Ciao! (=´ー`)ノ⌒♪私自身あるいは困難な存在

■TMNETWORKとXJAPANが日々の糧εεε=(*ノ▽ノ)な佐野瑞希です、こんにちは。■音楽と、広範囲な意味での文学について綴っています。■現在は、一連の創作シリーズ『夢想と薔薇の日々』の更新がメインになっています。「おもしろかったー!」と思っていただける一日があれば幸いです。  ───遠い記憶をたぐり寄せると、どこまで遡っても自分の感性や思考のしかたが変わっていないなあと感じざるを得ない今日この頃。春、桜舞い散る日に。(2015.04.12改稿)

仔猫ちゃん

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『夢想と薔薇の日々』リライト!<THE TRANSPACIFIC C.LOVE.R>

『夢想と薔薇の日々(Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

脱衣室で、俺はヨシキを待ち構えていた。
シャワーを浴びて出てきた彼を、洗いたての大きいバスタオルでバサッと頭から包む。


「ぎゃ~ッ!」

… あはは、ビックリした?笑ʬʬ

「や~ん、前が見えないよ~!ちょっとぉ!これ取ってよ~!」 

…今日洗ったから気持ちがいいだろー。

「う、…ん、お日さまのにおいして気持ちいいけどぉ。けど動けないってぇ~!」


こういういたずらは大好きだ。
バスタオルの上からヨシキをぎゅーっと抱きしめてる。


「と~し~、おれびしょ濡れなんだけどぉ…ほんとに動けないよ~~~💨」


俺はひとりで楽しんでたけど、いい加減かわいそうになって、かぶせたバスタオルを取ってやった。
それから小さくごめんねって言って、ザッと彼の全身を拭く。


「ありが…と///」


恥ずかしそうに彼が呟く。


…どういたしまして。



ところが、用意していたバスローブを着せようとしたら、彼はもうご機嫌ななめになった。


「それぇ、、、もう着なきゃだめなのぉ~?」

…ダメだよ、風邪引く。

「だって暑いも~ん」

…そういうこと言ってるとまた湯冷めして体調崩すから。


不満げな彼のカオを無視して言う。


…はい、腕通して。

「んんん…」



やっと着るものを着たヨシキは、今度は彼の方からいたずらを仕掛けてきた。
俺の首に腕を回して、離さない。


「だったら抱っこちゃんして♫」

…ヨシキー、こんなところでいつまでもふざけないー。もうおしまいだよー、遊ぶのは。

「ふざけてな~い!」


何故か突然の完璧甘えっ子モード。


…しょうがないなぁ💨


まだ半分濡れた髪のヨシキを、お姫様抱っこしてそのまま寝室へ連れていく。
彼はうれしそうに足をバタつかせた。


…ほれ、つ・い・た・よー!


ベッドにそっと彼をおろした。

けれどやっぱり彼は俺の首に絡ませた腕を離そうとしない。
俺はベッドの上に屈んだまま、 何度かヨシキの名を呼んだ。


…ヨシキ、だめだよ離して。

…ヨシキ。

…ヨーシーキ!


ヨシキは何も言わない。
そのかわりに、彼は手を俺の肩まで下ろしてきて、潤んだ瞳で俺を見つめた。

肩を抱く彼の手が、ひどく熱い。
俺はすぐそこにヨシキの吐息を感じてる。


…ヨシキ、離して。


俺はもう一度言った。


「なんで」

…なんでって…そんなの理由ないよ。

「ねえ、…これ。脱いだらダメ~?」

…だめだったら。

「どうしてぇ?」

…目に毒。


肩にしがみつかれて、ヨシキの体温にぴったり触れて。
そんな状況で、俺の体が徐々にヤバい方向へ反応し始めたって、誰に責める権利があるもんか。


「おれの体、そんな自信なくないよ?💢」


ヨシキがぷくーっとふくれて言う。


…バカ!意味が反対だよ!

「んふふん/////…知ってるも~ん」


途端にそうやって笑うし。


「ねえ……じゃあ脱いでいいでしょ~?」

…だーめだって。ヨシキそれ、わざと挑発してるだろ!

「してる…かもしんなぁい♡」


こういうときの彼独特の高い声が、俺を甘い誘惑の罠にかける。

───どうしよう。何て答えればいい?


俺は迷った。

───なんでそういうカオで見つめるんだよ!もうすでに俺に勝算がないことくらいわかってるだろう!


ヨシキが、とうとう俺の髪に手を伸ばしてきた。
そして物欲しげに軽く引っ張る。


こうなったら、逃げても無駄なんだ。
いつもいつも、そうやって彼のペースに巻き込まれてしまう。


俺は彼の鼻に自分の顔がくっつきそうな距離で、念を押すように訊いた。


…キスだけじゃ、いやなの?せっかくシャワー浴びたのに。

「浴びたから準備OKなんじゃないの?♪」


そう来るか。
もういいや、言ってしまえ!


…したいの?どうしても?

「うん…!どうしても♡」

 
そんなににっこり言われるとなぁ。


…んー、…じゃあ………しよっか。

「うん、する!やった♬」 


彼は両手でピースして見せた。







.。o○.。o○.。o○.。o○







「んんっ…トシ…あッ、そこきもちいぃ…ぃ、背中」

…うん…これは?感じる?

「あぁん!やっ…はぁっんん…トシ!トシは?」

…うん…いい…よ。すっげぇいい。


何だかんだ言ったって、始めてしまえばお互い乗り気になるもので。
やさしくやさしく、ふたりで舐めたり噛んだり…愛撫を続けている。

完全に、お互いがお互いを求めてた。



体じゅうがキスと愛撫でいっぱいになった頃、駄々っ子が要求しだした。


「も、ねぇ、、トシ…欲しいよ…」

…欲しいって…何を。

「いやぁぁあんいじわる~、わかってるでしょぉ」

…わかんないよ。

「自分だってそうなくせに…ズルいよう……いじわるはナシぃ~」

…だぁって。言っとくけど今挿入れたらすぐ終わっちゃうよ?待って。もうちょっと我慢して。

「やぁだぁ~カラダが熱いよ…がまんなんかできないもぉ~ん」

…もうほんのちょっと!今挿入れたらヨシキのカラダもったいない。

「 いいの~!いいから挿入れてよぉぉぉぉ!」


ヨシキがまた『どうしても』とせがむので、俺はあきらめて、ベッドの脇からワセリンのビンを取り出して準備を始めた。

指でとって少し温めて、そっと彼の局部とその周りに塗ってゆく。
こっちに向けられたヨシキの丸々してかわいいお尻と“そこ”が、荒い呼吸と一緒にヒクヒク、って動いてる。

ダメだ、クラクラする。

色っぽくてエロくてたまんない。
もう俺がどうしようもない。


「んん!」「いやぁん」「あんっ!」


ヨシキはいちいち勝手に騒がしい。

まだまだ、“準備中”だぞ。
そんな声出すと、こっちだって盛り上がっちゃうじゃないか。
いつものことだけど、きちんと塗っておかないと挿入れたときに痛いのはキミなんだから。


塗り終わったら、いよいよ、中指から1本ずつ局部に入れてく。


…慣らすよ?指入れる、痛かったら言って?

「はぁ…うん…」


大切なキミだから、ゆっくり、慎重にね。
ヨシキは相変わらず喘いだりわめいたりしてる。


…ヨシキ?痛い?

「ううん、やんっ…き、きもちいい///もっと…し…て…」


彼を喜ばせているあいだ、俺は漠然とあることを考えていた。


…ねえ、ヨシキ?

「な、なに~?…んん~~/////」

…あのさ、いつもっていうか、前からずーっと思ってることなんだけど。訊いていい?

「あ、はい…?なに…はぁっ…ヘンな…質問?」

…いやぁ別にヘンって言うか…あのさ、ヨシキさ、こんなところで…。


言いかけたときだった。


「ああ~~、もうトシ!指何本使ってんのぉ~っ?」

…何本って、…え、今3本…。

「やぁだぁ!もう…ゆ、び、いらなぁ…い!」

「トシ!もっと奥、奥だよう!」

「トシ~トシ!…ホンモノのナマ、トシのおXんちXが欲しいのぉ~~~っっ!!」


あーあーあーあー、仔猫ちゃんが爆発しちゃった。
完全に“突発性発情期”に入ってる。


話の途中だったけど、そういう俺も体じゅうビンビン来ちゃってて、そろそろ挿入れたいかも。
俺は、『くっそ!もうどうにでもなれ!』と、ヒタヒタに緩くなってきているヨシキのそこに、勢いよく身を沈めた。


「ああ──!トシ──────!!!」

…うん、…ヨシキ?入っ…たよ。わか…る?

「いやん、うん、わ、かるぅ…すご、い…い……ん…おれの中さ、…ねえ…いい…?///////」

…ん、メチャクチャいいよ、…安心して。


俺は彼を抱きしめながら、喘ぐヨシキを、やっぱ最高だな、なんて思ったりして。


「トシもっと、、、奥、、奥だったらぁっ!」

…ん、かなり…入れてるよ?ほら、ここ気持ちいいでしょ?

