Ciao! (=´ー`)ノ⌒♪私自身あるいは困難な存在

■TMNETWORKとXJAPANが日々の糧εεε=(*ノ▽ノ)な佐野瑞希です、こんにちは。■音楽と、広範囲な意味での文学について綴っています。■現在は、一連の創作シリーズ『夢想と薔薇の日々』の更新がメインになっています。「おもしろかったー!」と思っていただける一日があれば幸いです。  ───遠い記憶をたぐり寄せると、どこまで遡っても自分の感性や思考のしかたが変わっていないなあと感じざるを得ない今日この頃。春、桜舞い散る日に。(2015.04.12改稿)

ミルクティー

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夢想と薔薇の日々<ボディピロー>

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」(夢見る、想う)は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、どうぞよろしくお願いいたします。

抱き枕

昼間ポカポカ陽気だったわりに、今日は夜になって冷え込んできてて。

隣で何度も、ヨシキが寝返りを打った。

───眠れないのかな?

たまに小さく鼻もすすったりして。


…どうした?寝付けないの?


見かねて声をかけた。


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夢想と薔薇の日々<愛のモーニングミルクティー!>

『夢想と薔薇の日々 (Days of Réverie and Roses)』はあくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」(夢見る、想う)は個人が有するごく自然な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、どうぞよろしくお願いいたします。

―――12月も末となるとさすがに冷え込むな…。

そう思いながらシャツに腕を通したところだった。


「ねえぇぇ~、紅茶~、ミルクティー…持ってきてぇ」


頭まですっぽり布団にもぐっていたはずのヨシキの声がした。
見ると、顔半分だけ出して、彼は眠たそうに俺を見つめているのだった。


…もう起きろよ、10時過ぎたよ。

「や~んまだぁ。このまんまの方がきもち~もんあったかいし~♪」


―――これだよ。


「ねぇ~、ミルクティー持ってきてよ…バニラと…シナモン…」

…またぁ?起きて自分でいれるって選択肢はないわけ?

「んんん~~~とねぇ…ないのぉ~」

…あっそう。


ジーンズを履き終えると、俺はヨシキの上にかぶさるようにして額にキスをした。


…いつまでも甘えん坊で参るよ。

「んへへ…昨夜楽しかったね?」


微妙に、返答に躊躇する。
昨夜―…どのくらいヤッたんだっけか。


―――…。
記憶を辿るのはよそう。
またヘンな気分になったら困るし。

適当に相槌を打って、俺はヨシキのそばを離れた。


…いいよ、持ってきてやる。…えと、ミルクティー。バニラとシナモンだっけ? 

「うん!…んふ


ヨシキの体の熱や感触、深いキス、そしてエロティックな香りと喘ぎ声などが、まだしっかりと身にまとわりついていて。

そんな今の自分の在りようが、何故だかわずかな心の負い目のように、小さなしこりになっていた。



―――だからってこうやって甘やかす方にも問題はあるよな…。 


そう思いつつ部屋のドアを開けた。 
背中に向かって、ヨシキの声がぽーんと飛んでくる。


「こないだみたくお砂糖入れるの忘れないでよぉ~?」


―――はいはい。わかってます。



でも、“問題がある”、と、“責任がある”、では意味が違うだろ?…なんて胸のもやもやをごまかしながら、階段を降りる。


こうやって、くり返しくり返し彼を甘やかしてしまうのは愛なのか罪なのか。
その問いの行き着く先はいつも決まっていて。



―――くっっっそ、愛がなかったらこんなことやってらんねーっつぅの!



