Ciao! (=´ー`)ノ⌒♪私自身あるいは困難な存在

■TMNETWORKとXJAPANが日々の糧εεε=(*ノ▽ノ)な佐野瑞希です、こんにちは。■音楽と、広範囲な意味での文学について綴っています。■現在は、一連の創作シリーズ『夢想と薔薇の日々』の更新がメインになっています。「おもしろかったー!」と思っていただける一日があれば幸いです。  ───遠い記憶をたぐり寄せると、どこまで遡っても自分の感性や思考のしかたが変わっていないなあと感じざるを得ない今日この頃。春、桜舞い散る日に。(2015.04.12改稿)

リバイバル

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『夢想と薔薇の日々』<TRANSPACIFIC C.LOVE.R>リライト後コメント

『夢想と薔薇の日々(Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

突然のリバイバル、ではなくて、リライトとなりました。
長い長いお話を読んでくださって、ありがとうございました。

そう、長いのね、ムダに長いのね😅
ちゃんと読むと飽きますよね💧


えっと、どうしてこの話を載せようと思ったかというと。

ある、大事なかたから初めてお手紙💌をいただいたのがキッカケです。
四つ葉のクローバー🍀の絵があしらわれているデザインのレターセットで、そこからいろいろと四つ葉のクローバーの話題になりました。
わたしも昔、クローバーに凝ったことがあったので。


「DRRにも四つ葉のクローバー🍀が出てきましたね」ってそのかたが言うんです。
でも、そのときわたしは全く思い当たらなかった。
「えっ?DRRに四つ葉のクローバー出てきた???」って。
よくよく考えてみたら、このお話だったのです。


でもね💦💦
思い出っていうのは常に美化されて残るもので。

この<TRANSPACIFIC C.LOVE.R>って、わたしの中では結構な分起点というか何というか。
ヨシキのした決意が、さらっと明かされる話じゃないですか。
なので、一応、頭の中では大事な位置を占めていたんですけど。


あらためて読んでみたら、ひどかった😂💦
ここまで稚拙だったか、と思いました!
ひとつの文とかセリフが、長すぎるとか、そういう問題もありました。
スマホで読む話じゃない!
レイアウトにしても。

なので、仕方なく、必要最小限の範囲で手を加える運びとなりました。
セリフの中身や間合い、接続詞など、語句も微妙に変えてます。

それでも見苦しい点あるかと思いますが、これ以上やってしまうと、やっぱり原型をとどめないというのはマズイので。
書いたときの技量なり、センスなりを、なるべく残す形で収めました。


ということで、本当はクローバー🍀の写真も変えたかったけど😂
あれよりいい写真がいまだにないんです💧💧

まぁ、人生なんてこんなものよねꉂꉂ(ˊᗜˋ*)笑

書いたときの自分の感覚を、懐かしく恥ずかしく、思い出した原稿でした。

どうもありがとうございましたm__m



佐野瑞希o




一票お願いします*:🌹🌹:*




『夢想と薔薇の日々』リライト!<THE TRANSPACIFIC C.LOVE.R>

『夢想と薔薇の日々(Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

脱衣室で、俺はヨシキを待ち構えていた。
シャワーを浴びて出てきた彼を、洗いたての大きいバスタオルでバサッと頭から包む。


「ぎゃ~ッ!」

… あはは、ビックリした?笑ʬʬ

「や~ん、前が見えないよ~!ちょっとぉ!これ取ってよ~!」 

…今日洗ったから気持ちがいいだろー。

「う、…ん、お日さまのにおいして気持ちいいけどぉ。けど動けないってぇ~!」


こういういたずらは大好きだ。
バスタオルの上からヨシキをぎゅーっと抱きしめてる。


「と~し~、おれびしょ濡れなんだけどぉ…ほんとに動けないよ~~~💨」


俺はひとりで楽しんでたけど、いい加減かわいそうになって、かぶせたバスタオルを取ってやった。
それから小さくごめんねって言って、ザッと彼の全身を拭く。


「ありが…と///」


恥ずかしそうに彼が呟く。


…どういたしまして。



ところが、用意していたバスローブを着せようとしたら、彼はもうご機嫌ななめになった。


「それぇ、、、もう着なきゃだめなのぉ~?」

…ダメだよ、風邪引く。

「だって暑いも~ん」

…そういうこと言ってるとまた湯冷めして体調崩すから。


不満げな彼のカオを無視して言う。


…はい、腕通して。

「んんん…」



やっと着るものを着たヨシキは、今度は彼の方からいたずらを仕掛けてきた。
俺の首に腕を回して、離さない。


「だったら抱っこちゃんして♫」

…ヨシキー、こんなところでいつまでもふざけないー。もうおしまいだよー、遊ぶのは。

「ふざけてな~い!」


何故か突然の完璧甘えっ子モード。


…しょうがないなぁ💨


まだ半分濡れた髪のヨシキを、お姫様抱っこしてそのまま寝室へ連れていく。
彼はうれしそうに足をバタつかせた。


…ほれ、つ・い・た・よー!


ベッドにそっと彼をおろした。

けれどやっぱり彼は俺の首に絡ませた腕を離そうとしない。
俺はベッドの上に屈んだまま、 何度かヨシキの名を呼んだ。


…ヨシキ、だめだよ離して。

…ヨシキ。

…ヨーシーキ!


ヨシキは何も言わない。
そのかわりに、彼は手を俺の肩まで下ろしてきて、潤んだ瞳で俺を見つめた。

肩を抱く彼の手が、ひどく熱い。
俺はすぐそこにヨシキの吐息を感じてる。


…ヨシキ、離して。


俺はもう一度言った。


「なんで」

…なんでって…そんなの理由ないよ。

「ねえ、…これ。脱いだらダメ~?」

…だめだったら。

「どうしてぇ?」

…目に毒。


肩にしがみつかれて、ヨシキの体温にぴったり触れて。
そんな状況で、俺の体が徐々にヤバい方向へ反応し始めたって、誰に責める権利があるもんか。


「おれの体、そんな自信なくないよ?💢」


ヨシキがぷくーっとふくれて言う。


…バカ!意味が反対だよ!

「んふふん/////…知ってるも~ん」


途端にそうやって笑うし。


「ねえ……じゃあ脱いでいいでしょ~?」

…だーめだって。ヨシキそれ、わざと挑発してるだろ!

「してる…かもしんなぁい♡」


こういうときの彼独特の高い声が、俺を甘い誘惑の罠にかける。

───どうしよう。何て答えればいい?


俺は迷った。

───なんでそういうカオで見つめるんだよ!もうすでに俺に勝算がないことくらいわかってるだろう!


ヨシキが、とうとう俺の髪に手を伸ばしてきた。
そして物欲しげに軽く引っ張る。


こうなったら、逃げても無駄なんだ。
いつもいつも、そうやって彼のペースに巻き込まれてしまう。


俺は彼の鼻に自分の顔がくっつきそうな距離で、念を押すように訊いた。


…キスだけじゃ、いやなの?せっかくシャワー浴びたのに。

「浴びたから準備OKなんじゃないの?♪」


そう来るか。
もういいや、言ってしまえ!


…したいの?どうしても?

「うん…!どうしても♡」

 
そんなににっこり言われるとなぁ。


…んー、…じゃあ………しよっか。

「うん、する!やった♬」 


彼は両手でピースして見せた。







.。o○.。o○.。o○.。o○







「んんっ…トシ…あッ、そこきもちいぃ…ぃ、背中」

…うん…これは?感じる?