「いやぁぁんもうトシ~~~はぁっ感じる、死んじゃう~!」

…もっと動くけど…大丈夫?続けられる?

「う…ん……早くぅ!」


「はぁ…はぁ…トシ好きぃ…好きってばあ~…」

…俺もヨシキ…好きだよ。…愛してる…誰、よりも…愛…してる。


…あー!ヨシキ、だめだよそんな…ひざ、閉じないで!

「ん…っ」

…ヨシキ聞いて。もっと力、抜くの、脚開いて…くんないと…ね…俺が…早くイッちゃうから…あっ…!ほらぁ!脚閉じないでって! 

「だって…だってキモ…チいいんだ…もん…はぁっんっああ!ホントに死んじゃうよぉぉぉ!」


少しだけ久しぶりの情事は、やけに長く続いたような気がした。




『死んじゃう』を連発していたヨシキは、3ラウンド目で気を失った。
俺はそのときまだイッてなかったのに。
自分で処理してるかわいそうな俺、、、まったく。







.。o○.。o○.。o○.。o○







金髪が寝乱れて、美しく艶めかしい姿のヨシキを、俺は1時間ほどただただぼんやりと眺めていた。
不思議と、彼を見ているのは飽きない。


その堕天使(ヨシキ)が意識を取り戻したのは、日付が変わってからのことだった。 


「…ん……トシどこ…」

…ここだよ。こっち。


宙に伸ばされたヨシキの手を、そっと取って握ってやる。


「んん…あれぇ……ねぇトシ?おれ、天国に行ってたよ…」


寝ぼけた発言がおかしくて、俺は笑ってしまった。


…まだ天国に行くのは早いよヨシキ。俺といたの。…よかった?おぼえてない?

「……う~ん、ああ、そっか~思い出したかも…トシはぁ…ねえホントにすごいねぇ~…」


どういう意味だそれ…?
SEXのテクニックがすごいってこと?

しばらく考えたけど、隣でまだむにゃむにゃ言ってるヨシキの、今の『すごい』にはあんまり深い意味はなさそうだと思って、俺は聞き流すことにした。 

彼の首筋を指で上へなぞってもう一度上から体じゅう抱きしめて、名前を呼ぶ。


…ヨシキ?

「ん~…」

…あのさ。


今度はタイミングをつかんだと思ったのに、さっき途中でやめた話は、またも堕天使に遮られた。


「ねぇ~キス、してぇ?」

…え、キス?…うーん、ちょっとだけだよ?


乗っちゃう俺も俺だけど、ヨシキはキスが大好きだから仕方ない。


「う…んん」

…もういい?

「んん…足りないけどぉぉ」

…もうカンベンしてよ。


…あのね、ヨシキ。ひとつどうしてもね、ヨシキに訊きたいことが…あるんだよ。まじめな質問。

「なあにぃ?」


ヨシキは俺の髪で遊びながら、かわいらしく返事をした。
やっと聞く気になったか。

俺は彼の体を抱いたままで続けた。


…ヨシキってさ。

「うん?」

…こんなところに来ちゃって…後悔することないの?

「こんなところぉ?・・ってここの家~?」

…うん。


「ないよ??」 


彼はあっけらかんと答えた。


…だって。“向こう”じゃけっこうな生活してたんだろ?そういう世界はどうなっちゃったわけ?

「へ?・・・あは、そ~んなのぉ!」



ヨシキはそこで一旦区切って、俺の頭を抱えて胸元に引き寄せた。
そして、くしゃくしゃっと笑って続けた。



「そんなのはぁ~、み~んな太平洋にばらまいて捨ててきた!!」

…太平洋?????

「うん!だってさ~?トシとこうゆうことできる方が何億倍もしあわせだもん!」


こ、こうゆうこと、って。


「あのね?じゃあ聞いて。」

…うん。聴いてるよ。


ヨシキはまだ俺の髪で遊んでる。


「あのね、おれね~。ここに来てぇ~、トシと暮らしてるでしょう?」

…うん。

「そんでさぁ~、んと。トシ信じるか、わかんないけどぉ。おれ生まれて初めて、四つ葉のクローバーね、みつけたんだよ」


…は?四つ葉のクローバー???


「うん!ずっとずっとさぁ、ず~っと、さがしてたのにみつかんなくって…ホントちっちゃな頃から必死だったのに…」

…??

「でもこうやってね、やっと、トシといっしょに生きれて、そんでやっと、みつかったの。四つ葉のクローバー!だから、おれしあわせ……にゃはははは…」


ふにゃふにゃの笑顔は、今にも泣き出しそうだった。





───四つ葉のクローバー、って。






「ねね、もっかいチュ~して?」

…え、…うん。


俺は黙って彼に口づけた。
───こうやって、伝わっていくんだろうか、俺の、気持ちも。



太平洋の向こうの生活より、俺との“ごくごく普通”の生活を『しあわせ』だと言ってくれたヨシキ。
そんな彼に、俺は一言も返せなかった。







それから。
365日の中でいちばん短い夜を、俺とヨシキはとてもエロティックに、ロマンティックに過ごした。

キスして抱き合ってやさしい会話をして、また、キスして抱き合って────。


自分が相手に溶け込んでしまわないのが不思議なくらい、ふたりのあいだに愛があふれて、そしてこぼれ落ちていた。









*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:









もし、ヨシキがここへ来て。



生まれて初めて

四つ葉のクローバーをみつけたのならば。



それはヨシキだけじゃない。



今、こうして彼を抱きしめている

俺も、きっと、そうなんだ──────。



 
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《END》

どうもありがとうございました💜
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夢想と薔薇の日々<日々徒然>3月15日号

『夢想と薔薇の日々(Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

<日々徒然>

夜更し常習犯のヨシキが、珍しく早く寝るんだって言うから、おやすみって寝かしたんだけど。

昨夜ゲームで完徹して疲れちゃったとか言ってた。
まったく困った仔猫ちゃんだ。


俺はそのあと、夕食後の片付けをしたり、明日の準備で台本読んだりしてた



ところがさ。
1時間くらいしてかな?
そろそろ寝ようかと思った、その矢先。
ヨシキがダイニングに降りてきて。


…お?どうしたの?寝たんだと思ってた。

「うん、、、」

…眠れないの?

「ん~」


どうしたんだろう。
何か言いたげに突っ立ってる。


…あー、いつも隣にいる人がいないと、寝れないか。

「ば…っ、、、そんなんじゃないもん…っ!/////」

…そう?


納得したふりして相づちを打ったけど、どうしても顔が笑ってしまう。

───図星だな、こりゃ💨💨




…ほら、ヨシキ座って。

「ほんとに、違…っ」

…わかったわかったꉂꉂ笑ʬʬ


後ろから抱きすくめて、髪に軽くキスしてから椅子に沈める。
ヨシキはちょっと、ふてくされたような顔をしてるけど。





⋆⋅⋅⋅⊱∘──────∘⊰⋅⋅⋅⋆



…ホットチョコレートでもどう?

「、、うん/////」



⋆⋅⋅⋅⊱∘──────∘⊰⋅⋅⋅⋆






ヨシキの大好きなレシピで、ホットチョコレートをつくった。


「おいし♡」

…よかった♪


ようやく、彼からも笑顔がこぼれる。









何気なくテレビをつけたら、深夜ニュースで東京の桜が開花したと言ってた。


…いよいよ桜か。。

「春だね〜」






ヨシキ。
キミが綺麗に映る季節が、また、やってくる。















《END》

🌹いつもありがとうございます😘🌹
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夢想と薔薇の日々<ネコの春と…恋。三たび>後編

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。


ネコの春と…恋。三たび
「チュウして?」

…うん。

「、あ」


…んん。ふ…っ。

「トシ好きだよぉ」

…うん。……おれも、好きだよ。

「あっ!ん、キモチいい……もっと!」

…待って。

「トシ、もっと。もっとだよぉ」


順繰りに、ヨシキの要求に応えていく。


…ここ感じるでしょ。ほら、ここも。

「あっ!あぁ~!」

「や…っ、く……ッ!」

「は……ぁッ!いっちゃう!!」



ピストン運動を繰り返している腰と、支えている腕がしんどい。
それでも覚悟を決めたんだからと、ひたすらヨシキに奉仕する。





永遠に続くかと思われる仔猫ちゃんとの情事。

もう何回彼をいかせたろう?
数えるのさえ嫌だ。
普段ならせいぜい3ラウンドくらいで終わるのに。




朦朧とする頭で、俺ははたと、いいことを考えついた。


…ヨシキ、腕、縛るよ。


厚手のスポーツタオルに手に取る。


「ん?なんで。トシに触れなくなっちゃう」

…いいから。

「痛いことするの」

…まさか。しないよ。

…ヨシキが引っ掻くからできないように結わえとくの。

「ん~。。」


実際、俺の体はヨシキのせいで引っ掻き傷だらけだった。
背中とか胸とか、いつだって我を忘れると爪を立てるのがこのネコさんの癖だけれど、発情中は半端ない。
体じゅうに傷ができてしまう。
商売道具の、首から上を防備するのが精一杯だ。
ただ、別にヨシキは故意にしているわけではなくて、俺を求めるあまりなのはわかるから、むやみに責められない。



今日のタオルはね、特別な意味なんだ。







そして、最後の戦いに挑む。
外ではまだ、猫たちがにゃぁにゃぁと甘ったるい声を出している。


…ヨシキが。次にイったらおしまいだよ。

「え~。そんな~」


約束を取り付ける。
ここが重要なのだ。







ヨシキの胸に唇を這わせると、ビクン、ビクン、と彼の躰が反応する。
もう、乳首とその回りが、すっかり鮮やかなピンク色に染まっていた。


「は…っ……んんっ!」







「なんかさあ、トシ……すごいね……?」

…はぁ…、はぁ…っ、そ…う……?


