Ciao! (=´ー`)ノ⌒♪私自身あるいは困難な存在

■TMNETWORKとXJAPANが日々の糧εεε=(*ノ▽ノ)な佐野瑞希です、こんにちは。■音楽と、広範囲な意味での文学について綴っています。■現在は、一連の創作シリーズ『夢想と薔薇の日々』の更新がメインになっています。「おもしろかったー!」と思っていただける一日があれば幸いです。  ───遠い記憶をたぐり寄せると、どこまで遡っても自分の感性や思考のしかたが変わっていないなあと感じざるを得ない今日この頃。春、桜舞い散る日に。(2015.04.12改稿)

好き

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夢想と薔薇の日々<anniversary/ いのちの初夜 〜幻のお誕生日企画①〜>後編

『夢想と薔薇の日々(Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

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…ヨシキ。


トシに呼ばれて、ますます緊張して体がこわばった。

───来た〜〜〜!!!


おれ恥ずかしくて下を向いてたんだけど、返事しないわけにいかないから、「うん、、、」って言おうとした。

なのにね。

気が付いたら、もうトシの顔が目の前にあったの。
かがんで、こっち見てたんだよね。


…大丈夫?

「う、うん。だいじょぶだよ///」


それを聞き届けて安心したのかな。
トシは、おれの前髪をかき上げながら目線を合わせて、にっこり笑った。


…あらためて。お誕生日おめでとう♡

「あり、が、と、、、」


言うか言わないかの間に、口をトシの唇でふさがれた。


「あ…っ」

「ト…シ……っ!」


びっくりしたよ。

でもね。
こういうときって、おれ、マジックがかかってると思う。
次に何がやって来るか、なんとなくわかってしまう。

ほぼ、キス、したまま。
トシはおれの体を倒して、ベッドに沈めた。


きっとそうなるって、おれはわかってたから、だから、されるままになってたよ。
緊張してた分、準備もできてたっていうか。

トシは、ちょっと遠くにずれてた枕をおれの頭の下に引き寄せてくれた。
なんかそうゆう小さい気遣いが、すんごいうれしかったな〜♡


トシの体はすでに、おれにしっかり被さってたんだけど、そのトシが、わざわざおれの頭をぎゅーっと抱え込むみたいにして、言った。


…もう、、、いい……?

「…うん」

…我慢、できない。

「うん。。。」


トシが何のことを言ってるのか、当然見当はついたから。



トシは、おれの耳をそっと噛んだ。
おれは、きゅっと目を閉じた。
それから、トシは首筋に沿ってずっとキスをくれた。
それだけで、カラダがぽゎーっとなっちゃって、もしかしたらおれ熱出てるんじゃないかな?と思ったくらい。


「あ…っ!トシ。。。」

…え。……ん?何?

「ん、、、ん〜ん/////なんでもないっ」


肩のところで響いたトシの声は、落ち着いてて低かった。
それを聴いて、覚悟が決まった。
もうみんな任せようって、思ったんだ。





· · • • • ✤ • • • · ·



いつまでも終わらないかと思うようなキスが続いてた。
トシの息づかいと、何度もねじ込まれて絡んでくる舌と、たま〜におれの唇を噛むいたずらな歯と、すべてが甘くって……。
夢みたいだな〜♡


トシはその勢いのまんま、おれのカラダを愛撫し始めた。
手と舌と唇と、、、あっちこっち使って。
おれの胸とかお腹とか腰とか、背中や脇の下まで。
股の内側、脇腹、そんなおれの急所も、トシはちゃんとわかってて。


あのね、素朴な疑問なんだけど、トシっておれの胸、好きなのかな?
魅力、感じるのかな?
女の人と比べたら、ふくらみも乳首もあまりに足りないのに、こんなんで満足できるのフシギに思っちゃう。
おれ、いつも申し訳ないような、変な気分になるんだよね。
トシは……、本来、女も抱けるからね……。


まぁ。
そんな疑問は置いといて、おれはもう完全に参っちゃってた。
トシの触れた至るところが火照って、どうしようもない。
重なってるカラダ同士ね、うん、トシの体もめちゃめちゃ熱っぽかったよ。

その熱に浮かされながら、おれは、何度も目をしっかり開けて、トシの顔を見ようとした。
ありがとうって伝えたかったんだ。
だって、やさしくしてもらえて、すごくすごくうれしかったんだもの。
けど、どうしてもうまく目を開けれなかった。
喘ぎながら「トシ…!」って叫ぶのがやっとだった。


…ヨシキ、愛してるよ。

…好きだよ。

…ヨシキ?気持ちいい?


そんなトシの言葉に、必死で「うん!」「うん!」って応えるだけ。
あとはもう、訳のわからない絶叫をくり返すばっかり。
興奮して心臓がドクンドクンしてるのが、耳の内側から聞こえた。
もう、ありがとうなんて、伝えるどころじゃなかった。





· · • • • ✤ • • • · ·




我慢できないって言ったわりに、トシはなかなか挿入はしてこなかった。


おれはおれを全部トシにあげたいと思ったのに、実際は、トシがトシをおれに全部くれちゃってるみたいだった。


え?
意味わかんないって?

んと、つまり……尽くしたいと思ってるのはおれの方なのに、現実はトシの方がおれに尽くしてるみたい……、って言ったらわかる?

