Ciao! (=´ー`)ノ⌒♪私自身あるいは困難な存在

■TMNETWORKとXJAPANが日々の糧εεε=(*ノ▽ノ)な佐野瑞希です、こんにちは。■音楽と、広範囲な意味での文学について綴っています。■現在は、一連の創作シリーズ『夢想と薔薇の日々』の更新がメインになっています。「おもしろかったー!」と思っていただける一日があれば幸いです。  ───遠い記憶をたぐり寄せると、どこまで遡っても自分の感性や思考のしかたが変わっていないなあと感じざるを得ない今日この頃。春、桜舞い散る日に。(2015.04.12改稿)

風鈴

◆ INFORMATION ◆
♦『夢想と薔薇の日々』リバイバルへは、カテゴリ別アーカイブからどうぞ!
----------
♦『夢想と薔薇の日々』の更新「定時」は8amです。
♦『夢想と薔薇の日々』<YOUR BREATH><きょうの夕ごはん>は3:30pmに公開します。
♦その他のカテゴリについては公開時間は決めていません。


1票ポチって行ってーーーーーー!!

人気ブログランキング

夢想と薔薇の日々<続々・キミと、融合する、一瞬。>

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」(夢見る、想う)は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、どうぞよろしくお願いいたします。

───今日の晩メシどーしよっか…。

手を頭の後ろで組んで、ぼんやりとそんなことを考えながら、俺はリビングのソファでクッションにもたれていた。

雲に覆われた空からは、夕暮れのほんの鈍い光しか落ちては来ず、ヨシキの風鈴が、ときどき悲しげにチリン、チリンと鳴っていた。





───・・・ ◇ ・・・───





続きを読む

夢想と薔薇の日々<風鈴を買いに>

『夢想と薔薇の日々 (Days of Réverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」(夢見る、想う)は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、どうぞよろしくお願いいたします。

今日は、忙しい中トシが完全オフを取ってくれた。
んで、約束だからって言ってくれて、新しい風鈴を買いに行くことになったよ!

残念ながら近くのホームセンターにはショボい売り場しかなくって、ドライブがてら、ちょっと離れた荻窪のおっきな雑貨屋さんに連れて行ってもらったの。
気になって、疲れてない?って訊いたら、トシは、ワクワクしてしてるよって答えてくれた。

続きを読む

夢想と薔薇の日々<インターミッション>

『夢想と薔薇の日々 (Days of Réverie and Roses)』はあくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」(夢見る、想う)は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、どうぞよろしくお願いいたします。

梅雨の中休み。
リビングで、久しぶりのデスクワーク。

あんまりきれいなので、その、雲ひとつない空を見上げている。


「もう終わり~?」


ソファの上から俺の仕事を退屈そうに見下ろしていたヨシキが、ぴったり背中合わせにくっついてきた。
背中が密着して暑いけど、離れろとは言えないのは、相手が愛するヨシキであるがゆえだ。


続きを読む

夢想と薔薇の日々<ある冬の日王子様は>

『夢想と薔薇の日々 (Days of Réverie and Roses)』はあくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」(夢見る、想う)は個人が有するごく自然な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、どうぞよろしくお願いいたします。

リビングでのデスクワークにも飽きて、ソファにもたれた格好で昼寝してしまった。

妙な重圧感で目が覚めたと思ったら、俺のひざを枕にして、ヨシキが眠り込んでいる。


───入ってきちゃダメだって、あれほど言っといたのに!


全く仕方ないひとだねと呟いて、うつ伏せになったその背中を、静かにさすってやる。
この部屋がうちでいちばん暖かいのを嗅ぎ付けてきたのだろう。



…いや違うな、これは…俺に甘えに来たんだ。…絶対。


俺は、彼がここにいる理由わけをいいように解釈し直した。

いつも思うことだけど、横向きの表情があどなくて、ほんっと子供みたい。


大寒も過ぎたというのに、今日も寒さが厳しい。
見事なまでの西高東低、冬型の気圧配置ってやつだ。
外に目をやると、冷たく澄み切った碧い空に一片の雲もなく。
窓の庇には、いつものようにヨシキの風鈴が微かに揺れては、時たま小さな音を立てていた。



───やれやれ、お姫様が眠っているあいだ、俺はいつまで枕になっていればいいんだろう…?