当然だ。
これでヨシキをイかせれば、俺には安眠が訪れる。
 


本当に、息が苦しい。
しかしこれが俺の腕の見せどころで。










「あああ~~~!トシ、いきたい!!」

…んん?……だめ。

「でも、出ちゃうよ!」


出ちゃうって?
何を言ってるんだろう。


…ならいいよ。出してみ。

「あ、んんっ………え??」




「……あ。トシのいじわる~!!」


ヨシキがようやく、気付いた。

両手首をタオルで縛られているから、彼は自分で自由に達することができないのだ。

タオルごと俺に掴まえられて、ヨシキの躰は震えていた。


「も、もう、いきたい!許してよ!」

「トシ限界だよ許して! 射精 たい!」


とうとう、ヨシキがまた泣き声になった。


…もういい?満足したの?


俺はわざと意地悪く、彼に訊ねる。


「し…っ、した、したよ!お願いいかせて!」


涙を流し、身をよじって絶頂エクスタシーを懇願するヨシキの姿は壮観だった。

───俺ってやっぱりサディストなのかな?

自分の性器 ペニスをヨシキに深く突き立てたまま、俺はヨシキを抱きしめて、彼のそれに手をやった。


「は、やく…っ!」


ヨシキの顔は、感情が高ぶっているのと、極限まで高まった快感と、それから、この状況への羞じらいとで、真っ紅だった。
覗き込むと、悔しそうにそっぽを向いて、唇を噛んだ。


…はい、いいよ。いきな。


俺が軽くそれに触れただけで、ヨシキは悲鳴を上げた。
続けて、キュッとしごくと。


「あ、あ。あーーーーーー…ッ!!!」


激しいオーガズム。
彼のお腹の上に、勢いよく精液がほとばしり出る。

俺は一瞬見とれてしまった。


…大丈夫?


ちょっといじめすぎたかなと思いながら、俺は、ヨシキの精液を人差し指ですくった。

そして、最後に悠々と、自分もオーガズムを迎えた。



…ヨシキ……好きだよ。



快感に酔いつつ呟いてみる。
けれどその言葉は、残念ながらヨシキに届きはしなかった。

彼はすでに意識を失っていたのだ。











───ふぅ。


戦いの終わり。



…とんでもないネコさんだよ、全く。



俺はヨシキの精液をもう一度指につけると、ぺろっと舐めた。
いつもの味、いつものにおい。






ヨシキはいつ目覚めるだろう?
今夜はこれで、もう大人しく眠ってくれるだろうか。

時刻は午前3:30を僅かに過ぎている。



───疲れた。

満身創痍でベッドに倒れ込んだ。
体が汗でびっしょり濡れていたけれど、とてもシャワーを浴びに行くだけの力がない。

ぐったり横たわったベッドで、ぼんやりと視界に入ってくるヨシキの姿を見ている。
目を閉じても、やはり気になってしまって、再び瞼を上げた。

───仔猫ちゃん…か。

自分の体がこんなことになっていても、眠っているヨシキを綺麗だと思わずにいられなかった。
寝乱れ、逝き果てた姿に、改めて欲情しそうになる。


…まずいだろ、いくら何でもそれは。





思わず苦笑して、ベッドの向こう側に眠っている彼の手を握った。

あたたかい。


───ほんとにねぇ。寝顔は可愛いのにね。

もうちょっとだけ加減してくれたら、と思う。
盛りのついた猫とはよく言ったもんだ。


…容赦ないからなあ。


ヨシキの顔を見ながら、もう一度ため息をつく。



───さて、と。


そろそろ俺も休んでおかないと、あとが怖い。



ふと、家の外に耳を澄ました。
しんとして何も聞こえない。
猫たちも、逢い引きを済ませて眠ったようだ。


…ヨシキ、また明日ね。おやすみ。


しっかり布団をかけてやると、自分も毛布にくるまった。
それから、思い切って枕元のライトをオフにした。

真っ暗な闇。

仔猫ちゃんの夢に、俺は出てくるんだろうか?なんて考えたりする。
けれど、すぐに途方もない疲れがどっと押し寄せて、俺を眠りへと追い立てた。


…寝よ。………おやすみなさい。












いよいよ、春本番。
猫たちの恋の季節も本番。

もう間もなく、桜が満開になるだろう。













《END》

お疲れさまでした🐱ありがとうございました💗
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夢想と薔薇の日々<ネコの春と…恋。三たび>前編

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

ネコの春と…恋。三たび

今夜もまた、家の周辺で猫たちが騒いでいる。
発情期に入って、彼らも春なんだろうなーと感じる。
桜だって今年はバカっ早くほころび始めたし。

そこまではいい。
そこまでは、いいのだ。
花と恋の季節──結構なことじゃないか。


だけど。


正直なところ、俺は今、疲れ果てていた。
この1週間というもの、夜もまともに眠れていない。

何故って?

我が家の仔猫ちゃんが『発情期』を迎えているからだ。

猫を飼い始めたわけじゃないぞ。


ヨシキだ。

ここしばらく静かだったヨシキが、今年、文字通り『発情』している。


面倒だけどもう一度説明する。
通常、男同士の肉体関係には「タチ」と「ネコ」が存在する。
ざっくり言ってしまえば、挿入する方がタチ(攻)でされる方がネコ(受)。
我が家に当てはめると、俺がタチでヨシキがネコね。

その「ネコ」と、かわいい恋人という意味の愛称を掛けて、俺がヨシキのことを内緒で「仔猫ちゃん」と呼んでいるわけだ。

オーケー?


その見目麗しい仔猫ちゃんが、毎夜俺を離さない。
毎夜というより、俺の在宅中ずっとと言う方が正しいかな。

仕事から帰ると、だらしなくオーバーサイズのシャツやバスローブを羽織っただけのヨシキが、「トシ!おかえり!」と飛び付いてくる。


…ただいま。またそんな格好で、風邪ひくよ、ヨシキ。


俺はなるべくとりあわない素振りで、キッチンへ向かおうとするのだけれど。


「ねぇ~ねぇトシ、さみしかったよ」

…うん、ごめんね。待ってて。すぐごはんにするから。

「え~…そんなことよりぃ~💕💕」

…なんだよ。

「だからぁ~/////」


こんなやり取りを経て、毎日どうしてもリビングか二階の寝室に連れ込まれてしまう。


ここまで話せば察しがつくだろうけど、仔猫ちゃんが俺に要求するのは、濃厚なスキンシップ、あるいはその先のセックスに他ならない。

うれしい悲鳴に聞こえるかもしれない。
ヨシキみたいなかわいいお姫様に始終求められ、美しくて感度のいいその躰を連日抱けるというのだから。


しかし、だ。

俺は外に仕事を抱える身で。

実際問題、ヨシキのお相手ばかりしている訳にいかない。
仕事は、夜中のこともあったし、朝早くからのこともある。
かろうじてこなしてはいるものの、あくびを噛み殺し続けるのがやっとの日々だ。

それに、同時にヨシキをきちんとまかなっていかなければいけない。
彼の健康管理は、ほぼ俺にかかっていると言っていい。
それが例の発情期のお陰で、食生活も生活リズムもメチャクチャになっているのだった。











「はぁ…っ」

「ああ…んっ、ん~/////」


すでに夜中の2時を回っているのに、まだヨシキを抱いている。


…ヨシキ、もう今日はやめとこう。


息が上がって苦しい。
なのに。


「あと1回。あと1回いってから!」

…もうギブアップだよ俺。腰痛い。

「中で 射精 していいからぁ」

…いいからって言われても……もう出すもん何にもないよ、カンベンしてよ。

「おれのこと嫌いなのぉ?」

…そんなこと誰も言ってないでしょう。

「だってぇ!」


こういう展開になるともう終わりだ。
案の定、ヨシキがしくしく泣き出す。

芝居しているだけかもしれないとも思う。
だけど、俺はヨシキのこの涙にめっぽう弱い。
青白くなまめかしいヨシキの裸の肌が、彼のしゃくり上げるままに、恐ろしいほど美しく震える。


「なんでだめなのぉ…?」

…もう眠らないと。明日も仕事あるんだ。

「トシ」

…ん。

「トシおれのこと抱くのやなの?」

…だからいやなんて一言も言ってないよ。

「じゃあなんで、やめようとか言うんだよぅ」


ヨシキはぽろぽろぽろぽろ、涙をこぼす。


…あのさあ。。




───くっそーーーーーー!!!