「あぁん!やっ…はぁっんん…トシ!トシは?」

…うん…いい…よ。すっげぇいい。


何だかんだ言ったって、始めてしまえばお互い乗り気になるもので。
やさしくやさしく、ふたりで舐めたり噛んだり…愛撫を続けている。

完全に、お互いがお互いを求めてた。



体じゅうがキスと愛撫でいっぱいになった頃、駄々っ子が要求しだした。


「も、ねぇ、、トシ…欲しいよ…」

…欲しいって…何を。

「いやぁぁあんいじわる~、わかってるでしょぉ」

…わかんないよ。

「自分だってそうなくせに…ズルいよう……いじわるはナシぃ~」

…だぁって。言っとくけど今挿入れたらすぐ終わっちゃうよ?待って。もうちょっと我慢して。

「やぁだぁ~カラダが熱いよ…がまんなんかできないもぉ~ん」

…もうほんのちょっと!今挿入れたらヨシキのカラダもったいない。

「 いいの~!いいから挿入れてよぉぉぉぉ!」


ヨシキがまた『どうしても』とせがむので、俺はあきらめて、ベッドの脇からワセリンのビンを取り出して準備を始めた。

指でとって少し温めて、そっと彼の局部とその周りに塗ってゆく。
こっちに向けられたヨシキの丸々してかわいいお尻と“そこ”が、荒い呼吸と一緒にヒクヒク、って動いてる。

ダメだ、クラクラする。

色っぽくてエロくてたまんない。
もう俺がどうしようもない。


「んん!」「いやぁん」「あんっ!」


ヨシキはいちいち勝手に騒がしい。

まだまだ、“準備中”だぞ。
そんな声出すと、こっちだって盛り上がっちゃうじゃないか。
いつものことだけど、きちんと塗っておかないと挿入れたときに痛いのはキミなんだから。


塗り終わったら、いよいよ、中指から1本ずつ局部に入れてく。


…慣らすよ?指入れる、痛かったら言って?

「はぁ…うん…」


大切なキミだから、ゆっくり、慎重にね。
ヨシキは相変わらず喘いだりわめいたりしてる。


…ヨシキ?痛い?

「ううん、やんっ…き、きもちいい///もっと…し…て…」


彼を喜ばせているあいだ、俺は漠然とあることを考えていた。


…ねえ、ヨシキ?

「な、なに~?…んん~~/////」

…あのさ、いつもっていうか、前からずーっと思ってることなんだけど。訊いていい?

「あ、はい…?なに…はぁっ…ヘンな…質問?」

…いやぁ別にヘンって言うか…あのさ、ヨシキさ、こんなところで…。


言いかけたときだった。


「ああ~~、もうトシ!指何本使ってんのぉ~っ?」

…何本って、…え、今3本…。

「やぁだぁ!もう…ゆ、び、いらなぁ…い!」

「トシ!もっと奥、奥だよう!」

「トシ~トシ!…ホンモノのナマ、トシのおXんちXが欲しいのぉ~~~っっ!!」


あーあーあーあー、仔猫ちゃんが爆発しちゃった。
完全に“突発性発情期”に入ってる。


話の途中だったけど、そういう俺も体じゅうビンビン来ちゃってて、そろそろ挿入れたいかも。
俺は、『くっそ!もうどうにでもなれ!』と、ヒタヒタに緩くなってきているヨシキのそこに、勢いよく身を沈めた。


「ああ──!トシ──────!!!」

…うん、…ヨシキ?入っ…たよ。わか…る?

「いやん、うん、わ、かるぅ…すご、い…い……ん…おれの中さ、…ねえ…いい…?///////」

…ん、メチャクチャいいよ、…安心して。


俺は彼を抱きしめながら、喘ぐヨシキを、やっぱ最高だな、なんて思ったりして。


「トシもっと、、、奥、、奥だったらぁっ!」

…ん、かなり…入れてるよ?ほら、ここ気持ちいいでしょ?

「いやぁぁんもうトシ~~~はぁっ感じる、死んじゃう~!」

…もっと動くけど…大丈夫?続けられる?

「う…ん……早くぅ!」


「はぁ…はぁ…トシ好きぃ…好きってばあ~…」

…俺もヨシキ…好きだよ。…愛してる…誰、よりも…愛…してる。


…あー!ヨシキ、だめだよそんな…ひざ、閉じないで!

「ん…っ」

…ヨシキ聞いて。もっと力、抜くの、脚開いて…くんないと…ね…俺が…早くイッちゃうから…あっ…!ほらぁ!脚閉じないでって! 

「だって…だってキモ…チいいんだ…もん…はぁっんっああ!ホントに死んじゃうよぉぉぉ!」


少しだけ久しぶりの情事は、やけに長く続いたような気がした。




『死んじゃう』を連発していたヨシキは、3ラウンド目で気を失った。
俺はそのときまだイッてなかったのに。
自分で処理してるかわいそうな俺、、、まったく。







.。o○.。o○.。o○.。o○







金髪が寝乱れて、美しく艶めかしい姿のヨシキを、俺は1時間ほどただただぼんやりと眺めていた。
不思議と、彼を見ているのは飽きない。


その堕天使(ヨシキ)が意識を取り戻したのは、日付が変わってからのことだった。 


「…ん……トシどこ…」

…ここだよ。こっち。


宙に伸ばされたヨシキの手を、そっと取って握ってやる。


「んん…あれぇ……ねぇトシ?おれ、天国に行ってたよ…」


寝ぼけた発言がおかしくて、俺は笑ってしまった。


…まだ天国に行くのは早いよヨシキ。俺といたの。…よかった?おぼえてない?

「……う~ん、ああ、そっか~思い出したかも…トシはぁ…ねえホントにすごいねぇ~…」


どういう意味だそれ…?
SEXのテクニックがすごいってこと?

しばらく考えたけど、隣でまだむにゃむにゃ言ってるヨシキの、今の『すごい』にはあんまり深い意味はなさそうだと思って、俺は聞き流すことにした。 

彼の首筋を指で上へなぞってもう一度上から体じゅう抱きしめて、名前を呼ぶ。


…ヨシキ?

「ん~…」

…あのさ。


今度はタイミングをつかんだと思ったのに、さっき途中でやめた話は、またも堕天使に遮られた。


「ねぇ~キス、してぇ?」

…え、キス?…うーん、ちょっとだけだよ?


乗っちゃう俺も俺だけど、ヨシキはキスが大好きだから仕方ない。


「う…んん」

…もういい?

「んん…足りないけどぉぉ」

…もうカンベンしてよ。


…あのね、ヨシキ。ひとつどうしてもね、ヨシキに訊きたいことが…あるんだよ。まじめな質問。

「なあにぃ?」


ヨシキは俺の髪で遊びながら、かわいらしく返事をした。
やっと聞く気になったか。

俺は彼の体を抱いたままで続けた。


…ヨシキってさ。

「うん?」

…こんなところに来ちゃって…後悔することないの?

「こんなところぉ?・・ってここの家~?」

…うん。


「ないよ??」 


彼はあっけらかんと答えた。


…だって。“向こう”じゃけっこうな生活してたんだろ?そういう世界はどうなっちゃったわけ?

「へ?・・・あは、そ~んなのぉ!」



ヨシキはそこで一旦区切って、俺の頭を抱えて胸元に引き寄せた。
そして、くしゃくしゃっと笑って続けた。



「そんなのはぁ~、み~んな太平洋にばらまいて捨ててきた!!」

…太平洋?????

「うん!だってさ~?トシとこうゆうことできる方が何億倍もしあわせだもん!」


こ、こうゆうこと、って。


「あのね?じゃあ聞いて。」

…うん。聴いてるよ。


ヨシキはまだ俺の髪で遊んでる。


「あのね、おれね~。ここに来てぇ~、トシと暮らしてるでしょう?」

…うん。

「そんでさぁ~、んと。トシ信じるか、わかんないけどぉ。おれ生まれて初めて、四つ葉のクローバーね、みつけたんだよ」


…は?四つ葉のクローバー???


「うん!ずっとずっとさぁ、ず~っと、さがしてたのにみつかんなくって…ホントちっちゃな頃から必死だったのに…」

…??

