Ciao! (=´ー`)ノ⌒♪私自身あるいは困難な存在

■TMNETWORKとXJAPANが日々の糧εεε=(*ノ▽ノ)な佐野瑞希です、こんにちは。■音楽と、広範囲な意味での文学について綴っています。■現在は、一連の創作シリーズ『夢想と薔薇の日々』の更新がメインになっています。「おもしろかったー!」と思っていただける一日があれば幸いです。  ───遠い記憶をたぐり寄せると、どこまで遡っても自分の感性や思考のしかたが変わっていないなあと感じざるを得ない今日この頃。春、桜舞い散る日に。(2015.04.12改稿)

嫉妬

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『夢想と薔薇の日々』リバイバル!<・*・TABOO・*・時々・*・蜂蜜檸檬・*・>総集編

久々に『夢想と薔薇の日々』リバイバル!の時間でぇす٩(๑´罒`๑)۶

この連載、わたし的には“フタ”をしてたんです。
振り返りたくなかったの。
でも、なんか知らんけど頻繁に人気記事にランクインするので、かなりの勇気を出して「総集編」に踏み切った次第です。

後記は、当時のものと、今改めてのものと、ふたつまとめて後ほど載せますね。
まずはとにかく、本編をどうぞ🔜



<・*・TABOO・*・時々・*・蜂蜜檸檬・*・>
−総集編−

『夢想と薔薇の日々(Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

<・*・TABOO・*・時々・*・蜂蜜檸檬・*・>

何かの気配で目が覚めた。


ヨシキだ。

向こう側に腰かけて、声を押し殺してはいるけど、泣いているのに間違いはなかった。

そっと呼んでみる。


…ヨシキ?どうした?


彼が驚いて体をビクッと震わせたのがわかった。
それから彼は背中を見せたまま答えた。


「ごめ…なん…でもな…」


───何でもないのに夜中に独りで泣くかよ。

声や鼻のすすり方から察して、もうかなり長く泣いたあとで。


…ヨシキ、何だかわかんないけど…おいで。

「だいじょ…ぶ、ほんと、なんも…ない…」


ヨシキの隣に座って、無意識に彼の背中を抱いた瞬間だった。
ヨシキが俺の腕を跳ね退けた。


「だめっ、触んないで!」

…え?


俺の方が動揺する。


「だめなんだ。おれもう、 けが れてるからだめなの!…だから触んないで…トシまで…汚したくない」

…汚れてるって。どうゆう意味?


ヨシキが「そんなん喋りたくないよ」って言うから。
俺には何もできないことなの?って聞いた。


「できない。別れるしかない。もう一生トシに会えないとこに行く」

…ヨシキ。


話がちっとも飲み込めなかった。


「それか、もしほんとにおれのこと大切なら…トシ、おれのこと殺してよ。もうそれしか手がないよ」


俺は黙って聞いているしかなかった。
だって。
余りに非現実的なことばっかりじゃん。
別れるとか殺せとか…。

頭の中がクラッシュしそう。


俺は小さく咳ばらいをしてからヨシキに尋ねた。


…ヨシキ。ひょっとして…今、俺といるのつらい?


震える声でヨシキが言った。


「つら…い…死にたい。でも…いちばん、ほんとは、トシと一緒に、死にたい…」


俺は茫然とした。


…それでも理由は話せないの?

「だってそれ話したらおれ全部終わりだもん。自滅。それだったら、トシが好きなヨシキのままで別れたい…から」


ちょっとムッと来て、俺は語気を強めてヨシキを遮る。


…別れる別れるって言うけど。別れないよ、俺は。

「だって嫌いになるもん絶対。ここに来てからの…いちばんの約束事を、おれ破ったんだ。だから…もうトシといる資格ない、トシのこと好きでいる資格ない」

…うーん。


考えあぐねていた。どうしたものか。

ひとつ気にかかったことがあった。
ヨシキの声が、ときどき掠れるのだ。
喋りづらそうだな。
かわいそうに、いっぱい泣いたんだろう。

俺は、ヨシキにちょっと待ってねと言い残して階段を降りた。
体には一切触れないように。



台所でお湯を沸かし、レモンとはちみつを用意して、飲むはちみつレモンをつくった。
ヨシキのマグカップさえもがこんなに愛しいのに、別れるなんて嘘だろ…。



二階の寝室に行くと、ヨシキはまだすすり泣いていた。


…ヨシキ、これ飲みな?最後の命令になるかもだよ。


ヨシキは、マグカップを震える手で受け取って少し口を付けると、「熱い…」って言った。

俺はベッドの、ヨシキからやや離れたところに腰掛けて、キッチンで思い浮かんだ条件を、ヨシキに伝えることにした。


…ヨシキ、もしヨシキが泣いてる事情を話してくれるなら、さよならはしない。絶対に。

…けど本っっ当に話す気がないんだったら、ここを出ていけ。俺に本当のことを話せない人間とは、一緒に暮らせないから。



長い沈黙のあと、ヨシキが口を開いた。


「…わかった…うん…わかった……トシ、あのね…聞いてくれるの…?」


そのワンフレーズだけで、ヨシキの目から大粒の涙がぽたぽた流れ落ちた。


…聞くよ、時間はあるし。他に相手が誰かいるわけじゃなし。

「うん。あのさ。」


「ここに来て、それから、しばらくあって…気持ち伝え合ったあと、そのとき、かな、トシが仕事の話して。…言ったじゃん?仕事は仕事だから、どんなことがあっても割り切って考えろって…」