愛の確信犯だか知能犯だか知らないが、こうなったら受けて立ってやる。俺にだって、男♂としての意地があるのだ。
ヨシキがこてんこてんに失神しても、もう容赦しないんだからと腹をくくる。

とは言え、彼にはそんな態度で接しないのが利口な恋人の得策だ。
泣いているヨシキの肩を抱きかかえて、俺は言った。

…わかったよ。ヨシキが納得いくまで、しよう?

「ほんとに…?」

…うん。


仔猫ちゃんがにっこり笑う。


…ほら、涙拭いて。

「うん…」





果たして、真夜中のベッドは戦場と化すのである。



───あー、ヨシキめちゃくちゃうれしそう。もつかなあ、俺───。









《後編へ続く!》

来てくださってありがとうございます💗
TOSHI花畑


夢想と薔薇の日々<短 夜 ~夏至2018!!いちゃいちゃしたいなSP~>

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」(夢見る、想う)は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、どうぞよろしくお願いいたします。

夏至の晩。
一年で最も 短い夜が 今 ここに在る。

たった数時間の夜を 一息に飛び越えることもできず、俺は軽い頭痛とともに目を覚ました。
枕元の時計は、3時0X分過ぎを表示していた。

この時間に頭痛なんてあり得るだろうか…?
しかも俺に限って…?

特に思い当たることは何もなかったけれど、なぜか胸騒ぎがして、ふり向いたら。

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夢想と薔薇の日々<続々・キミと、融合する、一瞬。>

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」(夢見る、想う)は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、どうぞよろしくお願いいたします。

───今日の晩メシどーしよっか…。

手を頭の後ろで組んで、ぼんやりとそんなことを考えながら、俺はリビングのソファでクッションにもたれていた。

雲に覆われた空からは、夕暮れのほんの鈍い光しか落ちては来ず、ヨシキの風鈴が、ときどき悲しげにチリン、チリンと鳴っていた。





───・・・ ◇ ・・・───





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『夢想と薔薇の日々』リバイバル特別号!<ラ・ヴィ・アン・ローズください>総集編

突然なんですけど、<ラ・ヴィ・アン・ローズ>をまとめて読みたくなったので(わたしが!)、ジャスト2ヶ月に及んだ「ホワイトデー企画2014」をまとめてお送りします。
内容は一言一句変えていないので、通常のリバイバルとはちょっと性質が違うかもしれないと思って、特別号と称させていただきました。
本当に、ただ単に散らかっていたものを1ケ所に集めただけです。
無理に読む必要は全然ありません!
わたしの自己満足のための企画と言っても過言ではないです。
お時間がある方は、ぜひお付き合いください! 
ではε=ε=ヾ(=´ー`)ノ**

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夢想と薔薇の日々<ラ・ヴィ・アン・ローズください>総集編
『夢想と薔薇の日々 (Days of Réverie and Roses)』はあくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」(夢見る、想う)は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、どうぞよろしくお願いいたします。


前編

天気のせいで2~3日たまってしまったふたり分の衣類を、次々と洗濯機に放り込んでいる。
ヨシキは30分ほど前にぼーっと起きてきたばかりで、彼がいやいや脱ぎ捨てたガウンには、まだ微かに体温のあとがあった。

そのヨシキは、彼が『執事のお盆』と呼んでいるお気に入りの“銀”のトレーに、朝食のサンドイッチと紅茶を乗せて、リビングのローテーブルでそれをもそもそと食べている。

この『執事のお盆』とは、元々、日本で発行されている英字新聞の映画コーナーのキャンペーンに彼が応募して手に入れたものだ。
確かに外見は、執事が使うような銀のトレーで、まるくて平たくてキラキラしているのだけれど、アルミかなんかに安い銀メッキを塗っただけの“よいこのおもちゃ”みたいな代物で。
すでにメッキがところどころで剥げていて、何度か『これ処分しない?』と訊ねたことがある。
もちろん彼のことだ、安かろうと壊れていようとおかまいなしで、好きなものは絶対に手放さない。
頑として首を縦に振らないのだった。


───あとでリビングに掃除機かけないと・・・きっとパンくずだらけだな…。


回る洗濯機をぼんやり見ていて、ふと思い当たった。


───あれ?今日って…もしかしてホワイトデーとか言う!?


気を付けていたはずがうっかりしていた。
洗濯終わったらヨシキに何か欲しいものがあるか訊いてみよう。






・ ・ ・と、思っていたのに、何ということだろう、すっかり忘れて(!)、一日をまるでフツーに過ごしてしまった俺が次にホワイトデーのことを思い出したのは、その晩すでにベッドに入ってからだった。

ヨシキには背を向けて本を読んでいたのだけど、頭にいきなり『3月14日=ホワイトデー』の文字がくっきりと浮かんだ。
それは、朝と同じように突然の衝撃だった。


…ヨシキ!ヨシキ寝ちゃった!?


慌てて180°向きを変えてヨシキを見ると、彼も壁側を向いていて返事がない。

───ヤバいだろ!ヤバいよこれは!


…ヨシキ!ちょっと起きてくれ。ねえ、…おい!

「…ん、んん~…」


俺はヨシキの肩を揺さぶって、のしかかるようにして仰向けに彼を起こした。


…ヨシキ!ごめんっ!

「んんん~~もお、なにぃ~?」

…ちょっと聞いてくれよ、今日ってさ、てゆーかもう昨日になっちゃったけど!

「えぇ~。。。。なんの話なのぉ~、眠たいよ…」


ヨシキはいかにも迷惑そうに目をゴシゴシこすって、大あくびをした。
彼が眠そうなのは置いておいても、俺には伝えなくちゃならないことがあった。


…ねえ、今日っていうか昨日っていうか、…ホワイトデーだった!

「んぁ~?…あ~そおだよぉ~~…だからなにぃ?おれプレゼントなんにもないから黙ってたんだよぅ…」

…バカ!違うよ!俺がヨシキになんかしなきゃいけなかったんだよ!


一呼吸して彼の目を見つめた。


…何かある?欲しいものとか。してほしいことでもいいよ! 

「えええ・・・・・、そんなのぉ別にない。だっていつもいろいろしてもらってるしぃ~、だいたいバレンタインデーにトリュフ作ったのトシでしょぉ、おいしかったよあれぇ。…だからぁ、今度はおれの番でしょ~~?」

…そういう問題じゃないんだよこれは!立場っていうもんが…

「そゆ問題だったらぁ~」


「てゆ~かさぁ、もう、眠たいのに起こさないでよ~…」

…ごめん、それはわかってるけど…じゃあさ、いつでもいいから何か欲しいものが見付かったら言ってよ?遠慮なく!

「んん…ないんだけどなあ…眠たい、寝たい~…おやすみなさい。。…」


『おやすみなさい』のところだけはっきりきれいに言い残すと、ヨシキはまた壁の方を向いて眠ってしまった。

しっかり布団をかけてやってから、俺はヨシキの隣に肘をついて、布団の上からちょうど彼の腰の辺りに手を置いて、お約束のパターンで、とん、とん、とゆっくりリズムを取った。

───仕方がない、待ってみよう。

押し付けるのもどうかと思うけど、何かしないとちゃんとホワイトデーを終われない──、そんな気がした。

ヨシキの言い分も間違いじゃない。
バレンタインデーに俺が作ることで落ち着いた2種類のトリュフは、自分で言うのもなんだけど実際うまかったし、ヨシキも大喜びしてくれた。

だけど、それとホワイトデーでは話が別なのだ。
俺の、男としてのプライドが許さなかった。
こういう世界で“男として”っていう表現もおかしいとは思うけど、だって俺は立場的に絶対に“男”なんだから。


そんなアホらしいことをぐるぐるぐるぐる考えているうちに、いつの間にか俺も眠りに落ちてしまった。




 その後sideトシ(ⅰ)

久しぶりに新聞なんか広げてゆっくり見渡していたら、ホットケーキが食べたいと叫びながらヨシキがバタバタとダイニングへ降りてきた。


…もうちょっと待ってろよ。

「んん~~~、もぉだめぇ、今すぐ食べないと飢えて死んじゃうのぉ~」


彼は座っている俺の太腿に両手とほっぺたを乗っけて、鼻をふんふん鳴らした。
このひとの常套手段だからな、これ。


…今新聞読んでる。

「知ってる!…けどぉ。もうお昼になるよぉ~?」

…思い付いたらいつでも食えると思うのが間違い。

「こないだパンケーキミックス買ったの見たもん~~あとはトシがつくってくれれば食べれるのぉ!ねぇぇええ!」


だーーーっ!
まったく。
毎度毎度、俺の自由と人権はどうしてくれるんだ、このバカ。
料理人でもなければ使用人でもないんだぞ。

ましてやセックスマシーンでも、ないの!


