Ciao! (=´ー`)ノ⌒♪私自身あるいは困難な存在

■TMNETWORKとXJAPANが日々の糧εεε=(*ノ▽ノ)な佐野瑞希です、こんにちは。■音楽と、広範囲な意味での文学について綴っています。■現在は、一連の創作シリーズ『夢想と薔薇の日々』の更新がメインになっています。「おもしろかったー!」と思っていただける一日があれば幸いです。  ───遠い記憶をたぐり寄せると、どこまで遡っても自分の感性や思考のしかたが変わっていないなあと感じざるを得ない今日この頃。春、桜舞い散る日に。(2015.04.12改稿)

ベッド

◆ INFORMATION ◆
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夢想と薔薇の日々<anniversary/ いのちの初夜 〜幻のお誕生日企画①〜>後編

『夢想と薔薇の日々(Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

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…ヨシキ。


トシに呼ばれて、ますます緊張して体がこわばった。

───来た〜〜〜!!!


おれ恥ずかしくて下を向いてたんだけど、返事しないわけにいかないから、「うん、、、」って言おうとした。

なのにね。

気が付いたら、もうトシの顔が目の前にあったの。
かがんで、こっち見てたんだよね。


…大丈夫?

「う、うん。だいじょぶだよ///」


それを聞き届けて安心したのかな。
トシは、おれの前髪をかき上げながら目線を合わせて、にっこり笑った。


…あらためて。お誕生日おめでとう♡

「あり、が、と、、、」


言うか言わないかの間に、口をトシの唇でふさがれた。


「あ…っ」

「ト…シ……っ!」


びっくりしたよ。

でもね。
こういうときって、おれ、マジックがかかってると思う。
次に何がやって来るか、なんとなくわかってしまう。

ほぼ、キス、したまま。
トシはおれの体を倒して、ベッドに沈めた。


きっとそうなるって、おれはわかってたから、だから、されるままになってたよ。
緊張してた分、準備もできてたっていうか。

トシは、ちょっと遠くにずれてた枕をおれの頭の下に引き寄せてくれた。
なんかそうゆう小さい気遣いが、すんごいうれしかったな〜♡


トシの体はすでに、おれにしっかり被さってたんだけど、そのトシが、わざわざおれの頭をぎゅーっと抱え込むみたいにして、言った。


…もう、、、いい……?

「…うん」

…我慢、できない。

「うん。。。」


トシが何のことを言ってるのか、当然見当はついたから。



トシは、おれの耳をそっと噛んだ。
おれは、きゅっと目を閉じた。
それから、トシは首筋に沿ってずっとキスをくれた。
それだけで、カラダがぽゎーっとなっちゃって、もしかしたらおれ熱出てるんじゃないかな?と思ったくらい。


「あ…っ!トシ。。。」

…え。……ん?何?

「ん、、、ん〜ん/////なんでもないっ」


肩のところで響いたトシの声は、落ち着いてて低かった。
それを聴いて、覚悟が決まった。
もうみんな任せようって、思ったんだ。





· · • • • ✤ • • • · ·



いつまでも終わらないかと思うようなキスが続いてた。
トシの息づかいと、何度もねじ込まれて絡んでくる舌と、たま〜におれの唇を噛むいたずらな歯と、すべてが甘くって……。
夢みたいだな〜♡


トシはその勢いのまんま、おれのカラダを愛撫し始めた。
手と舌と唇と、、、あっちこっち使って。
おれの胸とかお腹とか腰とか、背中や脇の下まで。
股の内側、脇腹、そんなおれの急所も、トシはちゃんとわかってて。


あのね、素朴な疑問なんだけど、トシっておれの胸、好きなのかな?
魅力、感じるのかな?
女の人と比べたら、ふくらみも乳首もあまりに足りないのに、こんなんで満足できるのフシギに思っちゃう。
おれ、いつも申し訳ないような、変な気分になるんだよね。
トシは……、本来、女も抱けるからね……。


まぁ。
そんな疑問は置いといて、おれはもう完全に参っちゃってた。
トシの触れた至るところが火照って、どうしようもない。
重なってるカラダ同士ね、うん、トシの体もめちゃめちゃ熱っぽかったよ。

その熱に浮かされながら、おれは、何度も目をしっかり開けて、トシの顔を見ようとした。
ありがとうって伝えたかったんだ。
だって、やさしくしてもらえて、すごくすごくうれしかったんだもの。
けど、どうしてもうまく目を開けれなかった。
喘ぎながら「トシ…!」って叫ぶのがやっとだった。


…ヨシキ、愛してるよ。

…好きだよ。

…ヨシキ?気持ちいい?


そんなトシの言葉に、必死で「うん!」「うん!」って応えるだけ。
あとはもう、訳のわからない絶叫をくり返すばっかり。
興奮して心臓がドクンドクンしてるのが、耳の内側から聞こえた。
もう、ありがとうなんて、伝えるどころじゃなかった。





· · • • • ✤ • • • · ·




我慢できないって言ったわりに、トシはなかなか挿入はしてこなかった。


おれはおれを全部トシにあげたいと思ったのに、実際は、トシがトシをおれに全部くれちゃってるみたいだった。


え?
意味わかんないって?