…うん、言ったね。ヨシキよく頑張ってるなと思うよ。

「あはは。やっぱりおれ、ばか。その…頑張らなきゃいけないことがね、…できなくなっちゃった。…今日…新宿行ってて…」

…新宿?

「うん。で、広告塔にバーンて、トシの、……キスシーンが出てて。トシがさ、かーっこいいんだよね、ふふ、くやしい。今まではどんな女と一緒のポスターだろうと雑誌だろうと、どうにか我慢できたんだけど」


そういう話か。やっと少し飲み込めたかも。


「その女に…おれ嫉妬しまくっちゃって。もう何が何だかわかんなくなって。帰りの中央線に、飛び込むことまで考えたんだけど…トシの『割り切れ』がずーっとずーっと頭にあって…飛び込めないまんま…帰ってきた。」

「ね、おれ、ばかじゃんね?マジで…墓穴掘ってるよね。なんかすんごい惨めじゃね?手も足も出ないっつーか、ただの頭の悪い女みてぇ」


ヨシキは肩で息をしていた。


…ヨシキ。


ヨシキの話は続いた。


「そういう気持ちを持っちゃうのって…トシの信頼を裏切ってるでしょ。あんなに自分で誓ったのに。情けなくて自分が嫌いで」

「……だから、もうトシのそばにいれないよ…ごめんなさい。割り切れって言われてもあんなの…おれ無理だから…、だから、こんな心狭いヤツに触らないで。トシまで汚したくない」


そう言うと、ヨシキはまた激しく泣いた。

どうしたらいいのか、途方に暮れた。ヨシキが見たのがどのパネルかは見当がついたけど、もうそのキスシーンを撮った相手の名前も、顔すら忘れていたし。

───嫉妬…ジェラシー…か。


…ヨシキ。悪いのはヨシキじゃないよ…ヨシキが汚れてるなんて考える必要もない。確かにあれに嫉妬されても困る、ほんとに困るんだ。ああいうのって仕事、っていう感覚しかないんだよ。

「だから!だからこそじゃん。仕事って約束してるのに、承知してるのに、妬くのがもう失格なんじゃん。一目見ただけであの女、ぶっ殺したくなったよ!」

…ヨシキ、それは。それは普通だよ。少しも汚れてなんかない…今までが頑張りすぎだったんだよ。

「けど約束は約束でしょ、それ破ったんだよ」

…ねえヨシキ。もうわかったから…抱っこしていい?ヨシキに触れたくてどうしようもない。

「だめだったら!ふたり揃って地獄行きなんて冗談じゃない」


俺は一呼吸置いて、ゆっくり話した。自信は、なかったけれど。


…ヨシキ。もし俺がヨシキに手を差し延べるだけ、ヨシキを抱きとめるだけで、ふたりとも地獄に堕ちるなら、俺、それは本望だよ。天国だろうと地獄だろうと、ヨシキがいる場所が俺の場所。ヨシキのために俺は生きてるんだし、ヨシキがいるから俺も生きてられる。ヨシキがいなかったら…世界の何もかも、全てが無意味。だから。別れるとか、死ぬとか…言わないで。この場所で一緒に…生きていってほしい。


これが、言えたことの全部で。





マグカップを両手で抱えてじーっと黙って聞いていたヨシキが、しばらくして空を仰ぐと、ぽつーんと言った。


「…トシ…それ、殺し文句じゃん」


それから


「ほんと、おれ不様…あはは、ばっかみたい。」


って言って自嘲気味に笑った。


「トシ、おれそれ、本気にしちゃうかもよ。自惚れやさんだから」


ヨシキのバカ。
ほんっとーに、バーカ。


…していーんだよ。していいの、本気で言ってるんだから。

「…まさかでしょ」

…まさかじゃないよ。本当だよ。俺の、素直な気持ち。

「ほんとにおれのこと汚れてるって思わないの?」

…思うわけないじゃんよ、変なヨシキ。




隣に座り直して。
ヨシキを、静かに抱き寄せる。
ヨシキはおどおどしながら寄り添ってきたけど、すぐに全身を預けてくれた。
そして腕の中でまた少しだけ、泣いた。





ああ。
なんだか、一山、超えられたのかなぁって気がした。

体のラインを確かめるみたいに、ヨシキの体をずーっと撫でていた。
バスローブを通して伝わってくる、優しい、体温。
すごく、懐かしい。


…ヨシキ?汚れてる汚れてるって言うけど、そんなこと絶対ないんだから。嫉妬なんて誰だってするもんだし。あれは仕事だから…そりゃヨシキには悪いと思うよ?ヨシキには見せたくないなぁって思うよ?でも仕方ないよなぁっていうのもある。どうしたらいいんだろうね?俺もわかんなくなった。仕事、やめよっかな。

