだろうけど、おれは知らないことにした。




☆゚+.☆゚+.☆゚+.☆゚+.☆





それから。
結局おれたちは、手を繋いで帰った。
そろそろ寝静まる住宅街を抜けて。

ふたりで息を弾ませて、他愛もない話をして、腕をぶんぶん振って、笑い合って。

家に戻ったら、きっともう一度、お互いの体を求めて愛し合って、強く深く、結ばれるんだろう。





ありがとう、トシ。
ちょっぴり大変だったけど、最高の誕生日を。


そして、ありがとう、…そこにいるならば、神様。
宇宙一、素敵な贈り物 トシを。
























《END》
いつまでもしあわせでいてくだされ💘
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✨⭐どうもありがとうございました⭐✨

夢想と薔薇の日々<約束 ~Happy Birthday💐ボクの彼氏様~>

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

お誕生日の王様


メチャメチャ急いでお風呂出たのに、寝室に行ったらすでにトシは眠ってて。

カッコいい♡
寝てるときも男前!♡


って、今はそんなこと思ってる場合じゃない。
なんでこの大事なときに寝てるんだよ~っ!!!

思い切って声をかける。

「トシ…トシ、……起きて」

パジャマの腕をつんつんすると、すぐに反応があった。

…ん、んー。

でも、目は閉じたまま。

「トシ!起きてよ、あと5分で誕生日になるよ!」

…んー?ヨシキ?

「うん」

起きたと思ったのに、またスースー寝てしまいそうになる。
今度は肩を揺さぶった。

「トシ、誕生日だったらぁ~」

…誕生日ー、ってぇ、、、、、

「そうだよ~トシの誕生日~!」

トシはおれの手を振り払って、うるさいなって感じで言った。

…もー、明日の朝でいいよぉ。




あ~あ~あ~~~!

テンションだだ下がり。


だけど今日ばっかりは負けてらんないもんね。


「トシ!起きて~!」


おれはトシの手を引っ張って、強引に起こした。


…眠いー。

「少しだけだから付き合って!」

…大昔から付き合ってるじゃん。

「バカぁ、違うよ~💦」



.。o○.。o○.。o○.。o○






誰よりも先に、お誕生日のお祝いを言いたかった。
子供じみてるって言われるかもだけど、そんなの関係ない。
いちばん乗りじゃなきゃ、何にも意味がない。


ふたりで並んで、枕元の時計を見てる。
トシは何度もあくびしてたけど、しっかり“付き合って”くれた。

「あと30秒…」

「20秒」

「10、9、8、7、」

いよいよだ!

「……3、2、1、0!やった!」

…パンパカパーン!10月10日でぇす!

「トシ、お誕生日おめでとう~!」

…ありがとうございまーす!

何気にトシが盛り上がってくれて、すごいうれしかった。
頭を深く下げたあとにニコニコ笑っててくれて。

「あの、さんざん騒いどいて、プレゼントまだなんだけど…」

そう言ったおれに。

…後日に期待しときます。

トシはさらっと答えた。

たぶんほんとは、期待なんかしてないと思う。
だいたい、トシが何か特別に欲しがってるとか、想像もできなかった。

仕事場でいろんなのもらうんだろうなあ。
家には持ち帰らないけど。

おれはプレゼント、どうしたらいいんだろ~?考え込んでしまった。










…ヨシキ。愛してるよ。

「え?」

…愛してるって。聞いてなかったの?ありがとね、いろいろ。

トシの告白はいつも唐突すぎて、どう対応していいかわからなくなる。

「あ、あ、トシ!聞き逃した、何?もっかい言って?」

とりあえず、ねだる。
そしたらトシは、いやな顔ひとつしないでくり返してくれて。

…だから、ヨシキのこと愛してるよ、って。

「え!ちょっともう一回…」

…ヨシキ、愛してるよ。

「もうい…」

…コラ、調子に乗るな!笑。

「あはっ」

トシが腕を伸ばしてきて、おれの頭を自分の胸に引き寄せた。


びっくりした。
そのままぎゅ~って、抱きしめられたんだもん。

…プレゼントはこのコがいいや。

「、え、何言って…」

腕の中でじたばたしてたんだけど、事はまだまだここからだった。
トシが、言い聞かせるような口調で言ったんだ。



…これからもずーっと、そばにいろな。離れるなよ。
「!」


口説かれてる!?