んと、つまり……尽くしたいと思ってるのはおれの方なのに、現実はトシの方がおれに尽くしてるみたい……、って言ったらわかる?

うん。
なんか、そんなふうなんだよ。
おれは、ただ、トシのくれる快感に、身を委ねてるだけだった。
夢中で。


トシはね、すごく、おれの体を愛してくれたんだ。
慈しんでくれたっていうか。
それが目的だったのか、それとも前戯のつもりだったのかは、知らないけど。


「と、し……、、」


快感の波が次から次へと押し寄せて、どうにかなっちゃいそうだった。
トシの背中や腕に、いっぱい引っかき傷つくっちゃったかな。


「トシ、、」


はぁ、はぁ、っていう激しい呼吸の合間に名前を呼ぶ。



…なに?

「トシ…っ」

…聴こえてるよ。

「も、もう……挿入れて、いいから……ッ」

…ヨシキ、もうイきたい?


顔が更に、カーーーッと赤面する。


「ちが…ッ、おれじゃなくて、トシ!」

…俺?

「トシもキモチよく、な…って、、、」


トシはクスクスって笑った。
余裕こいててズルいな。


…入っていいの?

「う…ん……。」

…んじゃ、遠慮なく。


遠慮なくって言ったくせに、トシは遠慮しいしい突っ込んできた。


「ん…ッ///」

…平気?だいじょうぶ? 

「へ、いき……っ!」

…沈むぞ?

「うん……、奥まで来て!もっと、奥だよ!/////」

…ダイジョブかな。

「あ…ッ!ん、あああ……!!」

…ヨシキ?

「い…いいからぁッ!」


カラダの中が、トシでいっぱいになった。
その瞬間、おれギャーギャー泣いちゃってさ。
きっと、やっとひとつになれたんだって思ったら、感極まっちゃったんだよね。

おれが泣いたからかもしれない。
トシは、しばらく動かないで、静かに抱いててくれた。


…平気?

「うん。。」


涙でグショグショになったおれの顔を、トシの手が包んでくれた。
おれも、ようやくまともにトシの顔を見れるようになって、「ダイジョブ…」って答えた。


…今日はヨシキの誕生日なんだから。ムリしちゃだめだよ。

「無理なんてしてない!」

…最後までヤらなくたっていいんだよ、こんなの。別に。

「けど!おれがキモチいいなら、トシも同んなじがいいもん


トシはふふ、って笑った。


…ありがとう///よし!動くよ?

「うん」


もう一度、固く目をつぶる。


トシの頭や背中をぎゅぅってしながら、さすりながら、どうかおれの気持ち伝わりますように、って、ずっと願ってた。

全部、トシのものになりたいって。
それか、全部溶けてしまって、トシのこと、包み込んであげたいって、、、、











《未 完/UNFINISHED》










夢想と薔薇の日々<日々徒然>6月6日号

『夢想と薔薇の日々(Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

雨が降ってる。
ゆうべからずっと。

トシに抱かれて…眠った夜。

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腰が、痛い。


寝乱れたままのベッド………
なんかやらしい。



「トシ、もう起きたんだ…」



今日みたいな朝は、そばにいてほしかったな。
一日じゅうふたりで抱き合っていたい。


もいちど、チューしてよ。

名前、呼んで?




トシ。
トシ。
おれの。


誰にもあげない。





こんなに、こんなに、大好きだよ。


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《END》

どうもありがとうございます☔✨
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『夢想と薔薇の日々』リバイバル!<One Love>

ほんっと~に唐突ですが。

いつかはリバイバルに持ってこないとな~と思っていて、なかなかできなかった作品です。

昨夜ね、理由もなくすごく落ち込んでしまって。
でもこのお話を読んだら不思議と元気が出てきたので、ああ今がチャンスだ、と。
今回は、簡単にフォームだけ変えてお届けします。
今だったらこんな書き方はしないなと思うところも多々あるんだけどね。

だいたいトシはヨシキに何をしたんだという恐ろしい謎が(((^^;)
スルーしてください。

<One Love> 
『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。


One Love

2時ちょい前に部屋へ行ったらトシが寝てて…てか寝てるのは別に当たり前なんだけど、ベッドの…壁側に寝てて。

じゃましないように、おれは手前にすべりこんでトシの枕に頬をうずめると、不思議な気持ちで隣のトシを見てた。
そしたら、じっとしてたのにいきなりトシが目を開けた。
ビックリして、


「あ!起こしちゃって、ごめんね!」


ってあわてて言った。

トシは、


…ううん、眠ってはいなかったよ。


って、答えた。


「なんで、、トシおれんとこに寝てるの?」

…うん?…んー、ヨシキを。。。抱いてるような気に…なれる気がして。

「なんだぁそんなの~!本物がいるんだから抱けばいいじゃん?☆」


おれがちょっとうれしくてワクワクしながら言ったら、トシはさみしげに微笑って、低い声で言った。


…駄目。ひどい扱い方しちゃう。




“ひどい扱い方”って言葉に、胸がドキッとした。
トシの言ってるその意味は、想像できた。
───何度も…あったから。

でも、どうして“あれ”が必要なんだろう…。
もしかして──。


「トシ?」

…ん。

「だいじょうぶ?」


なんとなく、訊いてみた。


…何が?