「ううん!そんなのだめだよ!!おれ…ごめん。今日はちょっと…ショックすぎて…なんかおかしくなっちゃった」

…うん、そうだね。でも気持ちは…わかるよ。わかるから。もう、心配すんな。それよりヨシキさ。気になってるんだけど、ノド。やられてるみたいだからはちみつ、あったかいうちに飲みなよ。

「あ…ごめん!え、それ、命令なんだっけ」

…まあ、そう、命令(笑)。


「そうなんだ」ってふたり初めて、微笑い合って。俺は安心でほっとしてドキドキして、泣きそうだった。



半分くらい飲んでからだろうか。


「とし~、このはちみつレモンすっぱいよ…」


ヨシキがさっきより少しだけ明るい声で訴えてきて。


…マジで?レモン入れすぎかなあ。


って、そんなヨシキにさえ喜びを感じてしまう俺がいて。


「ん〜ん、いい。おいし」

…これがホントの“初恋の味”だぜぇ。

「そ〜なのぉ…?これぇ?ふふ/////」

…やっばりヨシキは笑ってるときのがかわいーよ。


ヨシキの額を小突く。



…ヨシキ、またさー、今日みたいなことがあったら、だけど。中央線に飛び込む前に、だぞ!このはちみつレモン思い出すの。いい?んで『初恋は叶った』『初恋は叶った』『初恋は叶った』って3回言ってみ。ヨシキこの前言ってたじゃん、『初恋は叶わないっていうの嘘だってわかった』って。俺もそうなんだからさ。

…だからね、そしたら…俺が世界で誰よりも愛してるのはヨシキだって、必ず思い出せるよ。

「…う、うん…うん…わかった、やってみる/////」


ヨシキは大真面目に答えて、すっぱい(らしい)はちみつレモンを、俺の腕のなかで一生懸命飲んでいた。


…もっと飲む?

「うん!…あ、とし、今度はもうちょっと甘くして」


申し訳なさそうに頼むヨシキが。
すごく、すごく、かわいくて。




真夜中のキッチンで。
はちみつを熱湯で溶きながら。
レモンを半分だけ搾りながら。
さまざまなことを考える。
さまざまったってヨシキのことに限られてはいるけれど。

彼に説教しながら自分でこんなことを言うのも情けないけど、俺は祈るような気持ちでいた。
ヨシキがこれから先、このはちみつレモンを思い出す必要なんて、当分ないように、って。
今日この夜更けに話した事ごとが、俺とヨシキの…ふたりの絆をずっとずっと強くしたって思いたかった。


再び、トレーにはちみつレモンをのせて階段を登る。


…できたよ、レモン少なめ、はちみつたっぷりだよ。

「わぁ~、ありがとう」

…熱いから、気をつけて。


ヨシキはカップにそっと口を付けて、今度も小さい声で「熱い…」って言った。


…ふふ、ゆっくり飲みな。

「うん」

…ふうふうってしなよ?

「うん…♪」


なんかなぁ、こういうヨシキを見ているのがほんとにほんとに、自分の幸せで。







───ねえ、ヨシキ。

心のなかで話しかける。


これからもまた。
嫉妬だのジェラシーだのより、もっと困難な感情の嵐が。
いっぱいいっぱい、襲ってくるかもしれないけれど。


だいじょうぶ。
恐いことなんて、ひとつもない。
泣きたいときは声をあげて泣けばいい。
助けて、って、まず俺を呼んでよ。
キミを、俺が強く、強く、抱きしめるから。

だからあんなふうに、ひとりでさみしく泣かなくて、いいんだよ。


いつも。
いつもキミのそばに、いるよ。忘れないで。



 








END






連載を終えて Jun. 11, 2012

こんにちは。
<・*・TABOO・*・時々・*・蜂蜜檸檬・*・>が終わって、胸を撫で下ろしています…佐野です。

難産だったかと聞かれれば、そうでもない。
けど成功したかというと、これがサッパリ。

最大のミステイクは「タブー」=「嫉妬(ジェラシー)」という説明を明確にしなかった点。
ヨシキのなかで、トシの仕事に絡んでくる男や女の関係の部分に嫉妬することが、タブーだったと。
そういうことなんですけれど。

たった今理解されました…?やっぱり?(苦笑)


この物語は、実在するXの「WEEKEND」、アルバム『Jealousy』及び『ART OF LIFE』にかなりインスパイアされています。
『Jealousy』のテーマを改めて考えるうちに生まれたストーリーが<・*・TABOO・*・時々・*・蜂蜜檸檬・*・>なのです。