ヨシキの小さなケトルでお湯を沸かしながら、心の中で呟く。

…問題だか責任だか知らねーけど、何でも全部請け負ってやる。





―――半ばやけっぱちな彼のこの答えこそが、今日も愛のモーニングミルクティーを甘く甘くしている所以なのだった。―――



《END》



 
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『夢想と薔薇の日々』リバイバル<ビター・ハーフ・マリアージュ>後記:見果てぬ夢を抱き続ける強さ

『夢想と薔薇の日々(Days of Reverie and Roses)』はあくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。
「夢想」(夢見る、想う)は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、どうぞよろしくお願いいたします。


このシリーズの根源は、もう“スッゴイ昔”から大好きなパターンの夢想なんです。
受のコがね、「女の子に生まれてくればよかったのに…」って泣いちゃう~、みたいなね。←スミマセン。
そのゴールデンパターンを、ヨシキの結婚願望と引っくるめて描いてみたかった。

でも彼のその想いを、トシがいともたやすくぶち壊してしまうんですけど。
ヨシキが女の子だったら結婚相手の範疇にも入らない、とか何とか。
トシひど過ぎ。
ヨシキにとっては、ですが。
うん、だから拗ねちゃうんだけど。

話が飛びますが、最終的にトシが言っているのは、性別が問題じゃない、「ヨシキ」のことが好きなんだ、ということですよね。
でも、その回答はわかるんだけど、そのあとヨシキに対して、いいよ、結婚しよう、と言ってしまう、その飛び方って何?と思うわけで。
どういう思考の経由が伴って、カラッと「結婚、しよう」が出てくるのか。

現実問題として、とりあえずこの二人が結婚するのは無理!!なんですよ。
ヨシキの言う通り、「できるわけない」。

じゃあ、そこに付け加えてやれる言葉は、何か?
それはというと、「いつか」です。
「いつか、結婚しよう」なら、叶うか叶わないかわからない、結局はうやむやな“夢”なの。
なんか、ごまかしているみたいな言い方ですけど、そうじゃないです。
叶わないかもしれない夢を抱き続けるって、物凄いエネルギーを要すると思う。


実は、これはカズ(三浦知良)が言ってた言葉なんだけど、さらっと
「W杯は僕の夢ですから、未だに。いつかあそこに立ちたいっていう夢が常にあるよね」
って。
これにわたしは感動しちゃって、…だって、どう考えたって今から彼がW杯のピッチに立つのは不可能ですよ。
でも。
決して、完全に可能性を否定することは、誰もできないじゃないですか!
そこに彼は懸けてる。
信じられないほど強い、エネルギーの持続、ということだと思う。
本当に感動したんです。

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『夢想と薔薇の日々』リバイバル<ビター・ハーフ・マリアージュ>前編

『夢想と薔薇の日々(Days of Réverie and Roses)』はあくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」(夢見る、想う)は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、どうぞよろしくお願いいたします。

今日は久しぶりで、二階の日当たりのいいフローリングに、ヨシキが絵の具箱とスケッチブックを広げている。

ヨシキが描く絵は好きだ。
オレには詳しくわからないけど、水彩絵の具で光の溢れる―…そうだな、印象派の画家たちのような…絵を描く。
音楽とはまた全く別の感性。

こんなときはなるべく邪魔はしないようにしてるのだけど、なんだか今日は、思わず声をかけてしまった。何か筆が止まりがちに思えたからだ。


…ヨシキ、アイディア湧かないの?
「描いてるよ…なんで?」

…いや別にいいんだ。コーヒー…じゃなくて…紅茶、入れようか?
「ミルクティーがいい、お砂糖入れて」

…OK、待ってて、下行ってくるから。


そういう会話をしながらも、ヨシキの絵筆はやっぱり動いていないように見えて。

紅茶が入ってティーカップを持ってきたとき、ヨシキはスケッチブックをすでに閉じてしまっていた。片膝を抱えてぼんやり外を眺めている。


…もうやめたの?
「うん…」

…ミルクティーできたよ。
「うん…」

ヨシキは紅茶のカップを受け取ると、つまらなそうな顔をして聞いた。

「ね、結婚式ってどんな?」
…は?結婚式!?なんで?