「仕事で何か悩みとか、あるんじゃないの…?」


そしたらトシはこう答えた。


…それは…あると言ったらあるし。ないと言ったら、ないし。でもどっちにしたってヨシキに話すことじゃない。

「そんな…けどさ、けど、ふたりで暮らしてるんだよ?」


言葉にするのは、とっても苦手だ。
こういうのは、プロのトシにはかなわない。
それでもトシが心配だった。
絶対、なんかあるんだ。


仕事の関係で、こういう隠し方されるのは、おれすごくつらかった。
生きてる世界が全然違うからなのかなって、思っちゃうでしょ。

おれ、無意識に手を伸ばして、トシの手を握ってあげようとしたの。

でも、そのときトシが、


…触らなくていいから!


って言っておれの手をはね退けて……あ!って、思った。


「ご、ごめんなさい…っ」

…いや、ごめん。俺の方がごめんね。


こんなトシは、おれ…きらい。
こんなの…おれのトシじゃない───。


“ひどい扱い方”──、どうしよう、どうしよう、って、すごく迷った。

でもおれは言わずにいらんなかった。


「トシ…?」

…何。

「だ、いて…いい、よ?」


覚悟して言った言葉だったのに、自分でも信じられないほど弱々しい声にしかならなかった。
こわかった。


…やめとけよ。中途半端な同情されたくない。

「違うよ。同情なんかじゃないよ…トシのこと好きだから。おれができることしたいだけ。いっしょに、乗り越えていきたいだけ!」


精一杯、言ったつもりだった。


…だから。ヨシキは関係ないって言ってるだろ。

「関係ないことない。だって…だって、……」



またいつもと同んなじで、伝えたい想いはあふれるほどあるのにうまく言葉にならなくて。


天井を見上げて、トシが言った。


…だっても何も…どうなるか、あと俺責任持たないよ?

「わかってる。トシの好きなようにしてくれればおれはそれでいいよ。だから…」


こんな、傷だらけみたいなトシ、…見たくない。


「だから──、ねえもうそんな遠くにいないでそばに来てよぅ」


『ねえ』からは一気に泣き崩れてた。


…馬鹿だね、ヨシキは。

「ばかでもいいもん、好きなように抱きなよ!」


どんどん涙がこみ上げてきて、どうやっても止めらんなかった。








気付いたら、トシの熱い体温と激しい力に包まれてた。
泣いててうまく息ができなかったけど、必死でトシのキスについていこうって頑張ってた。


あとは……、もう、何がどうつらくても、絶対に「痛い」とか「いや」って言わないこと。

何されても、何をさせられても、「痛い」と「いや」のかわりに、百万回くらい「トシ」と「好き」と「愛してる」をくり返した。



全部、全部全部全部、…いやなこと全部、おれにぶつけてくれたらいい、そんで、全部、忘れてくれたらいい。

本気でそう願ってた。




おれにできたのは、それだけだった。
それでも、足りなかった。



だって…今までおれの知らないとこで頑張って、痛いのやつらいのをがまんしてきたのは、トシなんだもん───…。




...I WANNA EASE 

YOUR PAIN AND SORROW 

ETERNALLY......







.。o○.。o○.。o○.。o○







───ん…、終わった…のかな?




目が覚めたとき、自分がエクスタシーを迎えたのかどうかすらわかんなかった。

それくらい、うつぶせになってるからだじゅうがヒリヒリして痛くて、動けなかった。
あそこが…切れて出血してるのも、感じてた。


もう、トシの体温はどこにも残ってない。

だけど、トシの声が、ベッドの隅のどっかで小さく響いた。


…ごめん。


トシのその言葉に、ほんとは、笑ってあげたかったんだけど、頭を持ち上げる力がなかった。
なんとか、かすれた声をふりしぼって答えた。


「『ごめん』、じゃなくって…、、、『ありがとう』の方が、、、うれ…しい…」


そしたらトシが、ほんのちょっと間をおいて、静かに言った。


…じゃあ…『ありがと』。

「…うん……」



トシがベッドから立ち上がるのがわかって、そのあとドアがぴったり閉まった。
部屋は、おれひとりになった。





おれは……、おれの頭のなかは、もうほんとに、ひとつのことでいっぱいだった。
さっきまでとは別の涙で、胸が張り裂けそうだった。


「好き」 
「好き」
「あのひとが好き」
「あのひとを愛してる」
「愛してる」
「愛してる」
「愛してる…」


泣きながら、こんなに痛くてこんなに弱い自分がくやしくて、湿ったシーツを握りしめてた。

もっともっと、強くなりたかった。








この道がどんなに遠くても、未来がどんなに苦しくても、トシのことは必ず、おれが守ってみせるから─────。
















《END》(2013年6月11日に初掲載)
ありがとうございました(*´꒳`*)🌹·˖✶
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夢想と薔薇の日々<日々徒然>10月5日号

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

起きたら隣で、トシが裸のまま肩出して寝てた。


「風邪ひくよぅ?