本当は、胸の中に、「いつまででも」と答えたい自分がいるのを、俺は知ってる。


ある冬の日王子様は








《END》




1票お願いします。何位かな?見てみてね!
 

【突発】夢想と薔薇の日々<ウォーターメロン>

『夢想と薔薇の日々(Days of Réverie and Roses)』はあくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」(夢見る、想う)は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、どうぞよろしくお願いいたします。

買ってきて冷やしておいた小玉すいかをおやつにすることにして。
厚めに切って皿に並べてから、隣のリビングにいるヨシキのところまで運んでく。

床に座り込んで、ヘッドフォンといっしょに歌詞カードと格闘している彼の頭を、後ろから軽くポンポンと叩いて、食べる?って訊いてみた。 
見上げたヨシキが笑う。

「うわっ!うれしい、いつの間に買ってきたの~!?」
…ヨシキが寝てるとき。よく冷えてるよ。

「“初物”って。言うんだよね?」
…そう、初物。

偉い偉い。よく覚えたじゃん♪


ふたりで、三角に切ったすいかにかぶり付く。

「んんんん!おいしい!」
…うん、うまいね。ちっちゃいけどね。 


と、ここまではよかった。


しかし、ここでとんでもない問題が発生。
お姫様がおかしなことを言い始めたんだ。

続きを読む

夢想と薔薇の日々<YOUR BREATH -scene5->

『夢想と薔薇の日々(Days of Reverie and Roses)』はあくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」(夢見る、想う)は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、どうぞよろしくお願いいたします。


鳴らない風鈴を
ぼんやり見つめるきみがいて
何してるの 平気?って肩を叩いたら
きみは驚いた顔して
あ…ううん なんでもない って
いそいそと部屋を出ていった



たまには 僕にだって
言えないことが あるよね

ううん そうじゃなくて

僕にだから 言えないのかな





関連リンク: <風の音色に揺られて> <あなたがわたしにくれたもの>前編 <あなたがわたしにくれたもの>後編 <あなたがわたしにくれたもの・その後>





1票お願いします。何位かな?見てみてね!

夢想と薔薇の日々o<あなたがわたしにくれたもの・その後>

『おまえなんかにわかるか』とヨシキが言い放った日、彼は夜10時を過ぎてやっと、ダイニングに姿を見せた。
オレはいつでも食べれるもの、と考えて、卓上コンロと鍋の材料を用意をしていた。
降りて来るかわからない彼を待つのは不安だった。
でも必ず来てくれる、そんな気がしたから。

ヨシキは、椅子を引きながらぽつりと言った。

「さっきは、ごめん」

まだはっきりと泣いたあとだとわかる顔をしてた。

…ううん、こっちこそ。…悪かったのはオレだから。風鈴、付け直しておいた。やっちゃったことは、取り返しがつかないって思うけど。…ごめんね。

ヨシキは黙って首を横に振ると、一言、「ありがとう」って言った。


それからふたりで熱々の鍋をつついた。
ヨシキの好きな鱈やブリの切り身と舞茸。

…おいしい?
「うん」
…白菜とえのきがあって、あと小松菜もちゃんと食べるんだよ。
「うん…しらたきは?今日は、ないの?」
…え?…あ!忘れてた。ない、ごめん!!!!…今日はなし!
「うふふ…食べたかった」
…うそ!ほんと?
「ん~ん、どっちでもいいよ~」