うん。
なんか、そんなふうなんだよ。
おれは、ただ、トシのくれる快感に、身を委ねてるだけだった。
夢中で。


トシはね、すごく、おれの体を愛してくれたんだ。
慈しんでくれたっていうか。
それが目的だったのか、それとも前戯のつもりだったのかは、知らないけど。


「と、し……、、」


快感の波が次から次へと押し寄せて、どうにかなっちゃいそうだった。
トシの背中や腕に、いっぱい引っかき傷つくっちゃったかな。


「トシ、、」


はぁ、はぁ、っていう激しい呼吸の合間に名前を呼ぶ。



…なに?

「トシ…っ」

…聴こえてるよ。

「も、もう……挿入れて、いいから……ッ」

…ヨシキ、もうイきたい?


顔が更に、カーーーッと赤面する。


「ちが…ッ、おれじゃなくて、トシ!」

…俺?

「トシもキモチよく、な…って、、、」


トシはクスクスって笑った。
余裕こいててズルいな。


…入っていいの?

「う…ん……。」

…んじゃ、遠慮なく。


遠慮なくって言ったくせに、トシは遠慮しいしい突っ込んできた。


「ん…ッ///」

…平気?だいじょうぶ? 

「へ、いき……っ!」

…沈むぞ?

「うん……、奥まで来て!もっと、奥だよ!/////」

…ダイジョブかな。

「あ…ッ!ん、あああ……!!」

…ヨシキ?

「い…いいからぁッ!」


カラダの中が、トシでいっぱいになった。
その瞬間、おれギャーギャー泣いちゃってさ。
きっと、やっとひとつになれたんだって思ったら、感極まっちゃったんだよね。

おれが泣いたからかもしれない。
トシは、しばらく動かないで、静かに抱いててくれた。


…平気?

「うん。。」


涙でグショグショになったおれの顔を、トシの手が包んでくれた。
おれも、ようやくまともにトシの顔を見れるようになって、「ダイジョブ…」って答えた。


…今日はヨシキの誕生日なんだから。ムリしちゃだめだよ。

「無理なんてしてない!」

…最後までヤらなくたっていいんだよ、こんなの。別に。

「けど!おれがキモチいいなら、トシも同んなじがいいもん


トシはふふ、って笑った。


…ありがとう///よし!動くよ?

「うん」


もう一度、固く目をつぶる。


トシの頭や背中をぎゅぅってしながら、さすりながら、どうかおれの気持ち伝わりますように、って、ずっと願ってた。

全部、トシのものになりたいって。
それか、全部溶けてしまって、トシのこと、包み込んであげたいって、、、、











《未 完/UNFINISHED》










夢想と薔薇の日々<TURN TO THE NIGHT OF LOVERS>

『夢想と薔薇の日々(Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

夏至2021SP

今夜も、また。
楔を、打ち込む。

彼の躰の深く、深くまで。

そう、いつものように。
彼の望みのままに。


ああ…俺は、 ヨシキ の中で 深海 うみ を泳ぐんだ────。








「………っ!


ヨシキの叫びは声にならない。
俺が最奥を突くと、彼は、その身をビクン…!と震わせた。


両胸に、紅みを帯びて立ち上がる乳頭。
激しく、熱く喘ぐ呼吸。

彼の局部も、すでに極限状態にまでそそり起ち、その先端は白濁した露で濡れていた。


俺は思い切って、掴んでいたヨシキの太股を高く持ち上げ、更に強引に左右へ押し開いた。
そしてくり返し、彼の体内を突いた。


「あ!あああっ。」


今度ははっきりと声が響く。


…ヨシキ。ここ、感じる?


そう訊ねておきながら、俺は自分が果ててしまわないようにするのに懸命なのだった。


「あ、も、イく……っ、イきたい、トシっ!」


ヨシキは激しく身をよじった。


「んん!もう…ッ、出…ちゃう……っ」

「イき、たい……ってば!」

「あ…あ……あっ、トシぃ……ッ」


彼の声は悲鳴にも近かった。
甘く響くヨシキのその“嘆願”は、俺の理性を完全に奪い去った。

本能の牙の欲するままに、俺はヨシキの躰を貪り喰う。
世界じゅうどこを探したって、この脳天まで つんざ くような興奮を俺に与えてくれる者は、ヨシキしかいない。
あらゆる意味において、このひとは俺にとって唯一絶対だった。


…よし。ふたりで、行こうぜ。

「は……やく、、、」


深紅に染まったヨシキの唇の動きが、俺を急かす。
彼の表情は、快楽に さいな まれた者の、肉体と精神の象徴そのものだった。
俺を見つめる潤んだ瞳が、愛情以上の、どこか哀しみさえ含んでいて。


それは、見惚れてしまうほどに美しい光景だった。








.。o○.。o○.。o○.。o○








「トシ、汗すご〜い☆」

…えー?あー。。


ヨシキに言われて気付いた。
びっしょり汗をかいてしまっていた。
室温は高くないのに。


…気持ち悪い?

「え、何が?・・・汗??」

…うん。

「まさか全然!…だって、、」


そこで恥ずかしげに肩をすくめてから、ヨシキは言葉を紡いだ。


「だって、おれのために一生懸命になってくれてるトシって、おれ好きだよ///」


別に、ヨシキのためだけに一生懸命な訳ではなかったけれど。
まぁいい。


…うん、もうメチャクチャ必死。


ふざけて笑いながら抱きついたら、彼は、あはは、とうれしそうにはしゃいだ。








.。o○.。o○.。o○.。o○








何度、ふたりで絶頂を味わい尽くしたろう。
目が覚めたとき、ヨシキの躰の上にいた。
彼に覆い被さったまま、俺は意識を失っていたらしい。


…おっと、、ごめん!


あわてて身体を退かそうとすると、彼はやんわり俺を制した。


「だいじょぶだよ」

…ん。そう?