寒くないのかな。
起こさないように布団かけてあげた。





窓を開けると、すごく細かい雨がしとしと降ってて。

金木犀のにおいがする。






今日はトシが休みで、午後のお茶にクレープ焼いてくれるって言ってた。

楽しみ











あとどのくらいで起きるかな?
オフの日はいつも「おはよう」が待ち遠しい。









「しあわせな一日になりますように……


日々徒然


《END》
いつもありがとうございます
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夢想と薔薇の日々<日々徒然>9月22日号

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

今日ね。
さっき。

酔った勢いでばーん!って押し倒されたの。
夜ごはんの途中だったから、当然っていうかなんていうか食卓のすぐ脇で。


「痛…っ!」


トシが酔っ払ってて、も~何言ってんだか訳わかんないんだよ。
でもとにかくやたらめったらチューしてくるから


「口ん中まだゴハン入ってるよおっ!」


とかって。
全然、かまいもしないんだけどね、彼。


「この酔っ払い~!💦」

「ばっか…ッ!」

「…んないきなり、むりだよぉ~!💦💦💦」


でもそうやって抵抗しつつも流されてくうちに、おれ、ヤバいことに気付いちゃった。


今まで何度かあったし、ついこないだもだったけど───。
ベッドじゃない場所でするのって、案外スキかもwww



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《END》

✳️一言後コメント✳️
ヨシキがトシのことを「彼」と呼ぶのは、なんとなんと、今回が初🔰です。
㊗️おめでとうございま~す

どうもありがとうございました
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次回はいつになるかなぁ







【突発】夢想と薔薇の日々<夏至 -Summer Solstice2020->

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

夏至

一年で最も昼が長い日だというのに。


俺とヨシキは、朝目覚めてからずっと、心地よいベッドでイチャついていた。
起きて口にしたものと言えば、俺が急いでつくったスモークサーモンとクリームチーズのサンドイッチに、アイスティーだけ。

ヨシキは数度のオーガズムを重ね、少しぐったりしていた。
うつ伏せのまま、軽く俺にもたれて横たわっている。

すでに、午後のしたたるようなまぶしい空気が、部屋中に充満していた。

俺はため息をついた。


…長い昼をムダにしちゃってるな。家のこと何にもしてないよ。


そうぼやいたら。
ヨシキは「何言ってんの?」と、驚いたような顔をして体を起こした。


「いちばん大事なことしてるんじゃん」


彼にこう言われて、俺は、あぁそうか…と妙に納得してしまったのだけど。


肘をついて腹ばいになったヨシキの背中に、自分の手を沿わせる。
肩からお尻の方へ向かって、ゆっくりと撫でていく。
まるでネコ科の猛獣のように、美しくしなやかな体。
けれど、俺の手が腰の上辺りまで降りると、ヨシキは必ず、嫌がって身をよじるのだった。


「やめて~💦」

…なんでー?気持ちいいでしょ。

「くすぐったい」

…そういうところって、強い性感帯なんだよ。

「ウソだぁ」

…ほんと。

「どうせトシは、おれのこと全身性感帯とか言うもん」

…ま、そうだけど。笑。


今度は、ヨシキが、俺の背中に腕を絡ませて抱きついてくる。


「ねぇ。」

…ん。

「今日ってさ。…父の日でしょ」

…え?



すっかり忘れていた。


…そうなの?今週だった?


「もぉ~ぉ、カレンダーに疎いんだからぁ」

…ごめん。えーと、何もしてあげれることはないよ。


焦って言ったら、ヨシキが吹き出した。


「わかってるよ💦そんなつもりで言ったんじゃないって

…じゃ何?