『夢想と薔薇の日々o』のヨシキ(≠実在のYOSHIKI兄ちゃん)っていうのは、何やってんだか不明瞭で(まあ、トシもそうだけど)、“夢の中にだけ生きて”いる存在です。
これは設定というよりはむしろ、瑞希が今まで夢想してきたヨシキ像だから仕方ない。
『夢想と薔薇の日々o』自体が、瑞希の夢想からこぼれ落ちるものをカタチにしているだけだから、敢えて新しくセッティングするのは避けています。

そんなヨシキの、トシを想う、トシに想われる、その関係性だけを主題にしたとき、自分が嫉妬の嵐の中にいるという苦しみの表現または考え得る末路として、やっぱり自然に、第1話の「もしほんとにおれのこと大切なら…トシ、おれのこと殺してよ」が出てきました。

それから、第2話かな、「死にたい。でも…いちばん、ほんとは、トシと一緒に、死にたい…」もそうですね。しごく当然というか。


なんか現在、頭を理屈が走りまくって、「究極の愛とは?」に行ってます。
このふたり(トシとヨシキ)に関しては瑞希的には答えが出ていますが。
かなり上記のヨシキの台詞に近いです。


ちょっと…もうやめます。どんどん説明的になってしまう。
ストーリーや主人公たちの感情だけ、少しでも楽しんで頂ければ何も必要ないです。


さて、スケジュールが押せ押せなので、明日も恐らくショートショートを。
予定というものが立たないので、走り切って倒れたら終わりにしようと思います。

1週間、お付き合い頂き、本当にありがとうございました
m__m


佐野瑞希o





リバイバル化にあたって Apr. 8, 2021

全7話で連載してから、もう10年近くの年月がたつことに、ただただ驚きます。
それだけ昔の話だってことにね。

恐らく、連載を終えたあとは、ほぼ見ることもなく過ごしてきたんじゃないかな。
なんかドロドロして暗い話、っていうイメージが強くあって、読み返すのイヤだったんですよね。

今読んでみて、まず「これは今は書けないな」と思いました。
いやぁ、よく書いたなって。

テーマが、どストレートに据えられてますよね〜。
青くさいんだけど、コアです。
ふたりが、一度は通り抜けなくてはならなかった主題です。
これがあったからこそ、後に、嫉妬が表面化しても大丈夫なふたりになった。

だけど、現在のわたしにはこういう形では書けないと思う。
仮に書こうとしても、もっとたぶん、回りくどく装飾的になっちゃうと思う。

今、<・*・TABOO・*・時々・*・蜂蜜檸檬・*・>を読んで、思ったほど恥ずかしくないのは、テーマがしっかり際立っていて、そこに向かって直球投げてるからじゃないかと思います。
伝えたいことが、明確にあったから。

「伝えなくてはならないことがある」というのは、すごく幸せなことだと思います。
当時の後コメントで、「難産ではなかった」と書いているけど、それも、ゴールがきっちり見えていたからだと思う。

こう書いてくると、じゃあ現在のふたりはそういう状況じゃないんだな、っていうのが見えちゃうから、それはそれでつらいんだけど(((^^;)


総じて言うと、失敗作ではなくて、それなりに力作。
青春の1ページ的な。
いまだに人気記事に上がってくる理由が、今回のリバイバルでちょっとわかったような気がしました。


惜しむらくは、会話がね。
ひとつの「」内とか、モノローグとかが、長すぎるでしょ。
最後もトシの長〜いモノローグだからね。
さすがに、エディター目線で見ると「ヘタだな!」って。・゚・(ノ∀`)・゚・。


さて、長々とお付き合いいただきましたが、そろそろ終わりにしたいと思います。

これからも、一気に読みたいときはリバイバルで、チョコっと読みしたいときはオリジナルで、楽しんでいただけたらうれしいです(◍′◡‵◍)

どうもありがとうございました。



佐野瑞希o 拝


ヨシキ!ガンバれよ〜!🌹·˖✶
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『夢想と薔薇の日々』進捗状況&唐突な後コメント

『夢想と薔薇の日々(Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

宣言からこっち、チンタラチンタラと、しかし真面目に<anniversary/ いのちの初夜>を書いてるよ(*´∀`)♪

その公開までに時間が空きすぎるなあと思って、先日は久々の<日々徒然>を頑張った。
でもSS(ショートショート)の部類って、それなりに物凄く難しいんだよね。

だから(これは余談だけど)<ハピネス>なんかもメチャクチャ大変。
好きなんだけど、このシリーズはとっても、けどなっかなか更新できない。
だってね、あのヨシキが「しあわせだな!」って思う感じる瞬間でシャッター切るって、至難の業よ?