そうは言っても、この小憎らしい仔猫ちゃんのわがままには、負ける以外に対策らしい対策もないのだった。


…わかった。今すぐつくる。5分以内。手だけ洗っておいで。

「やた~~~!」


俺は読みかけの新聞を無造作にたたんでテーブルの脇に置くと、キッチンへ入った。
 



.。o○.。o○.。o○.。o○



 
ホットケーキを満足そうに食っているヨシキの姿を見て、やれやれという思いでコーヒーを飲んでいるときだった。


「ああっっ!!!トシ~~~ッ!!!!!」



───何だよ今度は…。


…話なら食ってから聞くから。 

「だめ!今。」


ヨシキは指先のバターをぺろっと舐めてから、ナイフとフォークをそれぞれ注意深く皿に置いた。
こういうときの彼の手つきは常に完璧で美しい。


…何。そんなに緊急なことなの?

「あのね!ホワイトデーのお返し、じゃなくってぇ、プレゼント!欲しいものあったんだよぅ~トシにしか頼めないものが!」


…え。マジで?


マズい。
ホワイトデーなんてとっくに忘れてた。

でも、確かに約束はしたはずだ、欲しいものがあったらいつでも言ってくれって。


…俺にしか頼めないってそれ…

「そう!てゆ~かぁ、お金はね?おれが出してもいいからぁ…」

…なんだよ、わけわかんねー。

「あの、あのさ~あ?もし付き合ってっていったら付き合ってくれる~?」

…付き合う?今だって付き合ってんじゃん。

「違うっ!ある場所に、っていう意味/////」


まどろっこしい。


…そんなに真っ赤んならないと言えないような場所なの? 

「 えっとねぇ~、、、…と、トシならきっとよく、…あ、よくかわかんないけどぉ、けっこう知ってるトコだと思うよ?」

…ハッキリ言えよ。

「怒らない?」

…このちんたらした会話の方が怒るよ俺は!

「あっ!ごめんなさいごめんなさい~!あのね、あの、あの……むぅぅ」


ダメ。
どうしてもここでストップしてしまう。
パンケーキも冷えちゃうじゃないか、あれだけ大騒ぎしてつくったのに。


…ヨーシーキー。

「…はい。。。。」


下を向いたヨシキは、今にも泣き出しそうにも見えて、かわいそうと言えばかわいそうだったけど、その希望する場所とやらを言ってくれない限り俺にも手助けのしようがないわけで。




俺がぬるくなったコーヒーを飲み終える頃、ヨシキはようやく口を開いた。



「歌舞伎町…に…ちょうめ…… 新宿の。。。」

…はぁっ???


思いっ切りつっけんどんに訊き返してしまった。
ヨシキがゴクンと唾を飲み込むのがわかる。


「やっぱ…だめ?…欲しいもの、ね、…あそこのお店で売ってるんだけど」


ヨシキの口調が気になった。
二丁目で、『あそこのお店』って。
行ったことあるのかな…。



…まさか、“よいこのおもちゃ”的なものが…欲しいの?


冷静を装っているだけで、俺の頭の中はちっとも冷静じゃなかった。
“よいこのおもちゃ”はヨシキの『執事のお盆』で、俺が今、意図していたのは“大人のオモチャ”だった。
俺の身体だけじゃ足りないってこと?

ヨシキは、けれど、“よいこのおもちゃ”の意味を汲んだようで、激しく横に首を振って否定した。


「ううん!違う!そんなのいらないよぅ、トシのナマちXぽがあったら じゅうぶんだもん!//////」



───ふぅ。

とか、聞いて安心してる俺も俺だけど。



…じゃあ何?

「あのね、あのね、あのね、あのォ…」


ヨシキの瞳がじわじわ潤む。


…ヨシキ泣かなーいー!いいよ、付き合うし、プレゼントはちゃんと買うから。でもメシの途中で泣くなよな。


テーブルにあったヨシキの握りこぶしを両手で包んだら、ヨシキはかえって、その俺の手の上にわ~~~んとひどく泣き伏せてしまった。

───しまった。あーあ、これでまた時間食うわ。



俺は2~3分時間を見てから、えぐえぐしているヨシキの頭の下から片手を引き抜いて、彼の顔を持ち上げた。



…ほんとに困ったちゃんなお姫様なんだから。


「…!?」





涙と鼻水でいっぱいの彼の唇は、ベタベタで熱くて、そして、塩辛かった。



 その後sideトシ(ⅱ)

ヨシキはきょとんとアホみたいな表情かおで俺を見つめて言った。


「ちゅ、チュウ?」

…そうだよ。もういい加減いいだろ。泣かないで何が欲しいのかおしえてよ。


…はい、鼻。ちーんして。

「んんん…」


ヨシキは子供のように自分の涙と鼻水の始末を放棄して、俺に任せっ切りだった。
俺はヨシキの顔を何度かきれいに拭うと、もう一度キスをして言った。


…ほら、いいよ、美人さんのお姫様。ちょっと目が赤く腫れてるけど。

「いやぁ~ん、泣きすぎたかも…。。」

…当たり前だよ。


…んで。欲しいのってなに?

「あのねぇ!」

…うん。


ヨシキはにっこり微笑むと早口でこう言った。


「トシ、…ローションが欲しいの、ローション!おれが見たのはクリームだったんだけどねっ、帰ってきてからちゃんと調べたらローションのがいいみたいなの!」

…クリーム?ローション???…って何言ってんの?


一気にまくし立てられて、声がひっくり返りそうになる。


「えぇっ、知ってるでしょぉ?トシはいっつもワセリンしか使わないけどさぁ、…ほら!挿入れるときに使うやつぅぅ~!ローズのでね、すっごいよさそうなのがみっかったんだよぉ♡」

…ああ。ああ…OK!そういうのね。。。そりゃぁ…知ってるっちゃあ知ってるけど。

「でしょぉ?…ね、見てこれ!そこのお店のやつ。探してプリントアウトしといたんだけど~…♪」


ヨシキはポケットからきれいに折りたたんだコピー用紙を取り出した。


…なんだ、用意周到なんじゃん。

「だって!こないだトシが何でもいいってゆったからさぁ~!」

…うーん、まあね。でもこう来るとは思わなかった。

「ねえ、ほら見て見て!ココ!フローラル系の香りの中のぉ、…えと、これ!エレガントローズ・ローションタイプ♡」

…どれどれ。


俺は“念のため”、興味があるような素振りで、ヨシキの指差すローションの写真を覗き込んだ。


「なんでさぁ~あ?トシはこうゆうかわいいのとかいいにおいの使わないのぉ?」

…なんでって、まあ。理由は多々あれど。

「うん?」 

…いちばんはアレだよ。ワセリンってケタ違いに安いじゃん、普通の薬局で売ってるし。



───嘘だ。嘘ばっかり。俺の大嘘つき。


ワセリンが安いのは事実でも。
俺がほかのものを使わない理由としては、これは完全に嘘だった。



「えええっっ!薬局で売ってるぅ~~!?」


俺が感じている後ろめたさにはこれっぽっちも気付かないまま、ヨシキは感嘆の声をあげた。


…うん。キミが一緒にいるときは買わないけどね。

「な、なんでぇ?」

…なんでも。


───バレるからに決まってるだろが。


「ふぅぅ~~ん…そかぁ。。。」 


頬杖をついて感慨深げにしていたヨシキは、にわかに身を乗り出してこう言った。


「ねえ!買ってくれるんだよね?ろ~~しょ~ん!♩♫」


俺はしばらくヨシキの顔を見つめたあとで、こう言った。


…ちょっと考える。

「え~~~っっ!なんでぇぇええ!?買ってくれるって言ったじゃん!」

…買わないとは言ってない。ただ俺は…。


言いかけてやめた。
 

…ま、いいや。ヨシキが使ってみたいなら。

「たはははっ!めちゃくちゃ使ってみた~い!てゆうかずっとこれがいいよ♪トシも絶対気に入るよ?エレガントローズのローション!♥ ♬ ♥ ♫ ♥」


ヨシキがこんなにうれしそうなんだから―…。

俺は精一杯の笑顔で答えるしかなかった。



…うん。……そうだね。




とうとう最後まで言い出せないまま。
冷えてしまったパンケーキをはしゃいで平らげていくヨシキを、俺はただ、切ないような想いで、見ていた。



 その後sideヨシキ(ⅰ)

 
「あはっ!春だぁ~♪明日からは薔薇の香りのなかでエッチだよぉ~


どうやったって、浮かれちゃってしょうがない。
お風呂上がりも暑くって、バスタオルだけ腰に巻いて部屋に行った。

もうトシ寝ちゃったかなぁ?


「たっだいまぁ~」


でも、ドアを開けたとき、目に入ってきたのは、なんだかおかしなトシだった。
紺色のいつものバスローブ着て、ベッドに腰かけてたんだけど。
膝の上で手を組んで、まっすぐ遠くの一点を睨んでた。
おれが入っていっても、すぐ隣に立つまでは、おれのこと気付いてないみたいだった。


「トシ…?何やってんの?寝ないのぉ?」


声をかけたら、トシはゆっくり顔を上げておれの方を見た。
そして言ったんだ。


…ヨシキ。


って。
それからゆっくり付け加えた。


…ヨシキと寝たい。単純な意味の『寝る』じゃないよ。わかるよね?