「教えてあげただけぇ」

…そ、、っか。


なんだ、本気で焦った。
よくよく考えたら、父の日に俺が彼にしてやることなんて、なくて当然じゃないか。


…ヨシキ。俺もね、いいこと、教えてあげるよ

「なぁに?」


ヨシキは興味津々で訊いてきた。


…今日、日食がある。

「ええ?知らない。ほんと?」

…うん、本当。

「いつ!?まだ終わってないの?」

…夕方。部分日食。

「み、見れるかな?」

…この天気ならね。きっと。


梅雨の晴れ間というのだろうか。
今日は朝から太陽が照っていて、大気も湿気が少なく乾いている。


…夏至の日の部分日食は300年ぶりくらいらしいよ。

「見たい!」

…うん。見れるといいね。これを逃すと800年後だっていうから。笑。

「!!!」


ヨシキの反応に、あはは、と笑いながら、俺は彼の体を抱く。
ふたつの熱が、密着して、交差する。


「楽しみだなぁ♡」

…うん。。。


ヨシキと見た日食というと、2012年の金環日食を思い出す。

あのときも我が家は大騒ぎだったけれど、今日もなかなかに凄まじい。
夏至、父の日、日食、おまけに大安が重なるという、実にお祭り気分を掻き立てられる一日なのだ。


…このまま晴れてるといいんだけど。


ヨシキにさりげなくキスをする。
唇が乾いて熱い。

興奮しているのかな。




日食、見れますように。
心から祈る。
他でもない、ヨシキが、望んでいるからだ。












夏至という日は、俺にとっては殊更特別だった。
今日を過ぎたら、だんだんともう昼の光よりも、夜の闇が長くなってゆく。

ただ、そんなくだらない俺の憂鬱なんて、今は、彼に伝える必要も意味もなくて────。

















《END》

参考リンク🔗


いつもありがとうございます☘️
バナーTOSHI2



夢想と薔薇の日々<ネコの春と…恋。三たび>後編

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ネコの春と…恋。三たび
「チュウして?」

…うん。

「、あ」


…んん。ふ…っ。

「トシ好きだよぉ」

…うん。……おれも、好きだよ。

「あっ!ん、キモチいい……もっと!」

…待って。

「トシ、もっと。もっとだよぉ」


順繰りに、ヨシキの要求に応えていく。


…ここ感じるでしょ。ほら、ここも。

「あっ!あぁ~!」

「や…っ、く……ッ!」

「は……ぁッ!いっちゃう!!」



ピストン運動を繰り返している腰と、支えている腕がしんどい。
それでも覚悟を決めたんだからと、ひたすらヨシキに奉仕する。





永遠に続くかと思われる仔猫ちゃんとの情事。

もう何回彼をいかせたろう?
数えるのさえ嫌だ。
普段ならせいぜい3ラウンドくらいで終わるのに。




朦朧とする頭で、俺ははたと、いいことを考えついた。


…ヨシキ、腕、縛るよ。


厚手のスポーツタオルに手に取る。


「ん?なんで。トシに触れなくなっちゃう」

…いいから。

「痛いことするの」

…まさか。しないよ。

…ヨシキが引っ掻くからできないように結わえとくの。

「ん~。。」


実際、俺の体はヨシキのせいで引っ掻き傷だらけだった。
背中とか胸とか、いつだって我を忘れると爪を立てるのがこのネコさんの癖だけれど、発情中は半端ない。
体じゅうに傷ができてしまう。
商売道具の、首から上を防備するのが精一杯だ。
ただ、別にヨシキは故意にしているわけではなくて、俺を求めるあまりなのはわかるから、むやみに責められない。



今日のタオルはね、特別な意味なんだ。







そして、最後の戦いに挑む。
外ではまだ、猫たちがにゃぁにゃぁと甘ったるい声を出している。


…ヨシキが。次にイったらおしまいだよ。

「え~。そんな~」


約束を取り付ける。
ここが重要なのだ。







ヨシキの胸に唇を這わせると、ビクン、ビクン、と彼の躰が反応する。
もう、乳首とその回りが、すっかり鮮やかなピンク色に染まっていた。


「は…っ……んんっ!」







「なんかさあ、トシ……すごいね……?」

…はぁ…、はぁ…っ、そ…う……?


当然だ。
これでヨシキをイかせれば、俺には安眠が訪れる。
 


本当に、息が苦しい。
しかしこれが俺の腕の見せどころで。










「あああ~~~!トシ、いきたい!!」

…んん?……だめ。

「でも、出ちゃうよ!」


出ちゃうって?
何を言ってるんだろう。


…ならいいよ。出してみ。

「あ、んんっ………え??」




「……あ。トシのいじわる~!!」


ヨシキがようやく、気付いた。

両手首をタオルで縛られているから、彼は自分で自由に達することができないのだ。

タオルごと俺に掴まえられて、ヨシキの躰は震えていた。


「も、もう、いきたい!許してよ!」

「トシ限界だよ許して! 射精 たい!」


とうとう、ヨシキがまた泣き声になった。


…もういい?満足したの?


俺はわざと意地悪く、彼に訊ねる。


「し…っ、した、したよ!お願いいかせて!」


涙を流し、身をよじって絶頂エクスタシーを懇願するヨシキの姿は壮観だった。

───俺ってやっぱりサディストなのかな?

自分の性器 ペニスをヨシキに深く突き立てたまま、俺はヨシキを抱きしめて、彼のそれに手をやった。


「は、やく…っ!」


ヨシキの顔は、感情が高ぶっているのと、極限まで高まった快感と、それから、この状況への羞じらいとで、真っ紅だった。
覗き込むと、悔しそうにそっぽを向いて、唇を噛んだ。


…はい、いいよ。いきな。


俺が軽くそれに触れただけで、ヨシキは悲鳴を上げた。
続けて、キュッとしごくと。


「あ、あ。あーーーーーー…ッ!!!」


激しいオーガズム。
彼のお腹の上に、勢いよく精液がほとばしり出る。

俺は一瞬見とれてしまった。


…大丈夫?