「結婚式の絵を描きたかったから」
…ていうのは式自体?披露宴とかのことかな。

「そうゆうのよくわかんない。ただ描きたかっただけ。……もういい」


面倒そうに言って、ヨシキはゆっくりゆっくり、ミルクティーを飲んだ。




.。o○.。o○.。o○.。o○





その晩のこと。
ベッドのなかで彼がぽつりぽつりと話し始めた。

「トシは…もしおれが女だったら結婚してた?」
…え、えー?…考えたこともないな。

「したいと思うかもしれない?」
…さーあ、どうかなあ。思わないかもね。言い方変でごめんだけど、ヨシキみたいな女の子だったら結婚の範疇にないかも。

「ふぅーん…」

…それより何?昼間っから結婚結婚って。


彼は問いからは微妙に外れて答えた。


「…おれは…もし自分が女だったら、結婚したいと思ってたな、たぶん。でも、じゃあそしたらトシにはフラれてたんだね。あ~あ、おれの存在価値って何なんだろ…」

…ちょっとヨシキ何の話してるんだよ。歴史に“IF”はないんだぞ!?

「んー…そうだけど。それでもおれはトシと結婚してみたかった。そーゆうもんじゃない?」


そう言うなり、彼は背を向けてしまった。





《つづく》




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夢想と薔薇の日々o<ビター・ハーフ・マリアージュ>第2話

…は?結婚式!?なんで?
「結婚式の絵を描きたかったから」
…ていうのは式自体?披露宴とかのことかな。
「そうゆうのよくわかんない。ただ描きたかっただけ。……もういい」
面倒そうに言って、ヨシキはゆっくりゆっくり、ミルクティーを飲んだ。


その晩のこと。
ベッドのなかで彼がぽつりぽつりと話し始めた。

「トシは…もしおれが女だったら結婚してた?」
…え、えー?…考えたこともないな。
「したいと思うかもしれない?」
…さーあ、どうかなあ。思わないかもね。言い方変でごめんだけど、ヨシキみたいな女の子だったら結婚の範疇にないかも。
「ふぅーん…」

…それより何?昼間っから結婚結婚って。
彼は問いからは微妙に外れて答えた。
「…おれは…もし自分が女だったら、結婚したいと思ってたな、たぶん。でも、じゃあそしたらトシにはフラれてたんだね。あ~あ、おれの存在価値って何なんだろ…」

…ちょっとヨシキ何の話してるんだよ。歴史に“if”はないんだぞ!?
「んー…そうだけど。それでもおれはトシと結婚してみたかった。そーゆうもんじゃない?」

そう言うなり、彼は背を向けてしまった。


《つづく》

夢想と薔薇の日々o<ビター・ハーフ・マリアージュ>第1話

今日は久しぶりで、二階の日当たりのいいフローリングに、ヨシキが絵の具箱とスケッチブックを広げている。

ヨシキが描く絵は好きだ。
オレには詳しくわからないけど、水彩絵の具で光の溢れる―…そうだな、印象派の画家たちのような…絵を描く。
音楽とはまた全く別の感性。

こんなときはなるべく邪魔はしないようにしてるのだけど、なんだか今日は、思わず声をかけてしまった。何か筆が止まりがちに思えたからだ。
…ヨシキ、アイディア湧かないの?
「描いてるよ…なんで?」
…いや別にいいんだ。コーヒー…じゃなくて…紅茶、入れようか?
「ミルクティーがいい、お砂糖入れて」
…OK、待ってて、下行ってくるから。
そういう会話をしながらも、ヨシキの絵筆はやっぱり動いていないように見えて。

紅茶が入ってティーカップを持ってきたとき、ヨシキはスケッチブックをすでに閉じてしまっていた。片膝を抱えてぼんやり外を眺めている。
…もうやめたの?
「うん…」
…ミルクティーできたよ。
「うん…」
ヨシキは紅茶のカップを受け取ると、つまらなそうな顔をして聞いた。
「ね、結婚式ってどんな?」

《つづく》
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