「でもこうやってね、やっと、トシといっしょに生きれて、そんでやっと、みつかったの。四つ葉のクローバー!だから、おれしあわせ……にゃはははは…」


ふにゃふにゃの笑顔は、今にも泣き出しそうだった。





───四つ葉のクローバー、って。






「ねね、もっかいチュ~して?」

…え、…うん。


俺は黙って彼に口づけた。
───こうやって、伝わっていくんだろうか、俺の、気持ちも。



太平洋の向こうの生活より、俺との“ごくごく普通”の生活を『しあわせ』だと言ってくれたヨシキ。
そんな彼に、俺は一言も返せなかった。







それから。
365日の中でいちばん短い夜を、俺とヨシキはとてもエロティックに、ロマンティックに過ごした。

キスして抱き合ってやさしい会話をして、また、キスして抱き合って────。


自分が相手に溶け込んでしまわないのが不思議なくらい、ふたりのあいだに愛があふれて、そしてこぼれ落ちていた。









*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:









もし、ヨシキがここへ来て。



生まれて初めて

四つ葉のクローバーをみつけたのならば。



それはヨシキだけじゃない。



今、こうして彼を抱きしめている

俺も、きっと、そうなんだ──────。



 
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《END》

どうもありがとうございました💜
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【突発】なんかね、いまね。

『夢想と薔薇の日々(Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

なぁ〜んかさ〜。
楽しいお話書けないかと考えてる。


今朝たまたま「月別カテゴリアーカイブ」で“最終回”2話を読んじゃったのよ。
<遙か遠くエデンを離れて>の2話を。

自分で書いといて、読んだらどん底に落とされた(バカ💧)。
だからなんとか盛り上がってリベンジできないかと。


だって、夏じゃん!🏝
梅雨明けしたじゃん!🌞✨
少しはハジケたいよね!!🌊⛵


<日々徒然>とはまた毛色の違う────、転がってないかなぁ〜ハッピーなお話💦
落ちてないかなぁ〜降ってこないかなぁ〜拾いたい拾いたい拾いたい……😓だめか。

あ〜〜才能ある人が羨ましい😵‍💫


でも最近少しは、ヨシキの精神年齢設定が自分の中で上がってきてるように思う。
よきよき。

トシは昔よりソフトにはなったけど、あくまでも大人カッコいいイケメンを目指してます!


· · • • • ✤ • • • · ·



ん?
夏至のお話がどうなったかって?

お嬢さん、それは訊いちゃいけないヤクソクだよ!😫💨
(はい、全然書けてません。)


· · • • • ✤ • • • · ·



そういえば昨日もツイートしたけど、みんな「『夢想と薔薇の日々』リバイバル!」を活用してくださってないでしょ〜!💦

けっこう多岐にわたってリバイバルしてるので、よかったら目を通してみてくださいな😉💕
<Love so sweet>ももちろんあるょ!



あ、それとねっ♬
ブログランキングぽちの、新しいバナーを作ってるんだ。
いくつか作らせていただくかもしれないので、ポチッとしながら楽しんでください。

今日のは第1弾だょ!
よろしくお願いします♡


ではお話を求めて、あてもなく旅に出てきまーす(^^)/~~~


佐野瑞希o


ぽちっとぽちっとぽちっとぽちっとぽちっと




『夢想と薔薇の日々』リバイバル!<・*・TABOO・*・時々・*・蜂蜜檸檬・*・>総集編

久々に『夢想と薔薇の日々』リバイバル!の時間でぇす٩(๑´罒`๑)۶

この連載、わたし的には“フタ”をしてたんです。
振り返りたくなかったの。
でも、なんか知らんけど頻繁に人気記事にランクインするので、かなりの勇気を出して「総集編」に踏み切った次第です。

後記は、当時のものと、今改めてのものと、ふたつまとめて後ほど載せますね。
まずはとにかく、本編をどうぞ🔜



<・*・TABOO・*・時々・*・蜂蜜檸檬・*・>
−総集編−

『夢想と薔薇の日々(Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

<・*・TABOO・*・時々・*・蜂蜜檸檬・*・>

何かの気配で目が覚めた。


ヨシキだ。

向こう側に腰かけて、声を押し殺してはいるけど、泣いているのに間違いはなかった。

そっと呼んでみる。


…ヨシキ?どうした?


彼が驚いて体をビクッと震わせたのがわかった。
それから彼は背中を見せたまま答えた。


「ごめ…なん…でもな…」


───何でもないのに夜中に独りで泣くかよ。

声や鼻のすすり方から察して、もうかなり長く泣いたあとで。


…ヨシキ、何だかわかんないけど…おいで。

「だいじょ…ぶ、ほんと、なんも…ない…」


ヨシキの隣に座って、無意識に彼の背中を抱いた瞬間だった。
ヨシキが俺の腕を跳ね退けた。


「だめっ、触んないで!」

…え?


俺の方が動揺する。


「だめなんだ。おれもう、 けが れてるからだめなの!…だから触んないで…トシまで…汚したくない」

…汚れてるって。どうゆう意味?


ヨシキが「そんなん喋りたくないよ」って言うから。
俺には何もできないことなの?って聞いた。


「できない。別れるしかない。もう一生トシに会えないとこに行く」

…ヨシキ。


話がちっとも飲み込めなかった。


「それか、もしほんとにおれのこと大切なら…トシ、おれのこと殺してよ。もうそれしか手がないよ」


俺は黙って聞いているしかなかった。
だって。
余りに非現実的なことばっかりじゃん。
別れるとか殺せとか…。

頭の中がクラッシュしそう。


俺は小さく咳ばらいをしてからヨシキに尋ねた。


…ヨシキ。ひょっとして…今、俺といるのつらい?


震える声でヨシキが言った。


「つら…い…死にたい。でも…いちばん、ほんとは、トシと一緒に、死にたい…」


俺は茫然とした。


…それでも理由は話せないの?

「だってそれ話したらおれ全部終わりだもん。自滅。それだったら、トシが好きなヨシキのままで別れたい…から」


ちょっとムッと来て、俺は語気を強めてヨシキを遮る。


…別れる別れるって言うけど。別れないよ、俺は。

「だって嫌いになるもん絶対。ここに来てからの…いちばんの約束事を、おれ破ったんだ。だから…もうトシといる資格ない、トシのこと好きでいる資格ない」

…うーん。


考えあぐねていた。どうしたものか。

ひとつ気にかかったことがあった。
ヨシキの声が、ときどき掠れるのだ。
喋りづらそうだな。
かわいそうに、いっぱい泣いたんだろう。

俺は、ヨシキにちょっと待ってねと言い残して階段を降りた。
体には一切触れないように。



台所でお湯を沸かし、レモンとはちみつを用意して、飲むはちみつレモンをつくった。
ヨシキのマグカップさえもがこんなに愛しいのに、別れるなんて嘘だろ…。



二階の寝室に行くと、ヨシキはまだすすり泣いていた。


…ヨシキ、これ飲みな?最後の命令になるかもだよ。


ヨシキは、マグカップを震える手で受け取って少し口を付けると、「熱い…」って言った。

俺はベッドの、ヨシキからやや離れたところに腰掛けて、キッチンで思い浮かんだ条件を、ヨシキに伝えることにした。


…ヨシキ、もしヨシキが泣いてる事情を話してくれるなら、さよならはしない。絶対に。

…けど本っっ当に話す気がないんだったら、ここを出ていけ。俺に本当のことを話せない人間とは、一緒に暮らせないから。



長い沈黙のあと、ヨシキが口を開いた。


「…わかった…うん…わかった……トシ、あのね…聞いてくれるの…?」


そのワンフレーズだけで、ヨシキの目から大粒の涙がぽたぽた流れ落ちた。


…聞くよ、時間はあるし。他に相手が誰かいるわけじゃなし。

「うん。あのさ。」


「ここに来て、それから、しばらくあって…気持ち伝え合ったあと、そのとき、かな、トシが仕事の話して。…言ったじゃん?仕事は仕事だから、どんなことがあっても割り切って考えろって…」

…うん、言ったね。ヨシキよく頑張ってるなと思うよ。

「あはは。やっぱりおれ、ばか。その…頑張らなきゃいけないことがね、…できなくなっちゃった。…今日…新宿行ってて…」

…新宿?