「えぇ、な~に言ってんの~?明日ローション買いに行くんでしょう?それからでいいじゃん。エレガントローズの香りになるんだよっ!今夜は早く寝なくちゃ♫ あ、単純な方の『寝る』ですよぉ~、えへへ」


おれは腰に巻いてたバスタオルを肩からかぶって、トシの隣に座ろうとした。
でも、次の瞬間、おれはトシの腕に絡めとられるみたく引っ張られて、思わずトシの上に落っこちてしがみついちゃったんだ。

バスタオルがバサッて落ちた。

どうしたらいいのか、わかんなかった。

パンツもはかないで、トシの髪と肩につかまったまんま、体が硬直しちゃってた。
だって…トシがその姿勢でおれのことぎゅ~って抱きしめてたんだもの。


「と…、トシ…???」

…キミを、抱きたい。

「や、やぁだ、だってまだ…」

… いいから。


トシは、おれが返事してないのに全然かまわないでおれのことベッドに寝かせた。
仰向けにされて両腕つかまれて、トシが真上からおれの顔を見た。


…頼むから。


なんにも、言えなかった。



トシが首とか腕とか胸とかにまとわりついてきて窒息するかと思った。


「はぁ。。。トシ!」

「ん…っ」

「いやぁ…ん!あぁ~…」


声が漏れて、でも、どうしようもなかった。
されるがまま、ひたすら名前を呼んでた、「トシ」「トシ」「トシ!」って。

トシが腕を引っぱって脇に顔をつっこんできて、そのとき初めてちょっとだけ抵抗した。


「トシやぁだぁ、そんなとこやだよぉ…!汗、かいてる…」


背中を浮かせてトシの頭をどかそうとしたけど、そんなの、抵抗のうちに入らなかったかもしんない。

だんだん意識がトシの触ってるとこ、さっきまで触ってたところに集中しちゃって、いつもと同んなじパターンになっていくのがわかった。
気持ちよくってあったかくって、頭が正常に働かなくなっていって――…撫でられたりキスされたり舐められたりする快感が、おれの細胞を壊してく。


「あ、あ…トシぃ!…ひ~ッ!」


自分で、泣いてるのがわかった。
悲しいからじゃない、―…勝手に流れる涙。
全身を奪われてしまいたいって思う衝動。


ざらざらする砂の波に何度も何度もさらされて、おれは静かにその波のなかに埋もれていった。
夢うつつのなかで聞いた、トシの声。
『すきだよ』『すきだよ』って、やさしく、くり返してた―――…。





───・・・◇・・・───




不思議な感覚に襲われて覚醒した。
トシが、おれのことうつ伏せにして、お尻をむぎゅ~って左右に押し広げてたの。


「ぎゃぁぁあああ!なにしてんだよ~~トシ!い、痛いよ!」


反射的に叫んだけど。
でもトシはやめなかった。

っていうか、…なんでかわかんないけど、おれは自分からひざを立てて四つん這いみたくなって、トシにお尻を突き出してた。
恥ずかしかったのに、トシに確かめたりして。


「こっちの方が…やりやすい…よね…?」


言ったあと、おれはまた泣いた。
きっと――…トシのこと、ほんとに愛してたんだ。

もう、今夜のエッチがいつもと違うことに、おれははっきり気付いてた。


トシは、いつもならここでワセリンを使うのに、今日はおれのお尻を広げたままで動かない。
なんとなく広げられたところが涼しい、てか、スースーして、どうしたの、って強引に振り向いたら、こんな答えが返ってきた。


…見てるんだ。きれいだなって、思って。

挿入れたいんじゃないの?き、きれいとか、そ~ゆ~んじゃないでしょう?トシ、ヘン/////」

…いや、きれいだよ。ヨシキこそ変じゃない?何泣いてんの?痛かったから?

「一瞬、痛かったよ、でも、ほら、このカッコならもうだいじょぶだから、、、、」


終わりまで言わないうちに、開いた“割れ目”にトシが顔をつっこんできて、──…これはホントにビックリしちゃったんだけど、おれの…あそこ…肛門//////を、ぺろぺろってゆうか、ぴちゃぴちゃ、舐め始めた。


「なにやってんのぉ~~!?」

…感じない?気持ちいいでしょ?

「感じるけど…っ!ああ…んっ!やめてよちょっとぉ!きも、きも、気持ちいいけど~~、汚いよう!あ…っ!」

…別にたいしたことじゃない。汚くもない。単に今までしてこなかっただけだよ。


ど~ゆうこと…?
ほんとは普通にするもんなの…?
もしかして、ずっと、したかった…?

あ。
頭がくらくらする……トシ、べろ、、、そんな奥まで入れないでよ、おねがい…こんなのおれ…わかんない───…!

知らないうちに、トシの手を探してた。
初めての経験って、こわいでしょ。
それで左腕を後ろに伸ばして、トシ、って呼んだら、トシがシーツの上でしっかり手を握ってくれた。


おれは、ずっと泣きっぱなしだった。
トシのこと想うと、涙が止まらなかった。
なんで、トシが今になって急にあそこを舐めたりするのか、全然理解できなかった。

でもひとつだけ、わかったよ。
トシは、今、心からおれのこと愛してくれてるんだってこと…。






───・・・◇・・・───






そのあとって、あんまし正しく憶えてない。
もちろん、挿入は、ありました。
トシの熱いおっきいのが、ぐいって入り込んできて、体じゅう突き抜けて満たしてくれて、おれは相変わらず「死んでもいいや」って思って。
けど、たぶん、──…そんなの可能か知らないけど、トシはワセリン使わなかったと思う。
トシの唾液と、すっごい気持ちいいときに出るおれの愛液みたいのだけで、トシは挿入れたんじゃないかって、思う。
ちょっと信じらんないけど、たぶん、間違ってない。





 
───・・・◇・・・───




 

トシの腕に抱かれて、いつのまにかおれは眠りに落ちた。

泣きながら、必死でトシにぴったりひっついてたら、トシが小さい声で、ありがとう、愛してる、って言うのが、聞こえた。
おれもなんか言おうとしたけど、バカだからそうゆう大切なときに限って意識がもう限界で、トシの長い髪に触れられたかどうか、……それすらも、記憶になくて。



 その後sideヨシキ(ⅱ)

次の日、トシに起こされた。
おれはふかふかの毛布にくるまれて、ひとりでぐ~ぐ~寝てたみたい。


…おい!起きろよ、ヨシキ!行くんだろ、新宿。

「ええ?…ああぁ~~~、うん、おはよう~~」

…おはよ。

「もっと寝てたいなあ、、お布団きもちいい」

…布団より気持ちいいものが待ってるんだから(笑)、起きないと。

「うん…」


おれはそのとき、トシに「キスしてぇ♡」って言おうとした。
でも。
言いたかったけど、…言えなかった。

昨夜のことがフラッシュバックしてきて、トシが、おれの…肛門///とかその回りとか、…んで、もっと中、とかも…、ずっと舐めてたのを思い出した。

そんなことトシがするなんて、信じられなかった。
ほんとに信じられない!
トシは、たいしたことじゃない、今までしてこなかっただけ、って。

そう…なの……?


あの、初めての、異様な快感がよみがえってきて、体がぞわっとしてあっという間にちXXんでっかくなっちゃった/////
毛布で体を隠しながら考える。

なんで昨日急にあんなことしたんだろ───…?


…大丈夫?具合悪いの?

「え?」


突然トシがベッドに乗っかってきておれに訊いた。


…顔青いよ?熱あるわけじゃないよね。


トシの手がおでこにふんわり触った。
昨日、おれの手を握ってくれた、トシの左手──…。 


「ううん、気のせいだよ、だいじょぶ!具合は悪くないよ」


おれはきちんと起きて、トシが座り込んでる隣に座り直した。


…なんだよ、甘えん坊。

「ふふ…、だってなんかそばにいたくって」

…へーんなの。また襲っちゃうから。

「……。」


言葉が、出なかった。


…真面目に取るなよ、嘘だって。

「うん、でも…。」


やっぱり、うまく言葉にならない。



トシが、少し間を置いて言った。


…昨夜は、ごめんね。

「…はい?」

…いろいろと。



こっち見て、静かに笑う。


…ごめんね。

「…って、なにが…?」

…だから、いろいろと。


決まり悪そうに、トシはおれから目を逸らしてこう言った。


…俺ね。好きなんだよね、ヨシキのにおいが。

「おれの、、、におい???」

…うん。体じゅうのにおいが、たまんなく好きなの。

「Σ ・ ・ ・ ・」


「くさいんじゃないの…?」

…はは、くさくなんかないよ。とっても安心するんだ。ひなたぼっこしてる子犬とじゃれてるみたいな気になる(笑)。

「『ネコ』『ネコ』ってうるさいじゃんか、いつも…」


おれはどうでもいいのに照れ隠しでつっこんだ。
トシはそれを見透かしたみたいに、おれの言葉をふふって笑って受け流した。


…ケツ舐めるとか、ヨシキに変態だと思われるんじゃないかって思って怖くって、ずっとしなかった。…ビビらせちゃって、ごめんね。


「…うん…。。。」


おれはもいちど、毛布を肩までズリズリ引き上げた。
昨夜の感触を思い出して、体じゅうゾクゾクして鳥肌が立ってきそうだったんだ。



…もう、あんなのしないから。

…勝手だけど、昨日のことは悪夢だと思って忘れて。


…今日からは新しいヨシキを抱くんだね。俺も、エレガントローズ、だっけ?お気に入りになるといいな。俺ローションけっこう好きだと思うよ。


「え、あの…」


トシはひどく爽やかな笑顔で言ってベッドから降りると、おれのほっぺたと頭を軽く撫でた。


…いつまでも色っぽいカッコしてないで。準備ができたら降りといで。アイスティーかなんか、入れとくよ。



「あ、、、」



声にならない、声。
もうトシは俺に背中を向けてた。


行っちゃう。
トシが、トシが行っちゃう。


おれは何か伝えなくっちゃいけないって思った。
でも──…声が出ない。

なんでいつもこうなんだろう?