ヨシキが、笑ってた。



それから数日、ふたりの間にわだかまりは残っていないように思う。

大の大人がって感じだけど、寒いね、って、まるで子犬がくっつくみたいに、抱きしめ合いながら眠る日もあれば、買い物にも一緒に行ってる。
何かの拍子に突然目が合ったまま、深いキスを重ねてしまうときがあれば、お互い力尽きるまでセックスする日もあるし(夜とは限らない)。

それぞれの想いがどう通じているのか、それは確かめようがない。
ただ、言いたいことを吐き出してしまったヨシキは、幾分らくになったのかもしれない。



.。o○.。o○.。o○.。o○



リビングの床やソファでヨシキが何かしていると、北風がチリンチリンと風鈴を鳴らしてゆく。
そんなとき、ヨシキは出窓の風鈴を見上げて、はにかむように、本当に小さく微笑う。




―…きっと、間違いは取り返せないけれど、超えてゆくことは、できるんだろう。


《END》

夢想と薔薇の日々o<あなたがわたしにくれたもの>後編

「だって…あれは…トシが。トシがおれ…に…買ってき…くれ…おれが欲しがってて…んで…」

ヨシキは必死な様子だった。

…うん…ヨシキが風鈴を欲しがってて、オレが買ってきた。うん、わかってるよ。

でも。

「な…っ、そんな…偉そうに説明されるほど…っ、簡単なコトじゃないよ!…トシにはわかんないんだ…!」

一度だけ顔を上げてオレを睨んだヨシキの表情は、怒りと悲しみに満ちていた。
こんなヨシキは、めったに見たことがなかった。

…そうかも、…しれない。だけど、でも、理解る努力をしたいと、…思ってるよ、ヨシキ…。

オレも精一杯の気持ちを込めて、言葉を繋ぐ。
ヨシキはまた首を垂れた。

「おれが、ど…んな…うれし…ったか…今年の夏…一緒…ずっと一緒…過ごして…あれ…がどんな…に大切だったとか、そ…ゆこと…考えな…いで…っ、夏…とか冬と…か…関係ない…トシが…くれ…せっかくすごい…ほんと…に想い出…ったのに…!」

途切れ途切れに聞こえてくるヨシキの話は前後が整理されていないめちゃくちゃなものだった。
けれど、ヨシキの悲しみだけは、あふれるように伝わってきたから。

オレはヨシキを抱き寄せようとした。

…ヨシキ。ごめんね。

って。

腕を伸ばせばすぐそこに、ヨシキはいたのに。
いつものように、この胸に飛び込んできて、甘えて大泣きするものだと、思っていたのに。

事態は、予期せぬ方向へと大きく逸れた。


オレが差し延べた手を、ヨシキは突っぱねたかと思うと、ドンッとオレの胸を突いた。
それから、叫んだ。

「おまえなんかにわかるか!!」

ヨシキは号泣しながらリビングを出ていってしまった。

…あっ!…よ、ヨシキ…!?

ショックで追いかけるタイミングさえ失った。


二階で、バタン!と激しくドアの閉まる音がした。
ヨシキの心の扉が、閉じてゆく音に、聞こえた。



『おまえなんかにわかるか』…そのフレーズが、いつまでも耳に響いていた。
突かれた心臓(むね)は、シクシクと痛んだ。


どうしたら…いいんだろう。


――あの風鈴は。

ヨシキの大事な宝物だったんだ。
真夏のあの暑い日、それを渡してやったときのヨシキの笑顔は、ただ欲しかった風鈴がもらえたからなんかじゃなくて。

オレが―…。

オレがヨシキに…贈った…ヨシキの大切な夏の想い出で。

キミはその音色と一緒に、…オレと一緒に、今までずーっと、いてくれてたんだね。
だから…季節なんて、関係なかったんだね―…。


ごめん。…ごめん、ヨシキ―…。


今日、初めて本気で彼に謝った、と思った。


ヨシキを抱きとめるはずだったその手で顔を覆って、オレは、声を殺して泣いた。

部屋に閉じこもってしまって逢えないヨシキに、訴えたかった。
今流しているこの涙は、決して偽りのものではないと。
ただひたすら、彼、ヨシキ自身の悲しみのための涙なのだと。