「うん。で、広告塔にバーンて、トシの、……キスシーンが出てて。トシがさ、かーっこいいんだよね、ふふ、くやしい。今まではどんな女と一緒のポスターだろうと雑誌だろうと、どうにか我慢できたんだけど」


そういう話か。やっと少し飲み込めたかも。


「その女に…おれ嫉妬しまくっちゃって。もう何が何だかわかんなくなって。帰りの中央線に、飛び込むことまで考えたんだけど…トシの『割り切れ』がずーっとずーっと頭にあって…飛び込めないまんま…帰ってきた。」

「ね、おれ、ばかじゃんね?マジで…墓穴掘ってるよね。なんかすんごい惨めじゃね?手も足も出ないっつーか、ただの頭の悪い女みてぇ」


ヨシキは肩で息をしていた。


…ヨシキ。


ヨシキの話は続いた。


「そういう気持ちを持っちゃうのって…トシの信頼を裏切ってるでしょ。あんなに自分で誓ったのに。情けなくて自分が嫌いで」

「……だから、もうトシのそばにいれないよ…ごめんなさい。割り切れって言われてもあんなの…おれ無理だから…、だから、こんな心狭いヤツに触らないで。トシまで汚したくない」


そう言うと、ヨシキはまた激しく泣いた。

どうしたらいいのか、途方に暮れた。ヨシキが見たのがどのパネルかは見当がついたけど、もうそのキスシーンを撮った相手の名前も、顔すら忘れていたし。

───嫉妬…ジェラシー…か。


…ヨシキ。悪いのはヨシキじゃないよ…ヨシキが汚れてるなんて考える必要もない。確かにあれに嫉妬されても困る、ほんとに困るんだ。ああいうのって仕事、っていう感覚しかないんだよ。

「だから!だからこそじゃん。仕事って約束してるのに、承知してるのに、妬くのがもう失格なんじゃん。一目見ただけであの女、ぶっ殺したくなったよ!」

…ヨシキ、それは。それは普通だよ。少しも汚れてなんかない…今までが頑張りすぎだったんだよ。

「けど約束は約束でしょ、それ破ったんだよ」

…ねえヨシキ。もうわかったから…抱っこしていい?ヨシキに触れたくてどうしようもない。

「だめだったら!ふたり揃って地獄行きなんて冗談じゃない」


俺は一呼吸置いて、ゆっくり話した。自信は、なかったけれど。


…ヨシキ。もし俺がヨシキに手を差し延べるだけ、ヨシキを抱きとめるだけで、ふたりとも地獄に堕ちるなら、俺、それは本望だよ。天国だろうと地獄だろうと、ヨシキがいる場所が俺の場所。ヨシキのために俺は生きてるんだし、ヨシキがいるから俺も生きてられる。ヨシキがいなかったら…世界の何もかも、全てが無意味。だから。別れるとか、死ぬとか…言わないで。この場所で一緒に…生きていってほしい。


これが、言えたことの全部で。





マグカップを両手で抱えてじーっと黙って聞いていたヨシキが、しばらくして空を仰ぐと、ぽつーんと言った。


「…トシ…それ、殺し文句じゃん」


それから


「ほんと、おれ不様…あはは、ばっかみたい。」


って言って自嘲気味に笑った。


「トシ、おれそれ、本気にしちゃうかもよ。自惚れやさんだから」


ヨシキのバカ。
ほんっとーに、バーカ。


…していーんだよ。していいの、本気で言ってるんだから。

「…まさかでしょ」

…まさかじゃないよ。本当だよ。俺の、素直な気持ち。

「ほんとにおれのこと汚れてるって思わないの?」

…思うわけないじゃんよ、変なヨシキ。




隣に座り直して。
ヨシキを、静かに抱き寄せる。
ヨシキはおどおどしながら寄り添ってきたけど、すぐに全身を預けてくれた。
そして腕の中でまた少しだけ、泣いた。





ああ。
なんだか、一山、超えられたのかなぁって気がした。

体のラインを確かめるみたいに、ヨシキの体をずーっと撫でていた。
バスローブを通して伝わってくる、優しい、体温。
すごく、懐かしい。


…ヨシキ?汚れてる汚れてるって言うけど、そんなこと絶対ないんだから。嫉妬なんて誰だってするもんだし。あれは仕事だから…そりゃヨシキには悪いと思うよ?ヨシキには見せたくないなぁって思うよ?でも仕方ないよなぁっていうのもある。どうしたらいいんだろうね?俺もわかんなくなった。仕事、やめよっかな。

「ううん!そんなのだめだよ!!おれ…ごめん。今日はちょっと…ショックすぎて…なんかおかしくなっちゃった」

…うん、そうだね。でも気持ちは…わかるよ。わかるから。もう、心配すんな。それよりヨシキさ。気になってるんだけど、ノド。やられてるみたいだからはちみつ、あったかいうちに飲みなよ。

「あ…ごめん!え、それ、命令なんだっけ」

…まあ、そう、命令(笑)。


「そうなんだ」ってふたり初めて、微笑い合って。俺は安心でほっとしてドキドキして、泣きそうだった。



半分くらい飲んでからだろうか。


「とし~、このはちみつレモンすっぱいよ…」


ヨシキがさっきより少しだけ明るい声で訴えてきて。


…マジで?レモン入れすぎかなあ。


って、そんなヨシキにさえ喜びを感じてしまう俺がいて。


「ん〜ん、いい。おいし」

…これがホントの“初恋の味”だぜぇ。

「そ〜なのぉ…?これぇ?ふふ/////」

…やっばりヨシキは笑ってるときのがかわいーよ。


ヨシキの額を小突く。



…ヨシキ、またさー、今日みたいなことがあったら、だけど。中央線に飛び込む前に、だぞ!このはちみつレモン思い出すの。いい?んで『初恋は叶った』『初恋は叶った』『初恋は叶った』って3回言ってみ。ヨシキこの前言ってたじゃん、『初恋は叶わないっていうの嘘だってわかった』って。俺もそうなんだからさ。

…だからね、そしたら…俺が世界で誰よりも愛してるのはヨシキだって、必ず思い出せるよ。

「…う、うん…うん…わかった、やってみる/////」


ヨシキは大真面目に答えて、すっぱい(らしい)はちみつレモンを、俺の腕のなかで一生懸命飲んでいた。


…もっと飲む?

「うん!…あ、とし、今度はもうちょっと甘くして」


申し訳なさそうに頼むヨシキが。
すごく、すごく、かわいくて。




真夜中のキッチンで。
はちみつを熱湯で溶きながら。
レモンを半分だけ搾りながら。
さまざまなことを考える。
さまざまったってヨシキのことに限られてはいるけれど。

彼に説教しながら自分でこんなことを言うのも情けないけど、俺は祈るような気持ちでいた。
ヨシキがこれから先、このはちみつレモンを思い出す必要なんて、当分ないように、って。
今日この夜更けに話した事ごとが、俺とヨシキの…ふたりの絆をずっとずっと強くしたって思いたかった。


再び、トレーにはちみつレモンをのせて階段を登る。


…できたよ、レモン少なめ、はちみつたっぷりだよ。

「わぁ~、ありがとう」

…熱いから、気をつけて。


ヨシキはカップにそっと口を付けて、今度も小さい声で「熱い…」って言った。


…ふふ、ゆっくり飲みな。

「うん」

…ふうふうってしなよ?