「ふふ/// うん、いいから」

…退くよ、重いでしょ。

「ん〜ん、気持ちいい♡」

…気持ちいい!?

「うん、トシの重みがね」

…ほんとに?

「ほんと♡」




ヨシキが手を伸ばしてきたので、俺はその手を握ってやった。


…起きてたの?ずっと。

「うん」

…俺どのくらい寝てた?ごめんね。

「20分くらいかな?謝ることないじゃん」


ヨシキは俺の手へ顔を擦り付けると、そこに小さく口づけた。
そして俺をまっすぐに見上げて、悪戯っぽくくしゃくしゃっと笑った。

その眼を見た俺は、何故か胸を締め付けられる。


…ヨシキ。

「はい?♬」

…好きだよ。


ごまかすみたいに、ぽつりと言ってみるけれど。


「うん。おれも、好きだよ///」


彼の顔はピンク色に上気していた。

ヨシキの『おれも、好きだよ』は、俺の「好きだよ」とは違う。
ごまかしでもなければ何の照れ隠しでもない。
ただ、直球ストレートの愛情表現だ。
だからこそ、またそれが俺を気まずくさせる。

でも、そんなことに気付きもしないのだ、このひとは。


俺がどんなに、方便で「好きだよ」や「愛してる」を重ねたとしたって、ヨシキのたった一度の『好きだよ』には敵わない。

一生、永久に─────。










頑張るからもう一回やらせて。


ヨシキの耳元で囁いた。
短い沈黙のあと、彼は、いいよ、と言ってはにかんだ。



靭やかな鞭のように、ヨシキの腕が俺の背中にぴったりと回される。
その肌の温みを確かめてから、俺は再び、彼の体内へと身を沈めにかかるのだった。










誕生日を数日後に控えた、ある夜の話だ。

無邪気なだけの幼なじみには、もう決して戻れないことを、俺たちはとうの昔に知っている。





















夏至2021SP

《END》

💐💐💐Happy Birthday!!💐💐💐

どうもありがとうございました😃




夢想と薔薇の日々 第二部 完

夢想と薔薇の日々<日々徒然>6月6日号

『夢想と薔薇の日々(Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

雨が降ってる。
ゆうべからずっと。

トシに抱かれて…眠った夜。

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腰が、痛い。


寝乱れたままのベッド………
なんかやらしい。



「トシ、もう起きたんだ…」



今日みたいな朝は、そばにいてほしかったな。
一日じゅうふたりで抱き合っていたい。


もいちど、チューしてよ。

名前、呼んで?




トシ。
トシ。
おれの。


誰にもあげない。





こんなに、こんなに、大好きだよ。


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《END》

どうもありがとうございます☔✨
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『夢想と薔薇の日々』リバイバル!<One Love>

ほんっと~に唐突ですが。

いつかはリバイバルに持ってこないとな~と思っていて、なかなかできなかった作品です。

昨夜ね、理由もなくすごく落ち込んでしまって。
でもこのお話を読んだら不思議と元気が出てきたので、ああ今がチャンスだ、と。
今回は、簡単にフォームだけ変えてお届けします。
今だったらこんな書き方はしないなと思うところも多々あるんだけどね。

だいたいトシはヨシキに何をしたんだという恐ろしい謎が(((^^;)
スルーしてください。

<One Love> 
『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。


One Love

2時ちょい前に部屋へ行ったらトシが寝てて…てか寝てるのは別に当たり前なんだけど、ベッドの…壁側に寝てて。

じゃましないように、おれは手前にすべりこんでトシの枕に頬をうずめると、不思議な気持ちで隣のトシを見てた。
そしたら、じっとしてたのにいきなりトシが目を開けた。
ビックリして、


「あ!起こしちゃって、ごめんね!」


ってあわてて言った。

トシは、


…ううん、眠ってはいなかったよ。


って、答えた。


「なんで、、トシおれんとこに寝てるの?」

…うん?…んー、ヨシキを。。。抱いてるような気に…なれる気がして。

「なんだぁそんなの~!本物がいるんだから抱けばいいじゃん?☆」


おれがちょっとうれしくてワクワクしながら言ったら、トシはさみしげに微笑って、低い声で言った。


…駄目。ひどい扱い方しちゃう。




“ひどい扱い方”って言葉に、胸がドキッとした。
トシの言ってるその意味は、想像できた。
───何度も…あったから。

でも、どうして“あれ”が必要なんだろう…。
もしかして──。


「トシ?」

…ん。

「だいじょうぶ?」


なんとなく、訊いてみた。


…何が?

「仕事で何か悩みとか、あるんじゃないの…?」


そしたらトシはこう答えた。


…それは…あると言ったらあるし。ないと言ったら、ないし。でもどっちにしたってヨシキに話すことじゃない。

「そんな…けどさ、けど、ふたりで暮らしてるんだよ?」


言葉にするのは、とっても苦手だ。
こういうのは、プロのトシにはかなわない。
それでもトシが心配だった。
絶対、なんかあるんだ。


仕事の関係で、こういう隠し方されるのは、おれすごくつらかった。
生きてる世界が全然違うからなのかなって、思っちゃうでしょ。

おれ、無意識に手を伸ばして、トシの手を握ってあげようとしたの。

でも、そのときトシが、


…触らなくていいから!