ちょっといじめすぎたかなと思いながら、俺は、ヨシキの精液を人差し指ですくった。

そして、最後に悠々と、自分もオーガズムを迎えた。



…ヨシキ……好きだよ。



快感に酔いつつ呟いてみる。
けれどその言葉は、残念ながらヨシキに届きはしなかった。

彼はすでに意識を失っていたのだ。











───ふぅ。


戦いの終わり。



…とんでもないネコさんだよ、全く。



俺はヨシキの精液をもう一度指につけると、ぺろっと舐めた。
いつもの味、いつものにおい。






ヨシキはいつ目覚めるだろう?
今夜はこれで、もう大人しく眠ってくれるだろうか。

時刻は午前3:30を僅かに過ぎている。



───疲れた。

満身創痍でベッドに倒れ込んだ。
体が汗でびっしょり濡れていたけれど、とてもシャワーを浴びに行くだけの力がない。

ぐったり横たわったベッドで、ぼんやりと視界に入ってくるヨシキの姿を見ている。
目を閉じても、やはり気になってしまって、再び瞼を上げた。

───仔猫ちゃん…か。

自分の体がこんなことになっていても、眠っているヨシキを綺麗だと思わずにいられなかった。
寝乱れ、逝き果てた姿に、改めて欲情しそうになる。


…まずいだろ、いくら何でもそれは。





思わず苦笑して、ベッドの向こう側に眠っている彼の手を握った。

あたたかい。


───ほんとにねぇ。寝顔は可愛いのにね。

もうちょっとだけ加減してくれたら、と思う。
盛りのついた猫とはよく言ったもんだ。


…容赦ないからなあ。


ヨシキの顔を見ながら、もう一度ため息をつく。



───さて、と。


そろそろ俺も休んでおかないと、あとが怖い。



ふと、家の外に耳を澄ました。
しんとして何も聞こえない。
猫たちも、逢い引きを済ませて眠ったようだ。


…ヨシキ、また明日ね。おやすみ。


しっかり布団をかけてやると、自分も毛布にくるまった。
それから、思い切って枕元のライトをオフにした。

真っ暗な闇。

仔猫ちゃんの夢に、俺は出てくるんだろうか?なんて考えたりする。
けれど、すぐに途方もない疲れがどっと押し寄せて、俺を眠りへと追い立てた。


…寝よ。………おやすみなさい。












いよいよ、春本番。
猫たちの恋の季節も本番。

もう間もなく、桜が満開になるだろう。













《END》

お疲れさまでした🐱ありがとうございました💗
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夢想と薔薇の日々<ネコの春と…恋。三たび>前編

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

ネコの春と…恋。三たび

今夜もまた、家の周辺で猫たちが騒いでいる。
発情期に入って、彼らも春なんだろうなーと感じる。
桜だって今年はバカっ早くほころび始めたし。

そこまではいい。
そこまでは、いいのだ。
花と恋の季節──結構なことじゃないか。


だけど。


正直なところ、俺は今、疲れ果てていた。
この1週間というもの、夜もまともに眠れていない。

何故って?

我が家の仔猫ちゃんが『発情期』を迎えているからだ。

猫を飼い始めたわけじゃないぞ。


ヨシキだ。

ここしばらく静かだったヨシキが、今年、文字通り『発情』している。


面倒だけどもう一度説明する。
通常、男同士の肉体関係には「タチ」と「ネコ」が存在する。
ざっくり言ってしまえば、挿入する方がタチ(攻)でされる方がネコ(受)。
我が家に当てはめると、俺がタチでヨシキがネコね。

その「ネコ」と、かわいい恋人という意味の愛称を掛けて、俺がヨシキのことを内緒で「仔猫ちゃん」と呼んでいるわけだ。

オーケー?


その見目麗しい仔猫ちゃんが、毎夜俺を離さない。
毎夜というより、俺の在宅中ずっとと言う方が正しいかな。

仕事から帰ると、だらしなくオーバーサイズのシャツやバスローブを羽織っただけのヨシキが、「トシ!おかえり!」と飛び付いてくる。


…ただいま。またそんな格好で、風邪ひくよ、ヨシキ。


俺はなるべくとりあわない素振りで、キッチンへ向かおうとするのだけれど。


「ねぇ~ねぇトシ、さみしかったよ」

…うん、ごめんね。待ってて。すぐごはんにするから。

「え~…そんなことよりぃ~💕💕」

…なんだよ。

「だからぁ~/////」


こんなやり取りを経て、毎日どうしてもリビングか二階の寝室に連れ込まれてしまう。


ここまで話せば察しがつくだろうけど、仔猫ちゃんが俺に要求するのは、濃厚なスキンシップ、あるいはその先のセックスに他ならない。

うれしい悲鳴に聞こえるかもしれない。
ヨシキみたいなかわいいお姫様に始終求められ、美しくて感度のいいその躰を連日抱けるというのだから。


しかし、だ。

俺は外に仕事を抱える身で。

実際問題、ヨシキのお相手ばかりしている訳にいかない。
仕事は、夜中のこともあったし、朝早くからのこともある。
かろうじてこなしてはいるものの、あくびを噛み殺し続けるのがやっとの日々だ。

それに、同時にヨシキをきちんとまかなっていかなければいけない。
彼の健康管理は、ほぼ俺にかかっていると言っていい。
それが例の発情期のお陰で、食生活も生活リズムもメチャクチャになっているのだった。