「うん…♪」


なんかなぁ、こういうヨシキを見ているのがほんとにほんとに、自分の幸せで。







───ねえ、ヨシキ。

心のなかで話しかける。


これからもまた。
嫉妬だのジェラシーだのより、もっと困難な感情の嵐が。
いっぱいいっぱい、襲ってくるかもしれないけれど。


だいじょうぶ。
恐いことなんて、ひとつもない。
泣きたいときは声をあげて泣けばいい。
助けて、って、まず俺を呼んでよ。
キミを、俺が強く、強く、抱きしめるから。

だからあんなふうに、ひとりでさみしく泣かなくて、いいんだよ。


いつも。
いつもキミのそばに、いるよ。忘れないで。



 








END






連載を終えて Jun. 11, 2012

こんにちは。
<・*・TABOO・*・時々・*・蜂蜜檸檬・*・>が終わって、胸を撫で下ろしています…佐野です。

難産だったかと聞かれれば、そうでもない。
けど成功したかというと、これがサッパリ。

最大のミステイクは「タブー」=「嫉妬(ジェラシー)」という説明を明確にしなかった点。
ヨシキのなかで、トシの仕事に絡んでくる男や女の関係の部分に嫉妬することが、タブーだったと。
そういうことなんですけれど。

たった今理解されました…?やっぱり?(苦笑)


この物語は、実在するXの「WEEKEND」、アルバム『Jealousy』及び『ART OF LIFE』にかなりインスパイアされています。
『Jealousy』のテーマを改めて考えるうちに生まれたストーリーが<・*・TABOO・*・時々・*・蜂蜜檸檬・*・>なのです。

『夢想と薔薇の日々o』のヨシキ(≠実在のYOSHIKI兄ちゃん)っていうのは、何やってんだか不明瞭で(まあ、トシもそうだけど)、“夢の中にだけ生きて”いる存在です。
これは設定というよりはむしろ、瑞希が今まで夢想してきたヨシキ像だから仕方ない。
『夢想と薔薇の日々o』自体が、瑞希の夢想からこぼれ落ちるものをカタチにしているだけだから、敢えて新しくセッティングするのは避けています。

そんなヨシキの、トシを想う、トシに想われる、その関係性だけを主題にしたとき、自分が嫉妬の嵐の中にいるという苦しみの表現または考え得る末路として、やっぱり自然に、第1話の「もしほんとにおれのこと大切なら…トシ、おれのこと殺してよ」が出てきました。

それから、第2話かな、「死にたい。でも…いちばん、ほんとは、トシと一緒に、死にたい…」もそうですね。しごく当然というか。


なんか現在、頭を理屈が走りまくって、「究極の愛とは?」に行ってます。
このふたり(トシとヨシキ)に関しては瑞希的には答えが出ていますが。
かなり上記のヨシキの台詞に近いです。


ちょっと…もうやめます。どんどん説明的になってしまう。
ストーリーや主人公たちの感情だけ、少しでも楽しんで頂ければ何も必要ないです。


さて、スケジュールが押せ押せなので、明日も恐らくショートショートを。
予定というものが立たないので、走り切って倒れたら終わりにしようと思います。

1週間、お付き合い頂き、本当にありがとうございました
m__m


佐野瑞希o





リバイバル化にあたって Apr. 8, 2021

全7話で連載してから、もう10年近くの年月がたつことに、ただただ驚きます。
それだけ昔の話だってことにね。

恐らく、連載を終えたあとは、ほぼ見ることもなく過ごしてきたんじゃないかな。
なんかドロドロして暗い話、っていうイメージが強くあって、読み返すのイヤだったんですよね。

今読んでみて、まず「これは今は書けないな」と思いました。
いやぁ、よく書いたなって。

テーマが、どストレートに据えられてますよね〜。
青くさいんだけど、コアです。
ふたりが、一度は通り抜けなくてはならなかった主題です。
これがあったからこそ、後に、嫉妬が表面化しても大丈夫なふたりになった。

だけど、現在のわたしにはこういう形では書けないと思う。
仮に書こうとしても、もっとたぶん、回りくどく装飾的になっちゃうと思う。

今、<・*・TABOO・*・時々・*・蜂蜜檸檬・*・>を読んで、思ったほど恥ずかしくないのは、テーマがしっかり際立っていて、そこに向かって直球投げてるからじゃないかと思います。
伝えたいことが、明確にあったから。

「伝えなくてはならないことがある」というのは、すごく幸せなことだと思います。
当時の後コメントで、「難産ではなかった」と書いているけど、それも、ゴールがきっちり見えていたからだと思う。

こう書いてくると、じゃあ現在のふたりはそういう状況じゃないんだな、っていうのが見えちゃうから、それはそれでつらいんだけど(((^^;)


総じて言うと、失敗作ではなくて、それなりに力作。
青春の1ページ的な。
いまだに人気記事に上がってくる理由が、今回のリバイバルでちょっとわかったような気がしました。


惜しむらくは、会話がね。
ひとつの「」内とか、モノローグとかが、長すぎるでしょ。
最後もトシの長〜いモノローグだからね。
さすがに、エディター目線で見ると「ヘタだな!」って。・゚・(ノ∀`)・゚・。


さて、長々とお付き合いいただきましたが、そろそろ終わりにしたいと思います。

これからも、一気に読みたいときはリバイバルで、チョコっと読みしたいときはオリジナルで、楽しんでいただけたらうれしいです(◍′◡‵◍)

どうもありがとうございました。



佐野瑞希o 拝


ヨシキ!ガンバれよ〜!🌹·˖✶
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『夢想と薔薇の日々』リバイバル!<One Love>

ほんっと~に唐突ですが。

いつかはリバイバルに持ってこないとな~と思っていて、なかなかできなかった作品です。

昨夜ね、理由もなくすごく落ち込んでしまって。
でもこのお話を読んだら不思議と元気が出てきたので、ああ今がチャンスだ、と。
今回は、簡単にフォームだけ変えてお届けします。
今だったらこんな書き方はしないなと思うところも多々あるんだけどね。

だいたいトシはヨシキに何をしたんだという恐ろしい謎が(((^^;)
スルーしてください。

<One Love> 
『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。


One Love

2時ちょい前に部屋へ行ったらトシが寝てて…てか寝てるのは別に当たり前なんだけど、ベッドの…壁側に寝てて。

じゃましないように、おれは手前にすべりこんでトシの枕に頬をうずめると、不思議な気持ちで隣のトシを見てた。
そしたら、じっとしてたのにいきなりトシが目を開けた。
ビックリして、


「あ!起こしちゃって、ごめんね!」


ってあわてて言った。

トシは、


…ううん、眠ってはいなかったよ。


って、答えた。


「なんで、、トシおれんとこに寝てるの?」

…うん?…んー、ヨシキを。。。抱いてるような気に…なれる気がして。

「なんだぁそんなの~!本物がいるんだから抱けばいいじゃん?☆」


おれがちょっとうれしくてワクワクしながら言ったら、トシはさみしげに微笑って、低い声で言った。


…駄目。ひどい扱い方しちゃう。




“ひどい扱い方”って言葉に、胸がドキッとした。
トシの言ってるその意味は、想像できた。
───何度も…あったから。

でも、どうして“あれ”が必要なんだろう…。
もしかして──。


「トシ?」

…ん。

「だいじょうぶ?」


なんとなく、訊いてみた。


…何が?

「仕事で何か悩みとか、あるんじゃないの…?」


そしたらトシはこう答えた。


…それは…あると言ったらあるし。ないと言ったら、ないし。でもどっちにしたってヨシキに話すことじゃない。

「そんな…けどさ、けど、ふたりで暮らしてるんだよ?」


言葉にするのは、とっても苦手だ。
こういうのは、プロのトシにはかなわない。
それでもトシが心配だった。
絶対、なんかあるんだ。


仕事の関係で、こういう隠し方されるのは、おれすごくつらかった。
生きてる世界が全然違うからなのかなって、思っちゃうでしょ。

おれ、無意識に手を伸ばして、トシの手を握ってあげようとしたの。

でも、そのときトシが、


…触らなくていいから!