えーと、話を戻して、でも進捗と言っても半分行ったよとかあと少しだよとか、そういう俯瞰的な話はできないな。
全体がどの長さになるかわからないので。
う〜ん、そうだなあ、、、予測だけど、これで半分は越えたんだろうなあ。
いきなりベッドシーンだからね、何してるとこ!なんても言えないしさ笑。

でもとにかく、進んでるので、ごゆっくりお待ちください(◍′◡‵◍)



• ೋஜ•✧๑🌹🌸🌹๑✧•ஜೋ •



さて。
わたしを褒めて育ててくださるみたいな友達がいるんですが、彼女が「昔のような後コメントはもうやらないの?」って話すのね。

「え?読みたいの!?あれ」
「うん、あとがきみたいじゃない?あとがきで書き手の気持ちもわかるし」

うーむ。
確かに昔はいつも反省会とか後コメントやってたよね。
実はわたしだって、あれはやりたいのだよ!
正直なところ、やりたいんです。

けど、あんなの需要あるの?ってのと、今はもうお話が書けたらとっとと出して終わりたいってのと笑、そもそも後コメントを書く余力がないってのと_| ̄|○ il||li

なんか、後コメントって未練がましいような気もするのね。
彼女にそう伝えたら、「いらない人にはいらないのかも」って言われましたが、そう、いらんと思う人が多いんじゃないかな?と思ったのです。

余力ないっていうのは、本編書いたあとにその作品と向かい合うのってすごくシンドイのよ:( ;´꒳`;):
昔は反省までしてたのかと、脱帽します。

でも、今日はとりあえず後コメみたいなものを書きたいから書く。

いらんよ!って方は通り過ぎてね。


えっと、<スウィート・ペイン>なんですが。
ある人から「動画貼れてましたね!」って言われたんだけど、あれは動画じゃないよ!!
GIF画像(アニメ)です。
静止画と同じ方法で貼れば貼れちゃうんだよ、だから動画を貼れたわけじゃないのですww

GIFなら動くのがいくらでも載せれるんだ!と気付いたらうれしくて、ふたつも貼ってしまったよというのが<スウィート・ペイン>。

あの2枚の画像の狙いというのは、時間の経過と、気持ちや思いの揺らぎみたいなところにある。
ヨシキがメープルシロップどばどばかけてる時点と、バターも塗って、それが溶け落ちるという、時間の経過。

その時間の流れの中で、トシの心の揺らぎを表せたらいいなぁ、と思ったの。
今シロップかけまくっている相方が、もしいなかったらどんなにラクだったろうか?と思うトシと、その裏返しで、ヨシキがいるからこそ自分は生きていられる、幸せでいられる、とどこかで理解ってるトシと。

彼氏さんの人生はね、いつもこの再確認のくり返しなんですよ。
いっつもそう。
例えば<YOUR BREATH -scene15->🔻

んね。

ヨシキという人は、トシには手のかかるとんでもない重荷だけど、同時に、生(生きること)の象徴のような存在。
トシが生きてくために、幸せになるために、ヨシキは必須なんです。

あれ?
なんだか語りすぎちゃった、すみません┏(ε:)ペコリ



あとねぇ、次。
<日々徒然>の方は、まだ自分でも消化できてないんだよね。
だから、どういう話って書けないんだけど……、前出の友によると、
「ああいう些細な幸せを切り取って書けるのは、あんたしかいない!」ꉂꉂ笑ʬʬ

そうかなあ?
SS書く人ってああいうの得意だと思うんだけどね。
朝めし前、って感じだよね、うまい方はたくさんいる。

ただ、ヨシキがね(*´艸`*)
最初は構想になかった部分なんだけど、トシ不信に陥るとこがあるでしょ?
あそこがミソ。
ただのホンワカでは終わらない、かわいそうなばかっぷるなのであった。

ヨシキもまた、トシに絶対的な信頼感を常に抱いている訳じゃない。
いつでも危うい感情が立ち上ってきちゃうんだよね。
嫉妬とセットで笑。
これはいろんなお話に出てくると思う。

だ・け・ど!!
最後はヨシキもその暗雲たる感情を払いのけて、トシのもとへと向かうんですネ。

てな感じかな。


うん、ばかっぷるは永久にハッピーで生きてくんだよ〜!!!



がぁ〜!
疲れた( ꒪⌓꒪)
いきなりこういうの書くと、ツラいよね笑。
でも書けて、よかった。

これからまた、書ける余裕があるときは後コメもやろうかなと思います。
モノ好きな方だけ読んでくださったらね、それでいいので。
ただ、ホントにね、ホントに余力が残ってないのよ最近。
お話書くと力尽きちゃう、あっはっは(ˊᗜˋ;)


─────と、いうわけで。
お付き合いありがとうございましたm__m

また、近いうちに

未使用

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夢想と薔薇の日々<MEMOIR -メモワール- ずっと忘れない>

『夢想と薔薇の日々 (Days of Réverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」(夢見る、想う)は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、どうぞよろしくお願いいたします。