って言っておれの手をはね退けて……あ!って、思った。


「ご、ごめんなさい…っ」

…いや、ごめん。俺の方がごめんね。


こんなトシは、おれ…きらい。
こんなの…おれのトシじゃない───。


“ひどい扱い方”──、どうしよう、どうしよう、って、すごく迷った。

でもおれは言わずにいらんなかった。


「トシ…?」

…何。

「だ、いて…いい、よ?」


覚悟して言った言葉だったのに、自分でも信じられないほど弱々しい声にしかならなかった。
こわかった。


…やめとけよ。中途半端な同情されたくない。

「違うよ。同情なんかじゃないよ…トシのこと好きだから。おれができることしたいだけ。いっしょに、乗り越えていきたいだけ!」


精一杯、言ったつもりだった。


…だから。ヨシキは関係ないって言ってるだろ。

「関係ないことない。だって…だって、……」



またいつもと同んなじで、伝えたい想いはあふれるほどあるのにうまく言葉にならなくて。


天井を見上げて、トシが言った。


…だっても何も…どうなるか、あと俺責任持たないよ?

「わかってる。トシの好きなようにしてくれればおれはそれでいいよ。だから…」


こんな、傷だらけみたいなトシ、…見たくない。


「だから──、ねえもうそんな遠くにいないでそばに来てよぅ」


『ねえ』からは一気に泣き崩れてた。


…馬鹿だね、ヨシキは。

「ばかでもいいもん、好きなように抱きなよ!」


どんどん涙がこみ上げてきて、どうやっても止めらんなかった。








気付いたら、トシの熱い体温と激しい力に包まれてた。
泣いててうまく息ができなかったけど、必死でトシのキスについていこうって頑張ってた。


あとは……、もう、何がどうつらくても、絶対に「痛い」とか「いや」って言わないこと。

何されても、何をさせられても、「痛い」と「いや」のかわりに、百万回くらい「トシ」と「好き」と「愛してる」をくり返した。



全部、全部全部全部、…いやなこと全部、おれにぶつけてくれたらいい、そんで、全部、忘れてくれたらいい。

本気でそう願ってた。




おれにできたのは、それだけだった。
それでも、足りなかった。



だって…今までおれの知らないとこで頑張って、痛いのやつらいのをがまんしてきたのは、トシなんだもん───…。




...I WANNA EASE 

YOUR PAIN AND SORROW 

ETERNALLY......







.。o○.。o○.。o○.。o○







───ん…、終わった…のかな?




目が覚めたとき、自分がエクスタシーを迎えたのかどうかすらわかんなかった。

それくらい、うつぶせになってるからだじゅうがヒリヒリして痛くて、動けなかった。
あそこが…切れて出血してるのも、感じてた。


もう、トシの体温はどこにも残ってない。

だけど、トシの声が、ベッドの隅のどっかで小さく響いた。


…ごめん。


トシのその言葉に、ほんとは、笑ってあげたかったんだけど、頭を持ち上げる力がなかった。
なんとか、かすれた声をふりしぼって答えた。


「『ごめん』、じゃなくって…、、、『ありがとう』の方が、、、うれ…しい…」


そしたらトシが、ほんのちょっと間をおいて、静かに言った。


…じゃあ…『ありがと』。

「…うん……」



トシがベッドから立ち上がるのがわかって、そのあとドアがぴったり閉まった。
部屋は、おれひとりになった。





おれは……、おれの頭のなかは、もうほんとに、ひとつのことでいっぱいだった。
さっきまでとは別の涙で、胸が張り裂けそうだった。


「好き」 
「好き」
「あのひとが好き」
「あのひとを愛してる」
「愛してる」
「愛してる」
「愛してる…」


泣きながら、こんなに痛くてこんなに弱い自分がくやしくて、湿ったシーツを握りしめてた。

もっともっと、強くなりたかった。








この道がどんなに遠くても、未来がどんなに苦しくても、トシのことは必ず、おれが守ってみせるから─────。
















《END》(2013年6月11日に初掲載)
ありがとうございました(*´꒳`*)🌹·˖✶
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夢想と薔薇の日々<日々徒然>9月22日号

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

今日ね。
さっき。

酔った勢いでばーん!って押し倒されたの。
夜ごはんの途中だったから、当然っていうかなんていうか食卓のすぐ脇で。


「痛…っ!」


トシが酔っ払ってて、も~何言ってんだか訳わかんないんだよ。
でもとにかくやたらめったらチューしてくるから


「口ん中まだゴハン入ってるよおっ!」


とかって。
全然、かまいもしないんだけどね、彼。


「この酔っ払い~!💦」

「ばっか…ッ!」

「…んないきなり、むりだよぉ~!💦💦💦」


でもそうやって抵抗しつつも流されてくうちに、おれ、ヤバいことに気付いちゃった。


今まで何度かあったし、ついこないだもだったけど───。
ベッドじゃない場所でするのって、案外スキかもwww



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《END》

✳️一言後コメント✳️
ヨシキがトシのことを「彼」と呼ぶのは、なんとなんと、今回が初🔰です。
㊗️おめでとうございま~す

どうもありがとうございました
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次回はいつになるかなぁ







夢想と薔薇の日々<廻りゆく季節 ~晩夏・初秋 reverse~>

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

後ろからいきなり頬を撫でられて、飛び上がるくらい驚いた。


…Σ ヨシキ!?

「あんまりボーッとしてるからさ~☆」


きゃっきゃっとヨシキは笑った。

ダイニングのテーブルに肘をついたまま、俺はどうやら物思いに耽っていたみたいだ。


「ね~ね~、終わっちゃったね、夏」

…まだたまに、蝉が鳴くぞ。

「うん……、けど。逝ったんだよ」

…ん?行った?誰が?どこへ?