って言っておれの手をはね退けて……あ!って、思った。


「ご、ごめんなさい…っ」

…いや、ごめん。俺の方がごめんね。


こんなトシは、おれ…きらい。
こんなの…おれのトシじゃない───。


“ひどい扱い方”──、どうしよう、どうしよう、って、すごく迷った。

でもおれは言わずにいらんなかった。


「トシ…?」

…何。

「だ、いて…いい、よ?」


覚悟して言った言葉だったのに、自分でも信じられないほど弱々しい声にしかならなかった。
こわかった。


…やめとけよ。中途半端な同情されたくない。

「違うよ。同情なんかじゃないよ…トシのこと好きだから。おれができることしたいだけ。いっしょに、乗り越えていきたいだけ!」


精一杯、言ったつもりだった。


…だから。ヨシキは関係ないって言ってるだろ。

「関係ないことない。だって…だって、……」



またいつもと同んなじで、伝えたい想いはあふれるほどあるのにうまく言葉にならなくて。


天井を見上げて、トシが言った。


…だっても何も…どうなるか、あと俺責任持たないよ?

「わかってる。トシの好きなようにしてくれればおれはそれでいいよ。だから…」


こんな、傷だらけみたいなトシ、…見たくない。


「だから──、ねえもうそんな遠くにいないでそばに来てよぅ」


『ねえ』からは一気に泣き崩れてた。


…馬鹿だね、ヨシキは。

「ばかでもいいもん、好きなように抱きなよ!」


どんどん涙がこみ上げてきて、どうやっても止めらんなかった。








気付いたら、トシの熱い体温と激しい力に包まれてた。
泣いててうまく息ができなかったけど、必死でトシのキスについていこうって頑張ってた。


あとは……、もう、何がどうつらくても、絶対に「痛い」とか「いや」って言わないこと。

何されても、何をさせられても、「痛い」と「いや」のかわりに、百万回くらい「トシ」と「好き」と「愛してる」をくり返した。



全部、全部全部全部、…いやなこと全部、おれにぶつけてくれたらいい、そんで、全部、忘れてくれたらいい。

本気でそう願ってた。




おれにできたのは、それだけだった。
それでも、足りなかった。



だって…今までおれの知らないとこで頑張って、痛いのやつらいのをがまんしてきたのは、トシなんだもん───…。




...I WANNA EASE 

YOUR PAIN AND SORROW 

ETERNALLY......







.。o○.。o○.。o○.。o○







───ん…、終わった…のかな?




目が覚めたとき、自分がエクスタシーを迎えたのかどうかすらわかんなかった。

それくらい、うつぶせになってるからだじゅうがヒリヒリして痛くて、動けなかった。
あそこが…切れて出血してるのも、感じてた。


もう、トシの体温はどこにも残ってない。

だけど、トシの声が、ベッドの隅のどっかで小さく響いた。


…ごめん。


トシのその言葉に、ほんとは、笑ってあげたかったんだけど、頭を持ち上げる力がなかった。
なんとか、かすれた声をふりしぼって答えた。


「『ごめん』、じゃなくって…、、、『ありがとう』の方が、、、うれ…しい…」


そしたらトシが、ほんのちょっと間をおいて、静かに言った。


…じゃあ…『ありがと』。

「…うん……」



トシがベッドから立ち上がるのがわかって、そのあとドアがぴったり閉まった。
部屋は、おれひとりになった。





おれは……、おれの頭のなかは、もうほんとに、ひとつのことでいっぱいだった。
さっきまでとは別の涙で、胸が張り裂けそうだった。


「好き」 
「好き」
「あのひとが好き」
「あのひとを愛してる」
「愛してる」
「愛してる」
「愛してる…」


泣きながら、こんなに痛くてこんなに弱い自分がくやしくて、湿ったシーツを握りしめてた。

もっともっと、強くなりたかった。








この道がどんなに遠くても、未来がどんなに苦しくても、トシのことは必ず、おれが守ってみせるから─────。
















《END》(2013年6月11日に初掲載)
ありがとうございました(*´꒳`*)🌹·˖✶
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★『DRR』リバイバル!明日(9月13日)の予告★

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。  

リバイバルの予告なんてしたことがないんですけど、明日やるお話はわたし、ものすごく思い入れがあって原稿書いたんですよね。

ただ、公開してみたら、ちょっと自分ではコケたなと思っていて。

納得がいかないまま放置してあったんですが、この度、リバイバルコーナーを借りて「リライト」してしまったっていう。
リライトなので、マイナーなところで文章を変えてます。
これがいつものリバイバルと違うところ。

それから、後コメントも少し変えてます。
よかったら読んでみてくださいませませ♡

それでは!
明日の15:30に、ココでお待ちしています。
別れ話のきっかけのような、ちょっぴり悲しいお話ですが、どうぞよろしくお願いしますm__m


佐野瑞希o

今日もぽち!
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『夢想と薔薇の日々』リバイバル「デューク」SP! ~登場への伏線とその後のポジショニング~


おはようございます(*´ェ`*)♥️
体調が芳しくないあいだ、ゴロゴロしながらコピーして編集して……の作業をしています。
残念ながら新しい夢想は、全くできない状態なんですが、リバイバルという形で少しでもお楽しみいただけたらな~と思います。

今回は2作。
そのうち<同居人、お断り。>の方は、あとになって初めて、なぜ書かれたのかがわかるっていう構図でした。
つまり、デューク登場の伏線だったんです。

その後デュークは、事あるごとにチョコチョコ登場することになるので、<White × White St. Valentine's Day>を挟む、前後のこの2作品は、やっぱりある意味ポイント高いですね。

それでは、どうぞヾ(o´ェ`o)ノ💕



<同居人、お断り。>
『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

ここ最近、バレンタインデーの前辺りから、我が家のお姫様は近所のホームセンターに足しげく通っている。

お目当てはペットコーナーの柴犬だ。
きっとバレンタインのプレゼントさがしてほっつき歩いているうちに出会ったんだろう。



「ねえねえトシ!かわいいんだよ。飼いたい。まだこ~んなにちっちゃくてフワフワなの」

…柴は今高いんだよ…。


ことあるごとにこういう話になる。


「だからさぁ、自分のお金で買うからぁ~」

…だーめ。

「なんでぇ…?ほんとちっちゃくってすんご~いかわいいんだよお!」

…今はちっちゃくてもね、あっという間に大人になるのー。

「大人になってもあのわんこはかわいいと思うもん、飼いたいよぉ!トシが反対するのはわかるけど…」

…わかるんならやめて。

「わかるけど~っ!でも絶対迷惑かけないから!面倒も全部自分で見るよ!ねえ、いいでしょ」

…ダメったらダメなのー!

「うえ~ん、いじわるぅ~」

…なんと言われようとダメなものはダメ。やめてください!以上!


俺が席を立って、ヨシキはぷーっ、とふくれっ面になる。





───あのね、ヨシキ。

ヨシキの欲しいモノなんて、いくらでも買ってあげる。
キミが欲しいなら、全財産なくしたって手に入れてみせる。



だけどね。




ごめん、勝手だけど。
これだけは譲れない。





───俺、相手がイヌであろうとネコであろうと宇宙人であろうと、とにかく何であろうと。
死んでも俺以外のヤツに、ヨシキの愛を分けてやる気は、ないから。





夢想と薔薇の日々<同居人、お断り。>










《END》





<デューク ~その後のWhite × White St. Valentine's Day~>
『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

デュークが来てからもう1週間になる。

『デューク(公爵)』

白いハートのアンスリウムをそう呼び始めたのはヨシキで。
例の柴犬に付けたがってた名前だ。


俺としては何とも言えない微妙な心境だったのだけど、ヨシキが俺にくれたプレゼントにヨシキが付けた名前なんだから仕方がない。

それに彼はデュークをとてもかわいがってる。


あまり直接日光に当てない方がいいらしいので、二階の隅の半日陰に置いてやっているのだが、毎日ずーっと、ヨシキとデュークは話をしてるんだ。

電気カーペットからも外れたところで、ヨシキは素足にガウンやバスローブ1枚羽織っただけ。
膝をついてぺたんと座って、彼はデュークに話しかけてる。

通りかかるたびに様子は見てるけど、ときに本気で心配になって、俺はつい後ろからヨシキをそーっと抱きしめてしまう。


…ヨシキ?寒くない?