今さら…?
でも本気~!?!?


…んでね、誕生日には毎年、ヨシキが真っ先に言うんだよ、『おめでとう』って。

「ぅ…/////」

やられた。
完全にノックアウト。

鼻の奥から、涙がツーンと込み上げてきて止めようがない。

…返事は?

「……うん、、、はい~💧」

なに、感動しちゃった?笑。

「うん。しちゃった…」

照れ隠しに笑うけど、涙がじわ~って。
トシのパジャマにぐいぐい顔を押しつけちゃった。

…ほら、またすぐ泣くー。

「泣いてない!」

…泣いてるでしょー?

トシがおれの髪をクシャクシャってした。
やさしい笑顔なの、わかる。

…泣いてるヨシキもかわいいけどさ。

「トシが泣かせるんだよ~」

…そう?

「そうだったら。」

…うそだぁ。

「ほんと。。。こうやってどれだけの男やら女やら泣かせてきたんだか」

トシはおれの体を抱いたまんま、ほんの一瞬間をおいてから呟いた。

…添い遂げるのはヨシキひとりなんだから…いいじゃん。

長い髪が頬っぺたや首にぱさぱさ落ちてきて。
おれは、なんて言ったらいいのかわかんなかった。

「うん…」

やっぱりいろいろあったんだな~ってトシの過去に嫉妬したのは確かで。
でもおれだってトシのこと忘れようとして女作ったじゃんって、自分を責めたり。

複雑~、、、なんて思ってたら、お互いの過去が哀しくて、涙がポロっと手の上に落ちた。

「トシ……」

…ヨシキ!いつまで泣いてんの。

トシが、おれの頭をゲンコツで小突いた。

「ご、ごめん」

グシュグシュって鼻をすすったおれに。

…相思相愛なんでしょ。

トシはそう言って、楽しそ~うにケラケラ笑った。


…腕枕してあげるから、早く寝な。

やっと体を離してくれたけど、おれはまだ涙ぐんでて。
前髪かきあげて、ごしごし目をこする。

…泣き虫なお姫様で困るよー。



横になったトシが、からかい半分にこう言って、それから自分の隣の布団をポンポン叩いた。

…はい、ここ。

「いいの。。。?」

…お姫様の特等席だからね、いいの。遠慮しない遠慮しない。

トシのその言葉に、見事に心を打たれて、またしてもおれは何も言えなかった。




.。o○.。o○.。o○.。o○






真っ暗な部屋。
夜とトシに抱きしめられてる。
ぼんやりとしたあったかくて心地いい熱だけが、ここにはあって。


「なんかさあ、これトシの誕生日じゃなくて、おれの誕生日だよね」

…なんで?

「なんでって。。。トシには何にもなくて、おればっかプレゼントもらってるじゃない」

…さっきも言ったけどぉ、俺はヨシキだけで十分。世界一のプレゼントだよ。

「そんなこと言ってもさあ~」

だって、だって。

プレゼントがおれって言ったって。
トシはキスもエッチも求めてこないし。

変じゃない?トシ。

ぐるぐる考えてたら、おれの頭の中見透かしたみたいにトシが呟いた。

…ヨシキが今ここにいることがね、俺には世界一のプレゼントなの。ちゃんと息づかいが伝わってくること。隣にいて触れられること。

「……」

…セックスだとか何だとかは二の次だよ。

「しないって意味?」

…今は。

「おれの、……せい?

…違うよ。お楽しみはあとでゆっくりね、って♡

そしてトシは、おれの髪に、チュッて軽くキスしてくれた。

…そろそろ俺 限界。寝るよ?