意味がわからず軽い気持ちで訊いたのに、ヨシキは次の3つの言葉をひとつずつ区切って、ゆっくりと発した。
俺に言い聞かせるように。


「トシ。夏が、逝ったんだよ。


どきっとした。
胸に、一気にもやもやしたものが満ちた。


「トシがいつも言うじゃない。8月の終わりに夏が逝くんだって」


ついさっきまでと一転して、彼の顔は暗かった。


「なんかおれ、つまんない。トシもここんところ、いっつもそんなだし」

…いっつも、じゃないでしょー!


それには直接答えずに、ヨシキは言った。


「8月が終わらなければ、よかったのにね…」


俺の横に立っていたヨシキは、俺の髪にすーっと指を通すと、背中で頼りなげにそれを引っ張った。

どうしよう。
ヨシキの元気がない。


…大丈夫だよ、ヨシキ。だいじょうぶ。


とっさに、俺はヨシキの手を取って、彼を抱き寄せていた。
そして、下から彼の顔を見上げて、くり返した。


…大丈夫だよ。

「けどトシ、この時期毎年そうなるもん。。。」

…ごめん、ヨシキの当たり。確かに最近ふらふらしてたかも。夏の終わり、弱いんだ。


ヨシキの細い、骨の出た腰を、ぎゅっと抱く。
ヨシキは悲しそうに俺の顔を覗き込んだ。


…泣かないの。

「だって。トシが」

…大丈夫。平気だよ。秋には秋の、楽しいことがいっぱいある。楽しみにしててごらん。

「そんなこと、真面目に思ってる…?」

…真面目に?思ってるよ。楽しい秋が来る。だから、お願い、笑って。


彼のお尻を軽く、ポンポンと叩く。


…ヨシキ。楽しい秋を保証する!


俺がそう言って微笑んだからか、彼の表情もやっとほころんだ。


「よかった、信じる♪」


ヨシキの顔に穏やかな笑みが戻って、実際に安心したのは俺の方だった。


「ねぇ」

…うん?

「なんかさ~あ、ふたりでいつもと言うことが逆じゃな~い?」


ヨシキはおかしそうに笑った。

ちゃんと、ヨシキらしいヨシキだ。
もう心配もいらないだろう。


…ふふ、そうだね。

「トシがいけないんだ~」

…なんで?ヨシキのことかまわないから?

「自覚あるんじゃん。ひどぉ~い/////」

…ひどいって💦じゃあ真っ昼間からヤる?

「そんな気ないくせに…」

…え、あるよ、大ありですよ?♡

「まじ?んじゃ、本気見せてよ」

…いいの?☆


すでに、冗談とも真剣な話ともつかない展開になっていた。

俺は立ち上がって、唇でヨシキの口を塞いだ。


「んん、、っ」

…本気、見せるよ。

「う…そ……」


足元をすくって、一息にその場でヨシキを押し倒した。


「あ…っ」

…ちょっと床、痛いかもだけど、我慢してね。

「トシ!

…何?やめるなら今のうちだよ?


ヨシキがごくんと唾を飲む。


「トシ……あの。」

…ほんとに。今ならやめれるから。

「や…めない……」


呼吸が昂って、肩が上下している。
怖いのかも、しれない。


…ここで、ヤるんだよ?後悔しないね?

「しないよ!ねぇ、楽しい秋になるんでしょう…」

…そうだよ。

「だったら今やめたりして、おれのこと、不幸にしないで…/////」


彼は、また泣き出しそうな顔をした。


…不幸になんて、しない。


深く、丁寧に、キスをする。


…ヨシキ。

「ん…」

…好きだよ。

「うん」

…大好きだよ。

「うん」

…ずっと、ずっと、好きだ、、、


彼のジーンズのボタンに手をかけ、Tシャツも乱暴にめくり上げた。


彼の名前を呼び続ける。
狂おしいほどに。



────ヨシキ、好きだ。…ヨシキ、ヨシキ。聞こえてるか?俺の声は、届いてるか………?









名残りのヒグラシたちが、その生の証を刻むかのように、今日も一斉に鳴いている。














━─━─━─━─━─


愛しているよ…



これから

例え 数えきれぬほどの季節が

廻り 過ぎ去っていっても……



<廻りゆく季節 ~晩夏・初秋 reverse~>




《END》

関連リンク🔗


🍠ステキな秋にしましょうね🌰
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どうもありがとうございました💜






【突発】夢想と薔薇の日々<フライングムーン・ストロベリーキッス>

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

ストロベリームーン

☆*゚ ゜゚*☆*☆*゚

ストロベリームーン : 一般に6月の満月をさすが、正式な天文学用語ではない。好きな人と見ると結ばれる、幸せになるという言い伝えがある。

゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆



やや遅い夕食の片付けを終えて、二階へ上がる。


「あ、トシ!待ってたよ♡」

ヨシキがベッドの上で微笑んだ。


───待ってた?なんでだ?


不思議に思いながらも、あることに気付いて窓辺へ向かった。


…ヨシキ、夜はカーテン閉めなきゃ。いつも言ってるのに。


小言を言ってしまってから、思わず手を止めた。
ちょうど窓から、丸い月が見えていたのだ。


…あれ。今日満月???

「うん。きれいに見えるでしょ」


わざとヨシキはカーテンを開け放してたのかな。


…おー、見事。

ヨシキはうれしそうに、首を傾げてうふふと笑った。





.。o○.。o○.。o○.。o○





ふたりでベランダに出て、月を眺めている。
6月になったばかりの夜風が、やや湿り気を帯びて気持ちいい。

隣に肌が触れる、そのヨシキはと言えば、


「よかった~、雨降らなくて♪」


と、妙にはしゃいでいて。


…なんだかさー、うれしそうだねヨシキ。

「うれしいけど?