「ん?…トシ?今ね、デュークと話をしてるんだよ♪」


…デュークは…何て言ってる?

「ん、トシのことがね、とっても好きだって」

…俺のこと?

「うん。すごく、好きだって、喜んでる」


…ほんとに?

「うん!だからおれたちいつもトシの話するの、気が合うんだ」


腕のなかで、ヨシキがその体重を預けてきて、笑う。
ふわふわと幸せそうに。




1週間前、ヨシキは夕闇に沈み込むようにして、この同じ場所で悲しげにうずくまってた。

今、彼はデュークといっしょに、俺の話を──…してる。


俺のことが、好きだって。
気が、合うんだって。




…ヨシキ、そろそろ引き上げよう。下においで。

「うん!」


ヨシキが俺につかまって、デュークに手を振る、「またね」って。



「トシ!ヨーグルト食べたい」

…うん。あるよ。いろんなジャムも。


ヨシキの着てるものをきちんと直して、笑顔を交わして。



───もしあのとき…小さな柴犬を飼っていたら、俺はこんなにヨシキにやさしく、あたたかく、してやれたろうか。



できなかったと、思う。


同じデュークでも、神様はやっぱり、白いハートのデュークを、俺たちにくれたのだ。
俺は都合よく、勝手に解釈して自分に言い聞かせている。



ヨシキを抱き寄せて、口づける。
愛の衝動を、抑え切れない。


…ヨーグルトの前に俺を食べて。

「んふ…トシ、変なの///」


変だって言いながら、ヨシキはこの頃、脳みそが溶けてしまいそうな甘いキスをくれる。





デューク。
おまえのせい?
ヨシキの機嫌がいいのは、おまえとヨシキが話すから?





疑問。
なんで俺は、真っ白なハートのデュークに、嫉妬できないのだろう?









───永遠に、このキスが続いたら、いいのに。














《END》

お疲れさまでした~🙌
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ありがとうございました🌸

『夢想と薔薇の日々』リバイバル!<White × White St. Valentine's Day>

ホワイトデーも過ぎてしまいましたが、最近リクエストが多いので、このお話。
後に、ここかしこで重要な役割を果たすこととなる「デューク」が初登場するエピソードです。
デュークについては、このお話の伏線になる作品も含めて、まだ後日リバイバルします。

なんでね、今まで わたしが この話から目を背けてきたかと言うと、わたしにしてみれば これ、思い入れがありすぎて、滑った、失敗した、と思っている節があるんですよね。
いまだに恥ずかしいです。
だから、この頃になってリクエストが多いっていうのが意外で意外で。
まあ作品は独り歩きしますから、それならってことで、出しますけどね。

リバイバルも久しぶりですし、お時間ありましたらお楽しみください。
よろしくお願いします。


夢想と薔薇の日々
<White × White
St. Valentine's Day>
『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。



「今年はバラじゃないかんね♪」



数日前にヨシキが唐突に言った。


…え?何が?何の話!?

「バレンタインデーだよお~♡」



なんだ。
まだそんなこと考えてたのか。


…いいよ気にしなくて。ヨシキがいたら毎日バレンタインみたいなもん!


本気でそう返したのに、ヨシキはまるで聞こえなかったかのように、俺の曲のワンフレーズを口ずさみながらピアノの部屋へ引っ込んでしまった。

一体何を企んでいるのだろうと思いつつも、それ以上は聞かずに──…今日がまさにそのバレンタインデーで。




゜*・゜゚・*:.。..。.:*・゜



昼メシのあと、ヨシキは


「ちょっと行ってくるね!」


と言って飛び出していった。


どうせ『どこへ?』なんて聞いたって今日は無駄なんだろうなぁと思って、黙って一言で見送った。


…早く帰ってきなよ、…待ってるから。






だけど、ヨシキが玄関のチャイムを鳴らしたのはもう7時近くで、さすがに心配になって電話しようかと思っていた矢先だった。


…おかえり!どこまで行ってたの!

「うん…ただいま…」


ヨシキは、きれいにラッピングされた花屋の包みを抱えていた。

靴を脱ぎもせずに、彼はその包みを持ち上げて俺に押し付けた。


「はい…」

…あは!ありがとー!

「…ううん」


彼は俺の顔を見ることもなく、他には何も話さなかった。
そして、薄いコートを着たまま静かに二階へ上がっていってしまった。



───あれ?なんか様子が…。

気にはなった。
でも、一生懸命買ってきてくれたのだから…と、まずプレゼントを見せてもらうことにした。

ビニール袋を外すと、小さな観葉植物の鉢植えが現れて。


…わあ!これって!すごいよヨシキ!


なんとその鉢からは、真っ白いハートのかたちをした葉っぱ(花かなあ?)がたくさん伸びている。
本当の葉らしいものは別に付いているから、やっぱり花か…ガクだと思う。


下に札が差してあった。



…アンスリウム?


へぇ。聞いたことない。


───ヨシキほんとにうれしい!きれいなハートがこんなにたくさん!!



俺は階段を駆け上がった。
ヨシキに、早くお礼が言いたかった。


…ヨシキ!


最後の段を上りきって叫んだとき、俺の目に飛び込んできたのは、フロアの隅にうずくまっている彼の姿だった。


…ヨシキ…?


コートを着たきり、彼は放心したような目をしてそこにいた。


…どした、具合悪い?

「…ううん」

…疲れたんだろ。下においでよ、あったかい紅茶入れる。

「…ううん、…いいの…」


…???


訳がわからない。
なんでここまで憔悴してるんだ?
あんなに浮かれて出かけていって。
あんなに素敵な贈り物──…。


…すごいね、ヨシキ今年のプレゼントは。びっくりしたよ!


話しながら、彼の冷たい手を握る。
耳もほっぺも鼻も、ほら、とっても冷たいよ?



…何か…あった?いやな思いでもしたの?

「ん~……いやっていうんなら、…全部…いや…」


ヨシキは床を見つめて言った。


…何言ってるんだよ、わかんないよそれじゃ。

「いい加減…もううんざり…」

…どういうこと?ちゃんと話して。

…うん?ヨシキ?


「あのね」


ためらうようにヨシキが言った。


「あんなの、あげたいんじゃなかった…」


…えっ!?