───曇ってて、、、いっこも見えないやぁ、星。

首が痛くなって、いい加減都会の空を見上げるのもやめた。


コンビニからの道を、歩いてる。
ひとりで。

トシは付いていくって言い張ったけど、5分足らずのコンビニくらいひとりで平気だもん!
ちょっぴり…寒いかな。


「あ~~、早く帰ろ。。。」


小さく鼻をすすったら、よりによって今、思い出した。
何って…初めてチュ~したときのこと───…。




.。o○.。o○.。o○.。o○




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夢想と薔薇の日々<「水清ければ」For You>

『夢想と薔薇の日々 (Days of Réverie and Roses)』はあくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」(夢見る、想う)は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、どうぞよろしくお願いいたします。

ベッドの中で泣き続けるキミを。

どうしてやったらいいのかわからずに―…、今夜もただ、抱きしめている。



こうすることでしか、救えないのか。

この胸と。

この腕だけが。

キミに差し出してやれる こたえ なのか。

自分の非力に、腹立たしささえ覚えて。 




キミは泣く。

自分は心が狭いのだと。

醜い嫉妬の塊なのだと。


「おれみたいな人間、トシのそばにいる資格ない」


そう言って、キミは、泣く。


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『夢想と薔薇の日々』リバイバル<ROUGH SKETCH OF HIS JEALOUSY ~LOVELESS~>+<―LOVELESS―>本編

『夢想と薔薇の日々(Days of Reverie and Roses)』はあくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」(夢見る、想う)は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、どうぞよろしくお願いいたします。

<ROUGH SKETCH OF HIS JEALOUSY ~LOVELESS~>

トシに恋して頭までイカれちゃってる女(たまに男も)なんていやってほど知ってる。
仕事の話を装って電話してくるヤツ、家まで押しかけてくるヤツ。

ムカつく。
あいつらまとめて死んじゃえばいい。

トシが親切に応対してるのもバカみたい。
おれはヘッドフォンで耳を塞いでベッドにもぐり込むだけ。
聞きたくない。
これ以上なんにも知りたくない。
耐えられない。

ムカつく。ムカつく。ぶっ殺してやる。

トシのバカ。バカ。きらい。だいっきらい。
トシがいちばんきらい。
世界でいちばん、だいっきらい。



《END...?》
(Nov.14.2012掲載)




--------------------


<―LOVELESS―>


泣き疲れて寝ちゃったんだと思う。

起きたら窓の外も家の中も、真っ暗だった。
しーんとしてた。

「7時半…」

トシは帰ってなかった。
とっくに台所にいて、ごはん作ってるはずなのに。

また、飲み会とか、断れなかったのかな…。

電話の着信もメールも、入ってなかった。


「トシ~?どこにいるのぉ…?」


家中探した。
いないのはわかってたけど。
でも声に出してないと怖くて仕方なかったんだ。
もうずっと、独りぼっちになっちゃう気がした。

また、鼻の奥がツーンとしてきて、どうしても我慢できなくて、泣いちゃった。
キッチンの隅でひざを抱えてたら、勝手に涙がこぼれてきたんだもん、しょうがないじゃん…。


トシが帰ってこないのは、さっきおれがあんなこと考えてたからかなあ、と思った。
おれが嫉妬ばっかりして悪い子だから。心が狭いから。

自分の“彼氏”の人気が高いのは、喜ばなくちゃいけないコトなんだ。
きっとほんとは、ほんとは―…。


でも…さ…。

おれにはそんな、トシをみんなに分けてあげれるほどの余裕ないもん。
いつだって怯えてる。
バイバイって言われたらどうしよう、って。
何が引き金になって追い出されても不思議じゃないっていうか、変な危機感が、おれにはあって。


トシのこと、信じてないわけじゃない。
絶対大丈夫、っていう自信はあった。
けどココロのどこかに、正反対の、自信ゼロのおれがいる。
いっつも。


泣くのをやめられなかった。

けど、今、おれには、「ヨシキ泣かないのー」って涙をぬぐってくれる大きな手も、「ほら鼻ちーんして」って言ってくれる優しい声も、何も、なかった。


トシ…?
ごめんね。
きらいなんて言ってごめんね。
世界でいちばん、だいすきなのに…嘘ばっか言って、ごめんね。

おねがいだから戻ってきて。
戻ってきてよ―…。



涙のスクリーンの向こうに、トシの幻が見えた。
笑ってて…おいで、って両腕を広げてた。
でもそれが本物じゃないんだって、おれにははっきりわかってた。








その夜とうとう、トシは帰ってこなかった。









《END》
(Nov.18.2012掲載)

*一言コメント*これはねー、何人もの方から「続きはどうなるの?」って訊かれました。「ハッピーエンドを期待してます」っていうのもあった。けど、これはこれでおしまいです。あとは何にもありません。こういう話なのであった。



1票お願いします。何位かな?見てみてね!