「うん。付き合ってくれてありがと」

…あはは、天使さまの祝福を受けてから眠るなんて、俺はしあわせもんだと思わなきゃ。


力強く抱き寄せられて、おれはトシの肩に頬をうずめた。
そして今夜のトシのセリフを片っ端から想い浮かべた。
下手したら、今度こそ真面目に大泣きしちゃいそう。

なんで今日はやたらと、トシの言葉にクラクラ来ちゃうのかな?
変なのはおれの方……?


…おやすみ。

「うん…おやすみ」


温もりに守られて、そっと目を閉じた。







きっとね
今日はトシのお誕生日だから


誰よりも人一倍 光り輝いてるんだよね


大切な時間
分かち合ってくれて ありがとう



いつまでも

いつまでも ずっと



あなたのそばで
お誕生日のお祝いする約束
絶対に おれ…守るから─────♥️














お誕生日の王様

《END》
遅くなってすみませんでした!
バナートシ3
ばかっぷるバンザーイ!✨🍷🎂🍷✨





夢想と薔薇の日々<ONE AND ONLY/ ただ、もう、キミしか。 ~お誕生日企画2016~>

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」(夢見る、想う)は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、どうぞよろしくお願いいたします。

きみがホッカホカの白いごはんを炊いてくれていた朝。
隣には、インスタントの味噌汁。


「トシ!お誕生日おめでとう~!」


きみが、誇らしげにくしゃっと笑う。


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夢想と薔薇の日々<IN THE END OF THE SUMMER -キモチノユクエ->

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」(夢見る、想う)は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、どうぞよろしくお願いいたします。

いつもどおりキッチンで昼食の片付けをしながら、俺はまだ悩んでいた。
新しい曲の歌詞が、どうもうまくまとまらないのだ。

―――くそっ、メロディは完璧できてるのに。



布巾をきれいに洗い終えて、なおもスッキリしない気持ちでダイニングに戻ったときだった。
カウンターから俺を覗いていたのだろうか、ヨシキが近づいてきて、俺の背中をトン、と小突いた。

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【突発】夢想と薔薇の日々<もうひとつのラ・ヴィ・アン・ローズください>その後sideヨシキ(ⅲ)

゚+.ヾ(●´I`)ノ.+゚.。オハヨ~✽
こんな時間に何ですか!?という感じですが。
コソコソするのは、何かしら魂胆があるからで。
もし、戯言にお付き合いいただけたら、幸いです。

そう、今ね、何をしてたかっていうと、『夢想と薔薇の日々』第二章を始めるにあたって何か足がかりがないかなぁと思って、過去の原稿を整理してました。
そうしたら、<ラ・ヴィ・アン・ローズください>その後sideヨシキ(ⅲ)の別バージョンが出てきたんですよ。
すっかり忘れてたのが。
結局ボツにしたんだから、そのまま葬り去られても当然な部分で、本来は、お見せするべきじゃないと思う。

し・か・し!

これが、邪道だけど、なかなか捨てたもんじゃない。
当時はあれだけ「描けてない描けてない!」って苦悩してたパートを、今になって読み返すと、けっこうおもしろいなって。
もちろん、本当はいけないコトですよ、こういうやり方はね。
百も承知なんだけど…(笑)。

だから、興味がある方のみ読んでくださったら、それでいいと思います。
ごめんね、いろいろあるんだってばよ!

では、参ります。

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2015.12.01-04Toshlの涙のフシギ ~XJAPAN日本ツアーから~

すみれト―――ク!!!
2015-12-06LOVE-01


去る12月1、2、3、4の4日間、Xの横浜アリーナ公演に行ってきました(記事が遅くてすみません!)。
4連チャンなんて絶対に不可能だと思えて、不安ばかりが先をよぎる日程でしたが、中だるみもなく、無事、精一杯楽しんできました。
わたしにとっては、それこそが奇跡と言っても過言ではないです。


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