…何それ、月見れたのが?

「うん!一緒にね♡」

…ふぅぅぅん。


今ひとつわからないまま、また空を見上げた。
ゆっくりと、薄い雲が幾層にもなって流れていく。






「ねえ。チューしよ?」


唐突に言う。


…ええ!今!?

「うん。。」

…だめ、あーとーで。

「え~、今がいい」

…だめだよー。ヨシキ調子に乗るもん。

「乗らないよ、チュッてしてくれればいいから~」


迷った。
考えた末に俺はヨシキの頭を抱き寄せ、その髪にキスをした。


…好きだよ。

「え~!そこぉ~?」

…文句言わない。

「つまんな~い」

…またちゃんと、あとでね。

「絶対?

…うん、絶対。

「ならいいけど~」


ヨシキは、一瞬文句を言いたげな表情で俺を見た。
が、それ以上のリアクションはなかった。
聞き分けがいいのも今夜は月の力なのかなと、俺は思ってみたりして。


…ほんとにきれい。

「ストロベリームーンって、言うんだよ」

…ストロベリー?どうして?赤いの?

「赤くないじゃん…笑」

…じゃ、どうして?

「そんなん自分で調べてよ」

…いいじゃん、教えて。

「やぁだ~」


何故か照れたように笑うと、ヨシキはくるりと後ろを向いて、部屋へ戻ってしまった。


…なんだよ、変なの。


月が、金色に輝いて、笑っている。



━─━─━─━─━─





ヨシキが照れた理由を後から知って、俺は唇が痺れて痛くなるくらい彼にキスを贈ることになるのだけど───。














《END》
どうもありがとうございました🌝

Piano in Blue




『夢想と薔薇の日々』リバイバル「デューク」SP! ~登場への伏線とその後のポジショニング~


おはようございます(*´ェ`*)♥️
体調が芳しくないあいだ、ゴロゴロしながらコピーして編集して……の作業をしています。
残念ながら新しい夢想は、全くできない状態なんですが、リバイバルという形で少しでもお楽しみいただけたらな~と思います。

今回は2作。
そのうち<同居人、お断り。>の方は、あとになって初めて、なぜ書かれたのかがわかるっていう構図でした。
つまり、デューク登場の伏線だったんです。

その後デュークは、事あるごとにチョコチョコ登場することになるので、<White × White St. Valentine's Day>を挟む、前後のこの2作品は、やっぱりある意味ポイント高いですね。

それでは、どうぞヾ(o´ェ`o)ノ💕



<同居人、お断り。>
『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

ここ最近、バレンタインデーの前辺りから、我が家のお姫様は近所のホームセンターに足しげく通っている。

お目当てはペットコーナーの柴犬だ。
きっとバレンタインのプレゼントさがしてほっつき歩いているうちに出会ったんだろう。



「ねえねえトシ!かわいいんだよ。飼いたい。まだこ~んなにちっちゃくてフワフワなの」

…柴は今高いんだよ…。


ことあるごとにこういう話になる。


「だからさぁ、自分のお金で買うからぁ~」

…だーめ。

「なんでぇ…?ほんとちっちゃくってすんご~いかわいいんだよお!」

…今はちっちゃくてもね、あっという間に大人になるのー。

「大人になってもあのわんこはかわいいと思うもん、飼いたいよぉ!トシが反対するのはわかるけど…」

…わかるんならやめて。

「わかるけど~っ!でも絶対迷惑かけないから!面倒も全部自分で見るよ!ねえ、いいでしょ」

…ダメったらダメなのー!

「うえ~ん、いじわるぅ~」

…なんと言われようとダメなものはダメ。やめてください!以上!


俺が席を立って、ヨシキはぷーっ、とふくれっ面になる。





───あのね、ヨシキ。

ヨシキの欲しいモノなんて、いくらでも買ってあげる。
キミが欲しいなら、全財産なくしたって手に入れてみせる。



だけどね。




ごめん、勝手だけど。
これだけは譲れない。





───俺、相手がイヌであろうとネコであろうと宇宙人であろうと、とにかく何であろうと。
死んでも俺以外のヤツに、ヨシキの愛を分けてやる気は、ないから。





夢想と薔薇の日々<同居人、お断り。>










《END》





<デューク ~その後のWhite × White St. Valentine's Day~>
『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

デュークが来てからもう1週間になる。

『デューク(公爵)』

白いハートのアンスリウムをそう呼び始めたのはヨシキで。
例の柴犬に付けたがってた名前だ。


俺としては何とも言えない微妙な心境だったのだけど、ヨシキが俺にくれたプレゼントにヨシキが付けた名前なんだから仕方がない。

それに彼はデュークをとてもかわいがってる。


あまり直接日光に当てない方がいいらしいので、二階の隅の半日陰に置いてやっているのだが、毎日ずーっと、ヨシキとデュークは話をしてるんだ。

電気カーペットからも外れたところで、ヨシキは素足にガウンやバスローブ1枚羽織っただけ。
膝をついてぺたんと座って、彼はデュークに話しかけてる。

通りかかるたびに様子は見てるけど、ときに本気で心配になって、俺はつい後ろからヨシキをそーっと抱きしめてしまう。


…ヨシキ?寒くない?

「ん?…トシ?今ね、デュークと話をしてるんだよ♪」


…デュークは…何て言ってる?

「ん、トシのことがね、とっても好きだって」

…俺のこと?

「うん。すごく、好きだって、喜んでる」


…ほんとに?