実際には、その想いを伝える術など、どこにも、なかったけれど。



冬の日が、早々に暮れようとしていた。


《END》



夢想と薔薇の日々o<あなたがわたしにくれたもの>前編

「あ、あれ?あ~っ!!風鈴がなくなってる~!!!」

リビングに入ってくるなり、ヨシキが窓辺に駆け寄って悲鳴をあげた。

…え?…ああ、ごめん、外しちゃった。ヨシキどっか行ってたから…もう12月だし、いい加減取んなきゃと思って。

ヨシキの様子に多少違和感を覚えながらも、それが彼の単なる驚嘆の声なのだと思って、オレはつい不注意に続けてしまった。

…もう寒々しいしさ、また来年まで…。

言いかけたときだった。

「どうしてそうゆうことすんの…!?」

ヨシキが振り向いてオレの目を見た。
頬が紅潮していた。

次に、今度はあからさまにオレを責める口調で、ヨシキはもう一度叫んだ。

「どうして勝手にそーゆうことすんだよッ!?」

…あ、…うん、だから…ごめん。だってさ、もう冬じゃん、風鈴ってのもなんか変じゃない?

「へ、変…ヘン、って…なにそれ……おれが出かけてたら…連絡くらいくれてもいいじゃん…」

…ヨシキ。

「どうして…なんでそんなことすんの…なんで理解(わか)んないんだよ…おれに黙って…トシ頭おかしいよ…信じらんない…」

そこまで言うと、ヨシキはくず折れるようにフロアに膝と手をついてしまった。

ぼたぼたと床に落ちる大粒の涙で、ヨシキが泣き出したのがわかった。

…ヨシキ…そんな、ごめん…電話、しようと思ったんだけど、ちょっと…うっかりして…。
「うっかりとかそんな問題じゃないだろッッ」
…う、うん…。

謝りながら、オレは自分がなんでこんなに怒られているのか、正直理解できていなかった。

ヨシキが涙を落として、悔しそうに拳で床を殴ってる。

トシおかしいよ、信じらんないよ…と繰り返し叫び続けて。


オレはこうして今日も、わけもわからぬまま、愛するひとを泣かせている。


オレは、注意深くヨシキの前に同じようにひざまずいて、彼に語りかけた。

…ヨシキ…、ヨシキがいない間に外しちゃったのは悪かったよ。ごめんね。…けど…ヨシキがなんでそこまで悲しんでる、…いや怒ってるの、かな、……その理由が…オレにはわからない。できれば、おしえて。

「…だっ…て。だってあれは…」

ヨシキが、しゃくり上げながら話し始めた。


《contd.》



夢想と薔薇の日々o<風の音色に揺られて>


「おかえり~」

…ヨシキ、おみやげ。

「え~?なぁに?」

オレは買ってきたガラスのそれを振って見せた。


「あっ!風鈴だぁ~~!!とってもキレイ!くれるの?ありがと~♪」

…こないだ欲しがってたでしょ。
リビングの出窓のとこに提げたらいいよ。

「うん!やったぁ~!」



.。o○.。o○.。o○.。o○



…ヨシキ、メシ…

言いかけてやめた。

そこに、淡い夕闇に染まったヨシキの、
美しい横顔があったから。

昼間とは違う、幾分涼やかな風に吹かれて。

ヨシキは窓辺に頬杖をついて、
飽きもせずに風鈴が揺れるのを見上げていた。

風鈴は、透き通った音色を
チリーン、チリリーンと響かせて、宙に遊ぶ。

まるでその音に、
ヨシキが少しも笑顔を惜しまないことを知っているかのように。

或いは、その笑顔を何よりも大事に思う、
オレの心まで見通しているみたいに。


よし、今日はエアコンを切って、リビングで夕食にしよう。




《おわり》

月別アーカイブ
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

カテゴリ
記事検索
☛人気ブログランキング
QRコード
QRコード