夢想と薔薇の日々<同居人お断り。>

『夢想と薔薇の日々(DRR)』はあくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」(=夢見る、想う)は、個人が有する自由な権利ですが、現実は現実として、きちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、どうぞよろしくお願いします。

ここ最近、バレンタインデーの前辺りから、我が家のお姫様は近所のホームセンターに足しげく通っている。

お目当てはペットコーナーの柴犬だ。
きっとバレンタインのプレゼントさがしてほっつき歩いるうちに出会ったんだろう。


「ねえねえトシ!かわいいんだよ。飼いたい。まだこ~んなにちっちゃくてフワフワなの」
…柴は今高いんだよ…。

ことあるごとにこういう話になる。

「だからさぁ、自分のお金で買うからぁ~」
…だーめ。
「なんでぇ…?ほんとちっちゃくってすんご~いかわいいんだよお!」
…今はちっちゃくてもね、あっという間に大人になるのー。
「大人になってもあのわんこはかわいいと思うもん、飼いたいよぉ!トシが反対するのはわかるけど…」
…わかるんならやめて。
「わかるけど~っ!でも絶対迷惑かけないから!面倒も全部自分で見るよ!ねえ、いいでしょ」
…ダメったらだダメなのー!
「うえ~ん、いじわるぅ~」
…なんと言われようとダメなものはダメ。やめてください!以上!

俺が席を立って、ヨシキはぷーっ、とふくれっ面になる。


――あのね、ヨシキ。

ヨシキの欲しいモノなんて、いくらでも買ってあげる。
キミが欲しいなら、全財産なくしたって手に入れてみせる。



だけどね。




ごめん、勝手だけど。
これだけは譲れない。





――……俺、相手がイヌであろうとネコであろうと宇宙人であろうと、とにかく何であろうと。
死んでも俺以外のヤツに、ヨシキの愛を分けてやる気は、ないから。





夢想と薔薇の日々<同居人、お断り。>




《END》



夢想と薔薇の日々o<『・*・TABOO・*・時々・*・蜂蜜檸檬・*・』を終えて~補足と反省点~>

こんにちは。「・*・TABOO・*・時々・*・蜂蜜檸檬・*・」が終わって、胸を撫で下ろしています…佐野です。難産だったかと聞かれれば、そうでもない。けど成功したかというと、これがサッパリ。
最大のミステイクは「タブー」=「嫉妬(ジェラシー)」という説明を明確にしなかった点。ヨシキのなかで、トシの仕事に絡んでくる男や女の関係の部分に嫉妬することが、タブーだったと。そういうことなんですけれど。

たった今理解されました…?やっぱり?(苦笑)

この物語は、実在するXの「WEEKEND」、アルバム『Jealousy』及び『ART OF LIFE』にかなりインスパイアされています。『Jealousy』のテーマを改めて考えるうちに生まれたストーリーが「・*・TABOO・*・時々・*・蜂蜜檸檬・*・」なのです。
『夢想と薔薇の日々o』のヨシキ(≠実在のYOSHIKI兄ちゃん)っていうのは、何やってんだか不明瞭で(まあ、トシもそうだけど)、“夢の中にだけ生きて”いる存在です。これは設定というよりはむしろ、瑞希が今まで夢想してきたヨシキ像だから仕方ない。『夢想と薔薇の日々o』自体が、瑞希の夢想からこぼれ落ちるものをカタチにしているだけだから、敢えて新しくセッティングするのは避けています。
そんなヨシキの、トシを想う、トシに想われる、その関係性だけを主題にしたとき、自分が嫉妬の嵐の中にいるという苦しみの表現または考え得る末路として、やっぱり自然に、第1話の「もしほんとにおれのこと大切なら…トシ、おれのこと殺してよ」が出てきました。それから、第2話かな、「死にたい。でも…いちばん、ほんとは、トシと一緒に、死にたい…」もそうですね。しごく当然というか。

なんか現在、頭を理屈が走りまくって、「究極の愛とは?」に行ってます。このふたり(トシとヨシキ)に関しては瑞希的には答えが出ていますが。
かなり上記のヨシキの台詞に近いです。

ちょっと…もうやめます。どんどん説明的になってしまう。ストーリーや主人公たちの感情だけ、少しでも楽しんで頂ければ何も必要ないです。


さて、スケジュールが押せ押せなので、明日も恐らくショートショートを。
予定というものが立たないので、走り切って倒れたら終わりにしようと思います。

1週間、お付き合い頂き、本当にありがとうございました
m__m

佐野瑞希o

夢想と薔薇の日々o<・*・TABOO・*・時々・*・蜂蜜檸檬・*・>第5話

マグカップを両手で抱えてじーっと黙って聞いていたヨシキが、しばらくして空を仰ぐと、ぽつーんと言った。

「…トシ…それ、殺し文句じゃん」

それから
「ほんと、おれ不様…あはは、ばっかみたい。」
って言って自嘲気味に笑った。
「トシ、おれそれ、本気にしちゃうかもよ。自惚れやさんだから」

ヨシキのバカ。ほんっとーに、バーカ。
…していーんだよ。していいの、本気で言ってるんだから。

「…まさかでしょ」
…まさかじゃないよ。本当だよ。オレの、素直な気持ち。
「ほんとにおれのこと汚れてるって思わないの?」
…思うわけないじゃんよ、変なヨシキ。

隣に座り直して。
ヨシキを、静かに抱き寄せる。ヨシキはおどおどしながら寄り添ってきたけど、すぐに全身を預けてくれた。そして腕の中でまた少しだけ、泣いた。


ああ。
なんだか、一山、超えられたのかなぁって気がした。
体のラインを確かめるみたいに、ヨシキの体をずーっと撫でていた。
バスローブを通して伝わってくる、優しい、体温。すごく、懐かしい。