「うん!だからおれたちいつもトシの話するの、気が合うんだ」


腕のなかで、ヨシキがその体重を預けてきて、笑う。
ふわふわと幸せそうに。




1週間前、ヨシキは夕闇に沈み込むようにして、この同じ場所で悲しげにうずくまってた。

今、彼はデュークといっしょに、俺の話を──…してる。


俺のことが、好きだって。
気が、合うんだって。




…ヨシキ、そろそろ引き上げよう。下においで。

「うん!」


ヨシキが俺につかまって、デュークに手を振る、「またね」って。



「トシ!ヨーグルト食べたい」

…うん。あるよ。いろんなジャムも。


ヨシキの着てるものをきちんと直して、笑顔を交わして。



───もしあのとき…小さな柴犬を飼っていたら、俺はこんなにヨシキにやさしく、あたたかく、してやれたろうか。



できなかったと、思う。


同じデュークでも、神様はやっぱり、白いハートのデュークを、俺たちにくれたのだ。
俺は都合よく、勝手に解釈して自分に言い聞かせている。



ヨシキを抱き寄せて、口づける。
愛の衝動を、抑え切れない。


…ヨーグルトの前に俺を食べて。

「んふ…トシ、変なの///」


変だって言いながら、ヨシキはこの頃、脳みそが溶けてしまいそうな甘いキスをくれる。





デューク。
おまえのせい?
ヨシキの機嫌がいいのは、おまえとヨシキが話すから?





疑問。
なんで俺は、真っ白なハートのデュークに、嫉妬できないのだろう?









───永遠に、このキスが続いたら、いいのに。














《END》

お疲れさまでした~🙌
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ありがとうございました🌸

夢想と薔薇の日々<ミス・ユー ~あなたが恋しくて~>ステップ4

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

いきなりだけど。
男同士が普通するセックスは、正確には肛門性交とかアナルセックスとかって言う。


あそこ、、、肛門っていうかアナルを舐めてもらってるときの気分って言ったら。
自分が獣になってる感じ。


「あ…ッ、ん、キモチい、、」

「んぁ~……っ、あ、、あ、、、」

…ヨシキ?

「ん、……な…に、、、!」

…感じてる?

「…ぁん…、ああっ、、、うん、うん。。」


すごい繊細なところでしょ、だからトシが訊くまでもなく、感じるのは当然なんだけど。
始まると、恥も外聞もなくなっちゃうんだよね。
もっと舐めてほしいよ~♥️って、必死でトシにお尻を突き出す。
もう全身ビクビクビクッてなって・・・あとはすべて本能に委ねるだけ。

トシがね、舐めながら呼びかけてくれるの。
やさしいんだよね。
でもまともに答えられないんだ、おれ。


…ヨシキ。。愛してるよ。。。

…可愛い、大好き。

…ヨシキ…?気持ちいい?


聞こえてはいても、答える声が全部、さっきみたいな“恥ずかしい喘ぎ声”になっちゃう。



肛門からの刺激ってね、下半身全体に伝わる。
腿とか腰とか、お腹とか、背中とか、一斉にゾクゾクするの。
またさ、そういう腰やらお腹やらをトシが抱いたり撫でたりしてくるから、よけい。
ほんのたま~におちんちんも触ってくれるけど、おれのことイカせたくないからほぼお預け。

おれは必死で自分の腕に顔埋めて、指とか爪噛んで。
それでもがまんできないから、やっぱり声出しちゃう。


「ぁああ~っ…ああん……はぁ、あ…んっ……」


ぴちゃぴちゃ舐めるトシの音もやらしいけど、おれ、自分の声も相当やらしいよな~って思う。


でもね、あのね、人間も、動物だとか獣なんだって割り切っちゃったらいいんだ。
極限まで、欲求に正直になればいい。

おれがどこそこをどうしてもらったらすごいキモチいいんだ、ってことがトシに伝われば、トシはそれに応えてくれる。
てゆうか、くやしいけど、おれの体が呆れるほど素直に反応しちゃうから、トシはすぐにわかるみたい。
他の場所と同んなじようにね。


昔は、そういうこと、つまり舐められること自体がとっても恥ずかしかった。
初めてのときは真剣にビビったし。

けどね。
それが別に単なるやらしいことなんじゃなくて、トシがおれを愛してくれてる証拠なんだってわかったときね。
なんてゆ~のかな……おれ、すごいすごいうれしかったの。

トシはおれのことが大事で、おれに嫌われたくなくて、だから舐めたいって言い出せなかったんだって。
それ聞いたとき、思わず泣いたよ。
どうしてもっと早く、トシの想いに気付いてあげれなかったんだろうって、悔やんだし。

───と、まあ、美談みたく語っちゃったけど、実際にヤってるところはスゴいです、えへ。
他のヤツには絶対見せたくないよ、おれのこんなとこ!

トシは『ヨシキ綺麗…』『綺麗だよ』っていつも言うけど、お尻舐められて、身をよじりながら叫んでる男なんて、よそから見たらやっぱりちょっと変態だよ~って思うもん/////

トシが満足で、おれのこと褒めてくれて、おれも満足なら、ふたりの間はそれはそれでいいんだけどね!

うん。いいの♥️







…挿入れるよ?


トシが言った。
おれは枕に顔を突っ込んだまま答えた。


「うん。」


おれももう、ものすごい、欲しかったし。

すぐに、トシのちんちんがお尻に触れて、穴にあてがわれた。
硬くて、驚くくらい、熱い。

ドクン、ドクン、って言いながら、トシの亀頭がおれの躯にめり込んでくる。


この瞬間だけは、いつまで経っても慣れない。
頭から血の気が引いて、貧血起こす。


「あ…ッ」

…ヨシキ力抜いて。

「ん、んん…っ!」


力抜かなきゃ、トシのこと受け容れなきゃ、って思うのに、体は逆に緊張して、引き締まっちゃうんだよね。


…平気?大丈夫?もっと奥、入るよ?