「はぁ…っ」

「ああ…んっ、ん~/////」


すでに夜中の2時を回っているのに、まだヨシキを抱いている。


…ヨシキ、もう今日はやめとこう。


息が上がって苦しい。
なのに。


「あと1回。あと1回いってから!」

…もうギブアップだよ俺。腰痛い。

「中で 射精 していいからぁ」

…いいからって言われても……もう出すもん何にもないよ、カンベンしてよ。

「おれのこと嫌いなのぉ?」

…そんなこと誰も言ってないでしょう。

「だってぇ!」


こういう展開になるともう終わりだ。
案の定、ヨシキがしくしく泣き出す。

芝居しているだけかもしれないとも思う。
だけど、俺はヨシキのこの涙にめっぽう弱い。
青白くなまめかしいヨシキの裸の肌が、彼のしゃくり上げるままに、恐ろしいほど美しく震える。


「なんでだめなのぉ…?」

…もう眠らないと。明日も仕事あるんだ。

「トシ」

…ん。

「トシおれのこと抱くのやなの?」

…だからいやなんて一言も言ってないよ。

「じゃあなんで、やめようとか言うんだよぅ」


ヨシキはぽろぽろぽろぽろ、涙をこぼす。


…あのさあ。。




───くっそーーーーーー!!!



愛の確信犯だか知能犯だか知らないが、こうなったら受けて立ってやる。俺にだって、男♂としての意地があるのだ。
ヨシキがこてんこてんに失神しても、もう容赦しないんだからと腹をくくる。

とは言え、彼にはそんな態度で接しないのが利口な恋人の得策だ。
泣いているヨシキの肩を抱きかかえて、俺は言った。

…わかったよ。ヨシキが納得いくまで、しよう?

「ほんとに…?」

…うん。


仔猫ちゃんがにっこり笑う。


…ほら、涙拭いて。

「うん…」





果たして、真夜中のベッドは戦場と化すのである。



───あー、ヨシキめちゃくちゃうれしそう。もつかなあ、俺───。









《後編へ続く!》

来てくださってありがとうございます💗
TOSHI花畑


夢想と薔薇の日々<ハピネス>7

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。


ハピネス7

明け方頃 目が覚めて

足が冷たくて

どうしようかなって思ったけど

そっと トシの足に絡み付けた


背中向けて寝てたトシが

条件反射みたいに飛び起きて

寝ぼけた声で 気にかけてくれる


どした  寒いの? って





ねえ  こんなことを

すごく しあわせに感じるの

まちがってないよね……?








《END》

みんなで幸せになろうゼー!💗
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夢想と薔薇の日々<約束 ~Happy Birthday💐ボクの彼氏様~>

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

お誕生日の王様


メチャメチャ急いでお風呂出たのに、寝室に行ったらすでにトシは眠ってて。

カッコいい♡
寝てるときも男前!♡


って、今はそんなこと思ってる場合じゃない。
なんでこの大事なときに寝てるんだよ~っ!!!

思い切って声をかける。

「トシ…トシ、……起きて」

パジャマの腕をつんつんすると、すぐに反応があった。

…ん、んー。

でも、目は閉じたまま。

「トシ!起きてよ、あと5分で誕生日になるよ!」

…んー?ヨシキ?

「うん」

起きたと思ったのに、またスースー寝てしまいそうになる。
今度は肩を揺さぶった。

「トシ、誕生日だったらぁ~」

…誕生日ー、ってぇ、、、、、

「そうだよ~トシの誕生日~!」

トシはおれの手を振り払って、うるさいなって感じで言った。

…もー、明日の朝でいいよぉ。




あ~あ~あ~~~!

テンションだだ下がり。


だけど今日ばっかりは負けてらんないもんね。


「トシ!起きて~!」


おれはトシの手を引っ張って、強引に起こした。


…眠いー。

「少しだけだから付き合って!」

…大昔から付き合ってるじゃん。

「バカぁ、違うよ~💦」



.。o○.。o○.。o○.。o○






誰よりも先に、お誕生日のお祝いを言いたかった。
子供じみてるって言われるかもだけど、そんなの関係ない。
いちばん乗りじゃなきゃ、何にも意味がない。


ふたりで並んで、枕元の時計を見てる。
トシは何度もあくびしてたけど、しっかり“付き合って”くれた。

「あと30秒…」

「20秒」

「10、9、8、7、」

いよいよだ!

「……3、2、1、0!やった!」

…パンパカパーン!10月10日でぇす!

「トシ、お誕生日おめでとう~!」

…ありがとうございまーす!

何気にトシが盛り上がってくれて、すごいうれしかった。
頭を深く下げたあとにニコニコ笑っててくれて。

「あの、さんざん騒いどいて、プレゼントまだなんだけど…」

そう言ったおれに。

…後日に期待しときます。

トシはさらっと答えた。

たぶんほんとは、期待なんかしてないと思う。
だいたい、トシが何か特別に欲しがってるとか、想像もできなかった。

仕事場でいろんなのもらうんだろうなあ。
家には持ち帰らないけど。

おれはプレゼント、どうしたらいいんだろ~?考え込んでしまった。










…ヨシキ。愛してるよ。

「え?」

…愛してるって。聞いてなかったの?ありがとね、いろいろ。

トシの告白はいつも唐突すぎて、どう対応していいかわからなくなる。

「あ、あ、トシ!聞き逃した、何?もっかい言って?」

とりあえず、ねだる。
そしたらトシは、いやな顔ひとつしないでくり返してくれて。

…だから、ヨシキのこと愛してるよ、って。

「え!ちょっともう一回…」

…ヨシキ、愛してるよ。

「もうい…」

…コラ、調子に乗るな!笑。

「あはっ」

トシが腕を伸ばしてきて、おれの頭を自分の胸に引き寄せた。


びっくりした。
そのままぎゅ~って、抱きしめられたんだもん。

…プレゼントはこのコがいいや。

「、え、何言って…」

腕の中でじたばたしてたんだけど、事はまだまだここからだった。
トシが、言い聞かせるような口調で言ったんだ。



…これからもずーっと、そばにいろな。離れるなよ。
「!」


口説かれてる!?