だめ…!
ちゃんと言わなきゃ…おれ絶対、一生後悔する……!!!




「と、トシ!」


必死で叫んだ。


…うん?


トシが振り向く。


…おい!


おれはベッドから身を乗り出したみたいにひざをついて、つんのめりそうになりながら、片手をトシに向かってまっすぐ伸ばしてた。
言葉よりも何よりも、体が先だった。


「待って…行かないで…!」

「ちょっとだけ、聞いて…」


垂れたままの頭と顔がかーっと熱くなって、涙がボロボロこぼれて布団を濡らしてく。


トシが急いで戻ってきて、いかにも『冗談じゃない』って表情かおでおれの手をしっかりつかんだ。


…ヨシキ!何やってんだよ!


毛布がベッドの下に落ちて、おれはほんとに無防備でみじめったらしい格好になってた。
でも、恥ずかしいと思ったけど、そんなのかまってらんなかった。
トシを引き止めなくちゃ、聞いてもらわなくちゃ…って、考えられるのはそれだけで。


今にもベッドから転げ落ちそうになってたおれを、トシが、抱きとめてくれた。

毛布も、拾って、かけてくれた。


…危ないじゃん!何をそんなにあわててるんだよ。泣いてるの?


トシが毛布ごと、おれを抱えて。
じかに触れてくれればいいのに…って思ったけど、それはトシの、おれへの気遣いだったんだって、―…あとになってみてわかったんだけど。


…ヨシキ、落ち着いて。


いつも、いつも、そう言われる。
おれは、いつだって、ノロくておっちょこちょいで…そんで、すぐ泣いて…。
ダメなんだ。
ほんとに…自分でも情けない、…なんでトシがいっしょにいてくれるのか、わかんない。



「トシ、あのね。あのね…」


涙が止まらない。


…大丈夫だから。話したいことがあるなら聞くから。

…もしかして、俺に不満がある?俺に訴えたいこと…?


「ちがう、、トシは…トシが悪いとかじゃない。」


呼吸が大きく乱れてる。


伝えたいことは。

───伝えたいことは、もうずっと前にわかってたはずなんだ。


口が勝手に動いた。





「ローション…おれ、ローション、…いらないから!」 

…え?

「カブキチョー、行かないから!」


…って、なんで!?ちょ…っ、ごめん。ヨシキの思考回路…読解本能が、、、故障して…。




おれはすすり泣くのをやめられなかった。
トシも困ってるのがわかった。
おれの頭を肩に乗せたままで、下向いておれを抱いてる。

おれの言葉にトシが動揺するのは当たり前で。


トシの髪が、ゆっくり、ぱさぱさって顔に順番に降ってきて、おれはその髪を泣きながら見てた。
もう、トシのものならなんでも、髪の毛一本でさえ恋しかった。


そう…おれは、トシが好きで。
トシを愛してて、トシに愛してほしくて、どうしようも、なかったんだ────…。


 その後sideヨシキ(ⅲ)


「トシ───。」

「トシ───…!」


…どうしたの?ここに、いるよ。


おれを抱きしめたままで、トシは静かに返事をした。
おれが泣いたりしてるから、トシは困ってるんじゃないかって思ったけど、心が痛すぎて呼ばずにいられなかった。


「トシ…ねえ、聴いて、お願い…が、ある…」

…うん?

「あのね・・・・」

「あのね…──…抱いてほしい。・・・・抱いてよ。───おれと、セックス、して…ほしい」


いつもみたいな「エッチしよ♡」じゃダメだと思った。
あんだけ頑張って、踏ん張って、──…それで、トシを引き止めたんだもん。


…何言ってんの。。


トシは戸惑ってたけど、おれは真剣だった。
毛布をトシの腕ごと全部どけて、トシに自分の体を見せた。


「わかるでしょ・・・ほらもう、おれ…こんな…こんなだよ・・・ねぇ、トシ、ねえったらぁ!」

…やめとけよ…

「やめれない。・・・おれ、ゆったよね?歌舞伎町も行かないし、ローズのローションもいらないって。だから、きのうの、、、トシがしたみたいなの…トシがずっとしたかったセックスを、しよ…う」


そこまで言ったら、恥ずかしさで息が詰まって、おれはまたトシにしがみ付いてボロボロ泣いた。


…大丈夫? ・・・バカなんだから、もう。まんまと俺の罠に嵌まっちゃって。


罠──…?
なにそれ、おれのこと───…?


「罠でも何でもいい。今すぐトシとしたい!おれが死んじゃうまで・・・・カラダめちゃくちゃにしてよぅ!」






トシに愛されたかった。

ローズの香りより、あの快感が、欲しかった。
欲しかったのは“本当のトシ”で、“トシの本音の愛欲”だった。

トシだけが気持ちを抑えてるエッチなんて、フェアじゃないでしょ。


それと──…、いちばん望んだのは、トシの幸せだった。

トシがしあわせなら、それがおれのしあわせだと思った。
トシがしあわせじゃないときは、おれだってしあわせじゃない、って──…思ったの。




唇噛んでトシの肩で震えてたら、トシがぎゅって抱いてくれて、小さくささやいた。



…わかった。…少し、離れてて。



トシは、毛布を後ろから前へかけ直してくれた。
おれは目を上げることもできなくて、毛布をかぶせてもらったままベッドの上でぺしゃんこにうずくまってた。





最後にトシがゆっくり自分のシャツのボタンに手をかけて、確かめるようにおれに訊ねた。




…ヨシキ、昨夜ので、いいんだね?

「うん、・・・・昨日のが。いいんだよ。」




…了解。







.。o○.。o○.。o○.。o○









狂いそうに恋焦がれてたトシの体に揺られてる。
朝からずっと欲しくて、ずっと求めてた感触だった。
やさしい愛撫とキスが、波みたく何度も押し寄せて、体じゅうで泡立っていく。

───なんだか、天井が、白くて高いな~。


おれはすっかりトシの体にのぼせちゃって、いっぺんトシの手で抜いてもらってた。
みっともないったって、抜かなきゃどうにもならなかったんだ。

意識も半分くらいイッちゃってたけど、そのあとふたりでこんな会話をした。
ほとんどはトシが喋ってたけど。


…ヨシキの体の匂いが好きなのは、ほんと。他のどんな匂いよりも、好きだよ。

「う、ん。。。ありがと/////」

…だから変な、っていうか、違う香りつけてほしくなかった。香水とかとまた別なんだよね。あ、言い訳っぽくてごめん。

「ん、いいよ・・・・セックスってさ、なんか特別だもんね」

…うん。。。でもヨシキが『セックス』って言うの、なんとなく不自然。


トシがクスって笑う。


「ヘン~?/////」

…いや、変ではないけど。いつも言わないからさ。こっちが照れるよ。

「そうかなぁ~?」

…ワセリンのことも、きちんと話すから。聴いて。

「…うん」


ケホンって一回咳払いしたあと、トシがワセリンの本当のことを話してくれた。


…広げるときや挿入に俺がワセリン使うのはね、なんでかっていうと。。。ワセリンが何のにおいも放たないからだよ。ヨシキの匂いだけが際立って、すごく興奮する。

「やだぁ~、なんかそれ、やらしいよトシ/////」

…だぁから今まで黙ってたんだろー?じゃあケツ舐めたりしたらもっとやらしくなっちゃうじゃん。

「う~ん…ま~びっくりはしたよ/////」


トシはまたケホンって咳払いした。


…ワセリンは安いだとか、普通のドラッグストアで買えるだとかは二の次で。だから・・・・ごめんね。嘘ついて。

「うん―…。」



…ヨシキがローションのこと持ち出したときは、正直なところ、ショックだった。『毎日これがいいよ!』ってはしゃいでたから、もう俺、終わりかなってね、思ったの。

…俺は薔薇の匂いの肛門あなとちXこには興味が持てなくなるかもしれないって、不安と恐怖でいっぱいだった。

「ふははは☆」

…それで、、ヨシキが眠ってるあいだに仕組んだんだよ、罠。嫌われるの覚悟で。…今までにない快感を学んでしまったら、・・・・戻ってくるような、気がしてた。。



トシの話はそこで一旦途切れた。
おれは長いことトシの体の下でキモチイイように撫でてあそんでもらってたんだけど、それをやめてもらって、トシの体にぎゅ~~~っって両腕でしがみついて、誘うみたいにトシを呼んだ。

トシの胸が自分の胸に密着したとき、その熱さと懐かしさに切ないのが耐え切れなくなっちゃって、おれはもう観念した。
ちゃんと、言わなくちゃ―…。


「戻って、…きたよ。」

…え。


「戻ってきた。トシ。薔薇のローションなんて、やめ♪」

…ほんとにいいの?