耳がツーンとして、声が遠くに聞こえる。


「うん、、だ、いじょ…ぶ」


おれは必死で答える。


…大丈夫だね?

「あ……っ待って!」

…どした?

「やっぱトシ、前がいい!後ろじゃなくて…」


おれね、どっちかってゆうと、バックでファックされるより、前から抱きしめられながらする方が好きなの。
いろんなヤり方あるし、試したりもするけど、結局正常位がいちばん満足できる気がする。

でも、おれの好みだって知ってるのに、その日のトシは妥協しなかった。


…今日はバックだよ、ヨシキ。

「えええ」


おれはうろたえた。


…うまくやるから。言うこと聞いて。

「う…ん。。。はい、わか、、、った。。。」


ど~しよ、と思ったけど、従った。
どうしてか、わかる?
それはね。

トシは───、おれよりおれの体を知ってる、って思うから。

たとえば。
おれはおれの肛門なんて、見たことないし。
(見ようとも思わないけど。)
トシがおれのアナル綺麗だっていう意味だって、ちっともわかんないもんね。


背中のどこにどんなキズがあるか。
お尻にいくつほくろがあるか。
そしてモチロン、おれの体内、どこが感じやすいか。
トシは、みんなみんな、知ってる。

例をあげればそんなようなこと。
小さいけどでっかい問題なんだよ!

だから。
セックスのことでの最終決断では、おれはトシの言うなりになってる。

それで、いいんだ。
たいがいトシは間違わないもん。


「トシ、いいよぅ、、、挿入れて、、早くぅ」


力を抜くのがちゃんとできて、トシを迎え容れる準備が整った!
そう思ったのに、トシはもう一度あそこをチュパュチュパ吸って、最後に中に唾をたっぷり入れてきた。


「んん~、、、

…ヨシキ、オーケー?

「うん…ってばぁ、、、」


たぶん今度は貧血も起こさないと思う。
トシが改めて、おちんちんでおれの入り口をからかってきた。
もう、待てないよ。


…いい?

「いいよ!」

…はい。


トシが片手で、おれのお尻をグッてつかむ。
それと同時に、もう一方の手でおちんちんを中に食い込ませてきた。


「ん…っ!ああ………っっ!!」


やっぱり、すごく硬くて熱くて、そんで太い。

体の中にトシが入るとさ、わかるんだよね。
存在感が、半端ナイんだもん。

すごい大事なもの、預かった気分。

でもまだ、やっと入ってきたとこ。
トシが時間かけて、おれの中に沈み込んでくる。


…うう、気持ちーーっ!/////

「…っ、ほんと?ほんとに?」

…うん。スッゴい、いい。

「すぐ動いて、だいじょぶだよ…?」


ちょっと無理してリップサービスしちゃったら、トシにはバレバレだった。


…ヨシキは最初ゆっくりの方がいいでしょ。

返事に詰まって、う~~🌀🌀🌀ってなってたら、トシがおれを気遣って、ホントにゆっっっくり動き出してくれた。


「ん~…っ、、・・・トシ、スキだよぉ」

…も、入り口、ゆるゆる(笑)。

「トシのせいじゃん、、」

…そうですけどね。


“ユックリの時間”って、入ってきてくれるときも気持ちいいんだけど、抜けそうになるまで退いてくれるときがたまんないの。


「んん…ッ、あ。。あ~っ!」

…いい声(笑)。


笑い事じゃないって。
また、気が遠くなりそう。
永遠にこの時間が続いたら……って思うこともある。


「ねぇ、中は?締まってる……?


自信がないわけじゃないけど、確認のつもりで訊く。


…うん、もちろん。狭っ!(笑)


よかった~、トシも心地いいんだね。
泣きそう。
泣いても意味ないけど。

おれね、トシがつまんない思いするのは、絶対やだから。


「トシ」

…ん?

「トシ…っ?」

…何?痛い?

「違…っ、違うよ!…トシ」

…はいはい、ちゃんとヨシキの中にいるよ(笑)。

「うん、いるよね、いるよね…?おれたちさ。。繋がってるよね?」

…ん、繋がってるね。

「トシも、、、そう思ってる?」

…思ってるよ。ほら、究極のかたちで繋がってる。

「うん、、なら、よかった。。」


トシが背中から、できる範囲で抱いてくれる。
おれはもう、完全に涙こぼれてて、枕グショグショ。


…何泣くの。

「わかんない。いつものこと」

…まあ、そうだけど。


トシが背中をさすってくれて。


「トシが中にいてくれるの、うれしい…」

…うん。

「おれたちね、ひとつなの。。。違う。。?」

…違わないよ、……ひとつだね。


トシの顔を見なくても、『しょうがないなあ、ヨシキは』って微笑ってるのがわかった。
おれ、毎回同じこと言っちゃうから。

最高にあったかくて、最高に、しあわせ────。







こうして、おれたちの肉体は結ばれた。










《ステップ4 END》

終わらね〰️〰️❗🤣🤣🤣💦💦
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何位だーーーーーっ❗❗❗

夢想と薔薇の日々<真夏の果実>

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

 
アホなのかな。
真っ昼間から、彼氏と交わったり、してる。

後ろ──下半身にのしかかるトシの重みは、鈍いんだか鋭いんだか区別できない痛みといっしょに、さっきからおれの体を何度も深く突き刺してた。

もう慣れっこな感覚。
いつもの。

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