今さら…?
でも本気~!?!?


…んでね、誕生日には毎年、ヨシキが真っ先に言うんだよ、『おめでとう』って。

「ぅ…/////」

やられた。
完全にノックアウト。

鼻の奥から、涙がツーンと込み上げてきて止めようがない。

…返事は?

「……うん、、、はい~💧」

なに、感動しちゃった?笑。

「うん。しちゃった…」

照れ隠しに笑うけど、涙がじわ~って。
トシのパジャマにぐいぐい顔を押しつけちゃった。

…ほら、またすぐ泣くー。

「泣いてない!」

…泣いてるでしょー?

トシがおれの髪をクシャクシャってした。
やさしい笑顔なの、わかる。

…泣いてるヨシキもかわいいけどさ。

「トシが泣かせるんだよ~」

…そう?

「そうだったら。」

…うそだぁ。

「ほんと。。。こうやってどれだけの男やら女やら泣かせてきたんだか」

トシはおれの体を抱いたまんま、ほんの一瞬間をおいてから呟いた。

…添い遂げるのはヨシキひとりなんだから…いいじゃん。

長い髪が頬っぺたや首にぱさぱさ落ちてきて。
おれは、なんて言ったらいいのかわかんなかった。

「うん…」

やっぱりいろいろあったんだな~ってトシの過去に嫉妬したのは確かで。
でもおれだってトシのこと忘れようとして女作ったじゃんって、自分を責めたり。

複雑~、、、なんて思ってたら、お互いの過去が哀しくて、涙がポロっと手の上に落ちた。

「トシ……」

…ヨシキ!いつまで泣いてんの。

トシが、おれの頭をゲンコツで小突いた。

「ご、ごめん」

グシュグシュって鼻をすすったおれに。

…相思相愛なんでしょ。

トシはそう言って、楽しそ~うにケラケラ笑った。


…腕枕してあげるから、早く寝な。

やっと体を離してくれたけど、おれはまだ涙ぐんでて。
前髪かきあげて、ごしごし目をこする。

…泣き虫なお姫様で困るよー。



横になったトシが、からかい半分にこう言って、それから自分の隣の布団をポンポン叩いた。

…はい、ここ。

「いいの。。。?」

…お姫様の特等席だからね、いいの。遠慮しない遠慮しない。

トシのその言葉に、見事に心を打たれて、またしてもおれは何も言えなかった。




.。o○.。o○.。o○.。o○






真っ暗な部屋。
夜とトシに抱きしめられてる。
ぼんやりとしたあったかくて心地いい熱だけが、ここにはあって。


「なんかさあ、これトシの誕生日じゃなくて、おれの誕生日だよね」

…なんで?

「なんでって。。。トシには何にもなくて、おればっかプレゼントもらってるじゃない」

…さっきも言ったけどぉ、俺はヨシキだけで十分。世界一のプレゼントだよ。

「そんなこと言ってもさあ~」

だって、だって。

プレゼントがおれって言ったって。
トシはキスもエッチも求めてこないし。

変じゃない?トシ。

ぐるぐる考えてたら、おれの頭の中見透かしたみたいにトシが呟いた。

…ヨシキが今ここにいることがね、俺には世界一のプレゼントなの。ちゃんと息づかいが伝わってくること。隣にいて触れられること。

「……」

…セックスだとか何だとかは二の次だよ。

「しないって意味?」

…今は。

「おれの、……せい?

…違うよ。お楽しみはあとでゆっくりね、って♡

そしてトシは、おれの髪に、チュッて軽くキスしてくれた。

…そろそろ俺 限界。寝るよ?

「うん。付き合ってくれてありがと」

…あはは、天使さまの祝福を受けてから眠るなんて、俺はしあわせもんだと思わなきゃ。


力強く抱き寄せられて、おれはトシの肩に頬をうずめた。
そして今夜のトシのセリフを片っ端から想い浮かべた。
下手したら、今度こそ真面目に大泣きしちゃいそう。

なんで今日はやたらと、トシの言葉にクラクラ来ちゃうのかな?
変なのはおれの方……?


…おやすみ。

「うん…おやすみ」


温もりに守られて、そっと目を閉じた。







きっとね
今日はトシのお誕生日だから


誰よりも人一倍 光り輝いてるんだよね


大切な時間
分かち合ってくれて ありがとう



いつまでも

いつまでも ずっと



あなたのそばで
お誕生日のお祝いする約束
絶対に おれ…守るから─────♥️














お誕生日の王様

《END》
遅くなってすみませんでした!
バナートシ3
ばかっぷるバンザーイ!✨🍷🎂🍷✨





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