「し~つ~こ~い~!いいって言ってるじゃんか起きたときから」


でも涙が突然つつーって枕に落ちたから驚いちゃった。


…何、また泣くの?

「な、泣かないよ!泣いてない」

…んじゃいいけど。


微笑って、トシが涙を拭ってくれた。
そのついでみたいにキスが始まって、お互いにいっぱいいっぱいチュウしつづけた。
体もいっぱい、ちXぽとか直接触ったらヤバい場所以外は全部触りっこして、そしたらトシが耳元に来て、低い声で言った。


…じゃあ…もう、そろそろ…次、行くよ。

「え、あ・・・・うん!・・・・ ちゃんと…、ちゃんと、しようね?」

…うん。ちゃんと、するから。


自分でも情けないくらいたどたどしかったけど、おれは一生懸命トシを口説いたつもりだった。
肛門あそこ、舐めてもいいよって、…ううん、舐めてねって、口説いたの。


「わかってるよね?おれの言いたいこと!/////」 


トシはおれの顔をまっすぐ覗いて言った。


…大丈夫。安心してな。

「うん―…。」




おれはぎゅっと目を閉じた。









.。o○.。o○.。o○.。o○










トシの手と舌が乳首にあてがわれる。
手も口も、やさしくて気持ちよかったり、激しすぎて痛かったりするんだけど。

どっちにしても声が漏れちゃうのがいやで、おれは両手で顔を隠してた。


「…ぁ…っ」

「ん、く…っ/////」

…バカ、声出せよ。俺相手になに今更がまんしてんの。


トシが、どうしたんだよ、みたいにおれの手を強引に外した。


「ぃやん!…だって恥ずかしい。。。」

…恥ずかしい?だから何をそんなに意識してるんだって。いつもあんあんにゃんにゃんうるさいくらい平気で鳴くくせに。


トシが呆れてる。
それは…、それはね、そうかもしれないけど・・・・・。

でも、今日はなんだか緊張するんだよ。


だってトシ?
これ、ホワイトデーのプレゼントだよ―――?




トシはまた、おれのことを舐めたりさすったりし始めた。
トシがときどき髪とか肩とかを軽くとんとんって叩いて、「リラックスして」「ヨシキだいじょうぶ、流れにまかせて」って言ってくれたから、おれもだんだんラクにしてられるようになった。

おれのカラダはもうほんとに敏感になってて、トシの唾液にまみれていくのが快感でたまんなかった。
のけぞったり腰を振ったりして「ぁん!…き…もちい」とか「も…っと、もっとして!」っていっぱいアピールしたよ。

トシは乳首や胸や脇の下から、順繰りに舐める場所を下腹部にずらしていった。


脇腹から腰のラインをスーって舌と指でなぞられたとき、思わず裏声で「ヒ―――――ッ!」って叫んじゃった。
おれそこ弱いんだ。

そんなのトシは知ってるからやったんだろうけど。

意識が飛びそうになって、ダメだ、こんなところで気ぃ失ったら元も子もない、って思って、おれは必死でトシを呼んだ。


「トシ…!」

…あん?

「おれもうだめかも!ちXXん触られたらイッちゃうよ!」

…いいよ?イッても。

「やだ!今度こそ失神しちゃうもん!」


おれは心細くて泣きそうになってた。


「そうなる前に、挿入れてくんなきゃ!ちゃんと、するって、約束したじゃん!」


トシが一瞬、忘れてたみたいな表情かおで言った。


…そうだった。薔薇のにおいよかもっといいのだよね。

「し、知らないっ!///// けどどうにかしてよ、おれ待ってるんだからぁ/////」

…はいはい。


そしたら、トシがおれの肩を持ち上げながら、「自分で四つん這いになって…」って言った。


「ウン。。。」


イヌみたいな格好になって、ふと顔を上げたとき気付いた。


「あ。。薔薇色の人生ラ・ヴィ・アン・ローズ・・・」


どこからか流れてきた、有名なシャンソン。
トシは不思議そうにしてたから、もしかしたらおれの空耳かもしれない。

でも、確かに聞こえてたんだ。




♪♫~ あのひとが

わたしを胸に抱いてくれる瞬間とき

そっと話しかけてくれる瞬間とき

すべての事が忘れられる

あのひとさえ

わたしを満たしてくれるなら





トシの手が──…指が、お尻を掴んでくる。


もうすぐ・・・
もうすぐ、あの瞬間が来る。


おれは頭を垂れて、また固く目を閉じた。


「トシ、トシ、…いいよ」




…あなたの愛のことばが

わたしの薔薇色の人生

あなたゆえにわたしが

わたしゆえにあなたが

あのひとはそう言って

やさしく誓ってくれた




トシも…おれも、
いっしょに、しあわせになろう──…?




だからあのひとの姿が見える

―――その瞬間ときに いつも

わたしは感じる

この胸がときめくのを

それだけで すべての事が忘れられる

それだけで すべての事が忘れられる


…あなたのことばが

わたしの薔薇色の人生……






薔薇色の人生











───トシ。

ねえ、…願いごと聴いて?
トシにしか、頼めないんだよ。
トシにしか、叶えられないの。







おれに

ラ・ヴィ・アン・ローズ…



薔薇色の人生を

ください─────……。













 
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よろしくです・・・


夢想と薔薇の日々<ラ・ヴィ・アン・ローズください ~ホワイトデー企画2014~>その後の1

『夢想と薔薇の日々 (Days of Réverie and Roses)』はあくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」(夢見る、想う)は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、どうぞよろしくお願いいたします。

久しぶりに新聞なんか広げてゆっくり見渡していたら、ホットケーキが食べたいと叫びながらヨシキがバタバタとダイニングへ降りてきた。


…もうちょっと待ってろよ。

「んん~~~、もぉだめぇ、今すぐ食べないと飢えて死んじゃうのぉ~」


彼は座っている俺の太腿に両手とほっぺたを乗っけて、鼻をふんふん鳴らした。
このひとの常套手段だからな、これ。


…今新聞読んでる。

「知ってる!…けどぉ。もうお昼になるよぉ~?」

…思い付いたらいつでも食えると思うのが間違い。

「こないだパンケーキミックス買ったの見たもん~~あとはトシがつくってくれれば食べれるのぉ!ねぇぇええ!」


だーーーっ!
まったく。
毎度毎度、俺の自由と人権はどうしてくれるんだ、このバカ。
料理人でもなければ使用人でもないんだぞ。

ましてやセックスマシーンでも、ないの!


――…そうは言っても、この小憎らしい仔猫ちゃんのわがままには、負ける以外に対策らしい対策もないのだった。


…わかった。今すぐつくる。5分以内。手だけ洗っておいで。

「やた~~~!」


俺は読みかけの新聞を無造作にたたんでテーブルの脇に置くと、キッチンへ入った。
 



.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○



 
 
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夢想と薔薇の日々<ネコの春と…恋。再び>

『夢想と薔薇の日々 (Days of Réverie and Roses)』はあくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」(夢見る、想う)は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、どうぞよろしくお願いいたします。

―――やめ…、ヨシ…キ…っ!

絡みつくような甘ったるいヨシキの声にうなされて起きた。

気付いたら、ベッドの上で頭を抱えてた。
肘と膝、それと腰が、すっぽ抜けそうに疲労して、痛い。
ヨシキが散々引っ掻いたあとの背中と胸と肩も、ヒリヒリ焼けるようだった。

ヨシキは、と見ると、耳の上まで布団をかぶって、すやすや静かに眠っている。

―――なーんだ。

俺だけが、冷えた汗の気持ち悪い感触をシーツに残して、ひとり座り込んでいた。
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夢想と薔薇の日々<スプリング・フットステップ>

『夢想と薔薇の日々 (Days of Réverie and Roses)』はあくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」(夢見る、想う)は個人が有するごく自然な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、どうぞよろしくお願いいたします。

本日、ポイント5倍のスーパーにて。

えーと、ヨシキは?!
また迷子だ…!


アイスのところにはいなかったよね…と、カートを押してお菓子売り場へ引き返す。


―――いた。
例のごとく『きのこたけのこ合戦』にご執心な我が家のお姫様、またの名を仔猫ちゃん。

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