ヨシキは、自分の耳元に添えられた俺の手に、甘えるようなキスをしてこう続けた。


「あれ…ほんとはね。白じゃなくて、赤なんだよ…」

「赤い…ハート型が、いっぱい…いっぱい……」


いつもだったらとっくに泣いているところだ。
彼の眼差しが揺れて、涙をこらえているのがわかる。


「すごい…いいもの、みっけたと思ったんだ…これバレンタインデーのプレゼントにしよ、って」

…うん。


「けど。なんかやっぱ人気あったみたいで…。今日、、、あっちこっち探したけど、なかったの、白しか」

「吉祥寺まで見にいったんだけど、赤は、全部…なくて……結局…そこの新晴園で…白いの、、買って、きた」

…そ…、か。


「予約とか…しとけばよかったのに…ばかだよね~おれ…」


そこで、ついに一滴の涙がヨシキの目からこぼれて、一直線に頬を伝った。


どうしたらいいのか、わからなかった。
下手に手を出したら、またヨシキを後悔させて泣かせて終わりだ。
頑張ってるのに。


ヨシキは無表情なまま、それでも俺の手に頭を預けている。
涙にはかまわないで、って、彼の顔はそう言っていた。


…うん。話は…わかった。ちゃんと聞いたよ。


ヨシキは黙ってる。


…でも、ね。今日の主役の俺としては。こんな寒いとこにお姫様を放置しておくわけにはいかないんで。


ヨシキがふっと俺を見つめた。
やっと。


…これから強制送還。いい?ヨシキ。


返事を待たずに抱き上げた。
冷えた体が、素直にされるままになってる。

首に絡み付いてくる腕と、肩で鼻をすすり始める、…大好きな、恋人。


───うん。いいんだよ、それで。気持ちは、わかってるよ―…。







ヨシキを抱えて下に降り、コートを脱がせて椅子に座らせた。


…寒い?平気?
「うん…」


台所で、シナモンやクローブ、カルダモン…いろんなスパイスのきいた熱いミルクティーを入れる。
特別な日だから、シナモンはスティックもサービスで。


…はい、熱いけどおいしいよ。

「…ありがと」


ヨシキは、紅茶が冷めるのをしばらく待ち、ごくん、と飲んでは一休み、またごくん、と飲んでは一休み、と、一口ずつ時間をかけてカップ一杯を飲み干した。


それを見届けてから。



俺は、一か八かの勝負に出ることにした。

テーブルの上には、ヨシキが贈ってくれた植木鉢。
真っ白なハートが、ひらひら踊ってる。



…ヨシキ?

「は…い…?」


…思うんだけどね?よく聞いてよ?


ヨシキが体を強張らせたのがわかった。


…俺、白いのしかなかったのは、神様からの贈り物なんじゃないかって思う。

「……。」


…だって…こんな、真っ白なハート…ヨシキみたいでしょ?

「…?…どうゆう、こと?わかんない…」

…わかんないの?

「ぜんぜん…」


…知りたい…?

「……うん。。。」



ヨシキは自信なげに頷く。


俺は腰を屈めて、ヨシキの頬を包み込んだ。
彼はひどく驚いた様子だったけれど。



…ヨシキ。


俺は、彼の瞳をのぞき込んでから、とても深く、…キスをした。



「…っ!?」


失敗は、できなかった。


…ヨシキ、聞いて?

「……」


…このハートが白いわけはね。ヨシキの心みたいに…純粋無垢でさ、だから真っ白なんだよ。


「え…」


ヨシキが顎をひいて俺の目を見た。

俺は彼の戸惑いを敢えて受け流して、そのままキスを重ねていく。
彼に強く、言い含めるように。



…ヨシキはさ、…すんごくピュアで、


「トシ?」



…いつだって、とってもとっても眩しくて、


「…ちが…う」

…違わないよ。…いつでも、どこまでも…キラキラ輝いてて。

「と、し…っ」



彼が、むせるように泣き始めた。
その熱い唇で、俺の言葉に必死で応えようとして、泣いてる。

なんだか、まるで責められて困ってるみたい。


…そうやってね、ヨシキは…ずっと、ずーっと俺のことだけ考えて。

「とし…そん、な…」

…一生俺といっしょに、ふたりで生きてくんだから。

「トシ待ってよ…」

…やだ、待てない、大切なことなんだ。

「トシ…っ、待って、ねえおねがい…」


ヨシキの顔はいつのまにか涙でびしょぬれだった。
俺は少しだけ、ヨシキをキスの洪水から解放した。


…うん?キスいや?

「ううん!いや、じゃない!いやじゃないよ」


彼は首を横に振った。


…そう?じゃあ、俺の気持ち、わかった?


するとヨシキはまた目を伏せ、むせび泣いて言った。


「うん…もしほんとに…ほんとにね、トシがそう思ってくれてるならだけど…」


俺は微笑って返す。


…もちろん本当だよ。嘘なんか…つかない、こんなときに。

「なら……うれしい…白いハート、おれ?…うれしい」


ヨシキが袖で顔をゴシゴシこすった。
髪が乱れて頬に張り付いてる。


…そっか、うれしい?…よかった。


ヨシキの涙はもう、悲しみのそれじゃない。

ほっとしてヨシキの髪を撫でていたら、ヨシキが言った。


「…でもね、ちがうの。ちがうんだよ、言いたいこと。トシだよ…トシが…、、、」

…俺?俺が何?

「あの、…傷ついたらごめんね。でも…トシが、変」

…変?俺のどこが変?

「だって。トシ、泣いてる…よ?なんで…?どうしたの?トシ…?」



俺は、思わぬ自分の失態ぶりに苦笑した。
キミになんか言われなくてもわかってた。
さっきから手が震えてるし声もかすれてる。



…知らない、そんなの。すっごく、緊張してるからじゃん?


涙でぐしょぐしょのヨシキの頭を抱き寄せるしかなかった。


「緊…張、、、……?」


俺の腰の骨辺りに顔をくっつけたヨシキが、びっくりしたように声を上げる。


───仕方ないだろ?目の前の相手を落とせるか落とせないかの瀬戸際だったんだから……。


…うん。すっごく、緊張してるんだ…おかしい?

「うん…おかしいよ…おれのこと慰めてくれたんでしょ?なんでキンチョーするの?」


…(笑)、そのうち、わかるようになるよ、きっと。

「うん──…そう、かなぁ」




それから俺は、もう一度屈んで、愛しい恋人に新しいキスを贈った。
慰めるためのキスじゃなくって、祝福のキス。

ヨシキの手が、俺の肩をしっかりと抱きしめているのを感じながら、俺は「愛してるよ」ってささやいた。

ヨシキがくり返す、「おれも…あいしてる…よ?」って。



ふたりの涙が混じり合って、いっしょになってこぼれていく。

お互いの──…
それぞれの──…


切ない想いの…カケラたち。



───そんな今年の、WHITE×WHITE St. Valentine's Day............



86238751.jpgWHITE×WHITE St.Valentine's Day



《END》


懐かしすぎました、季節外れでごめんね!
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『夢想と薔薇の日々』リバイバル特別号!<裏・キミのいるキッチン>総集編

8月の終わりからと言っていたラスト2本が、延び延びになっていて申し訳ありません。
あと数日後にお知らせをして本編を公開できると思います。

それを目前に控えて、今日は、個人的な事情からですが、ずっとずっと心残りだった<裏・キミのいるキッチン>総集編を出させていただきます。
このお話は、生まれてしまったこと自体が罪なんじゃないかと悩むくらい、当時のわたしにとっては恐ろしい存在でした。
が、今になってみると、<裏・キミのいるキッチン>は、わたしの中で、非常に重要なポジションを占めていると言わざるを得ません。

“愛”するがゆえに、もたらされる“狂気”とは何なのか?
そして、“究極の愛”・“無償の愛”とは。

ムリに読んでくださる必要は全くありません。
本当に、わたし個人の都合で、1本にまとめたかっただけです。
手直しは、ひと通りしてあります。
ご自由に、どうぞよろしく。



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『夢想と薔薇の日々』リバイバル!<WEEKEND CONFESSION>

またまた自己満足のお時間です。
この<WEEKEND CONFESSION>は、偶然人気記事に上がってきていたのですが、書いた日付を見てビックリ。
ちょうど、3年前の今頃なんですな。
読んでみると、内容としてはまあギリギリ及第点かな?って思うんだけど、何しろフォームが古いです。
だって3年前の5月って言ったら、『DRR』始めてまだ3ヶ月じゃないですか!
古いわけだ。

「こんなのヤダ!もっと新しいかたちで読みたい!」と思ってしまった佐野は、新作も書かずにリバイバルに踏み切るのだった(爆)。
今日は、ココの変更点を発表した翌日なので、お客さまも来てくれるかわかんないことだし、自己満足の世界でもいいかぁ!というわけです。
肩慣らし(?)でもないけど、メッチャ懐かしい作品をリバイバル化してプレゼント。
読みたい方だけ読んでくださればいいんですよ、無理しないでね!(^^)

では、参ります。


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