…ヨシキ?汚れてる汚れてるって言うけど、そんなこと絶対ないんだから。嫉妬なんて誰だってするもんだし。あれは仕事だから…そりゃヨシキには悪いと思うよ?ヨシキには見せたくないなぁって思うよ?でも仕方ないよなぁっていうのもある。どうしたらいいんだろうね?オレもわかんなくなった。仕事、やめよっかな。
「ううん!そんなのだめだよ!!おれ…ごめん。今日はちょっと…ショックすぎて…なんかおかしくなっちゃった」
…うん、そうだね。でも気持ちは…わかるよ。わかるから。もう、心配すんな。それよりヨシキさ。気になってるんだけど、ノド。やられてるみたいだからはちみつ、あったかいうちに飲みなよ。
「あ…ごめん!え、それ…命令なんだっけ」
…まあ、そう、命令。
「そうなんだ」ってふたり初めて、微笑い合って。オレは安心でほっとしてドキドキして、泣きそうだった。


《つづく》


夢想と薔薇の日々o<・*・TABOO・*・時々・*・蜂蜜檸檬・*・>第4話

ヨシキの話は続いた。
「そういう気持ちを持っちゃうのって…トシの信頼を裏切ってるでしょ。あんなに自分で誓ったのに。情けなくて自分が嫌いで。……だから、もうトシのそばにいれないよ…ごめんなさい。割り切れって言われてもあんなの…おれ無理だから…、だから…こんな心狭いヤツに触らないで。トシまで汚したくない」
そう言うと、ヨシキはまた激しく泣いた。
どうしたらいいのか…途方に暮れた。ヨシキが見たのがどのパネルかは見当がついたけど、もうそのキスシーンを撮った相手の名前も、顔すら忘れていたし。

嫉妬…ジェラシー…か。

…ヨシキ…悪いのはヨシキじゃないよ…ヨシキが汚れてるなんて考える必要もない。確かにあれに嫉妬されても困る、ほんとに困るんだ。ああいうのって仕事、っていう感覚しかないんだよ。

「だから!だからこそじゃん。仕事って約束してるのに、承知してるのに、妬くのがもう失格なんじゃん。一目見ただけであの女、ぶっ殺したくなったよ!」

…ヨシキ、それは。それは普通だよ。少しも汚れてなんかない…今までが頑張りすぎだったんだよ。
「けど約束は約束でしょ、それ破ったんだよ」

…ねえヨシキ。もうわかったから…抱っこしていい?ヨシキに触れたくてどうしようもない。
「だめだったら!ふたり揃って地獄行きなんて冗談じゃない」

オレは一呼吸置いて、ゆっくり話した。自信は、なかったけれど。

…ヨシキ。もしオレがヨシキに手を差し延べるだけ、ヨシキを抱きとめるだけで、ふたりとも地獄に堕ちるなら、オレそれは本望だよ。天国だろうと地獄だろうと、ヨシキがいる場所がオレの場所。ヨシキのためにオレは生きてるんだし、ヨシキがいるからオレも生きてられる。ヨシキがいなかったら…世界の何もかも、全てが無意味。だから。別れるとか、死ぬとか…言わないで。この場所で一緒に…生きていってほしい…。

これが、言えたことの全部で―…。


《つづく》

夢想と薔薇の日々o<・*・TABOO・*・時々・*・蜂蜜檸檬・*・>第3話

…ヨシキ、もしヨシキが泣いてる事情を話してくれるなら、さよならはしない。絶対に。けど本っっ当に話す気がないんだったら、ここを出ていけ。オレに本当のことを話せない人間とは、一緒に暮らせないから。

長い沈黙のあと、ヨシキが口を開いた。
「…わかった…うん…わかった……トシ、あのね…聞いてくれるの…?」
そのワンフレーズだけで、ヨシキの目から大粒の涙がぽたぽた流れ落ちた。
…聞くよ、時間はあるし。他に相手が誰かいるわけじゃなし。
「うん。…あのさ、ここに来て、それから、しばらくあって…気持ち伝え合ったあと、そのとき、かな、トシが仕事の話して。…言ったじゃん?仕事は仕事だから、どんなことがあっても割り切って考えろって…」
…うん、言ったね。ヨシキよく頑張ってるなと思うよ。

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