Ciao! (=´ー`)ノ⌒♪私自身あるいは困難な存在

■TMNETWORKとXJAPANが日々の糧εεε=(*ノ▽ノ)な佐野瑞希です、こんにちは。■音楽と、広範囲な意味での文学について綴っています。■現在は、一連の創作シリーズ『夢想と薔薇の日々』の更新がメインになっています。「おもしろかったー!」と思っていただける一日があれば幸いです。  ───遠い記憶をたぐり寄せると、どこまで遡っても自分の感性や思考のしかたが変わっていないなあと感じざるを得ない今日この頃。春、桜舞い散る日に。(2015.04.12改稿)

2020年06月

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【突発】夢想と薔薇の日々<夏至 -Summer Solstice2020->

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

夏至

一年で最も昼が長い日だというのに。


俺とヨシキは、朝目覚めてからずっと、心地よいベッドでイチャついていた。
起きて口にしたものと言えば、俺が急いでつくったスモークサーモンとクリームチーズのサンドイッチに、アイスティーだけ。

ヨシキは数度のオーガズムを重ね、少しぐったりしていた。
うつ伏せのまま、軽く俺にもたれて横たわっている。

すでに、午後のしたたるようなまぶしい空気が、部屋中に充満していた。

俺はため息をついた。


…長い昼をムダにしちゃってるな。家のこと何にもしてないよ。


そうぼやいたら。
ヨシキは「何言ってんの?」と、驚いたような顔をして体を起こした。


「いちばん大事なことしてるんじゃん」


彼にこう言われて、俺は、あぁそうか…と妙に納得してしまったのだけど。


肘をついて腹ばいになったヨシキの背中に、自分の手を沿わせる。
肩からお尻の方へ向かって、ゆっくりと撫でていく。
まるでネコ科の猛獣のように、美しくしなやかな体。
けれど、俺の手が腰の上辺りまで降りると、ヨシキは必ず、嫌がって身をよじるのだった。


「やめて~💦」

…なんでー?気持ちいいでしょ。

「くすぐったい」

…そういうところって、強い性感帯なんだよ。

「ウソだぁ」

…ほんと。

「どうせトシは、おれのこと全身性感帯とか言うもん」

…ま、そうだけど。笑。


今度は、ヨシキが、俺の背中に腕を絡ませて抱きついてくる。


「ねぇ。」

…ん。

「今日ってさ。…父の日でしょ」

…え?



すっかり忘れていた。


…そうなの?今週だった?


「もぉ~ぉ、カレンダーに疎いんだからぁ」

…ごめん。えーと、何もしてあげれることはないよ。


焦って言ったら、ヨシキが吹き出した。


「わかってるよ💦そんなつもりで言ったんじゃないって

…じゃ何?

「教えてあげただけぇ」

…そ、、っか。


なんだ、本気で焦った。
よくよく考えたら、父の日に俺が彼にしてやることなんて、なくて当然じゃないか。


…ヨシキ。俺もね、いいこと、教えてあげるよ

「なぁに?」


ヨシキは興味津々で訊いてきた。


…今日、日食がある。

「ええ?知らない。ほんと?」

…うん、本当。

「いつ!?まだ終わってないの?」

…夕方。部分日食。

「み、見れるかな?」

…この天気ならね。きっと。


梅雨の晴れ間というのだろうか。
今日は朝から太陽が照っていて、大気も湿気が少なく乾いている。


…夏至の日の部分日食は300年ぶりくらいらしいよ。

「見たい!」

…うん。見れるといいね。これを逃すと800年後だっていうから。笑。

「!!!」


ヨシキの反応に、あはは、と笑いながら、俺は彼の体を抱く。
ふたつの熱が、密着して、交差する。


「楽しみだなぁ♡」

…うん。。。


ヨシキと見た日食というと、2012年の金環日食を思い出す。

あのときも我が家は大騒ぎだったけれど、今日もなかなかに凄まじい。
夏至、父の日、日食、おまけに大安が重なるという、実にお祭り気分を掻き立てられる一日なのだ。


…このまま晴れてるといいんだけど。


ヨシキにさりげなくキスをする。
唇が乾いて熱い。

興奮しているのかな。




日食、見れますように。
心から祈る。
他でもない、ヨシキが、望んでいるからだ。












夏至という日は、俺にとっては殊更特別だった。
今日を過ぎたら、だんだんともう昼の光よりも、夜の闇が長くなってゆく。

ただ、そんなくだらない俺の憂鬱なんて、今は、彼に伝える必要も意味もなくて────。

















《END》

参考リンク🔗


いつもありがとうございます☘️
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【突発】夢想と薔薇の日々<フライングムーン・ストロベリーキッス>

『夢想と薔薇の日々 (Days of Rêverie and Roses)』は、あくまでもフィクションであり、実在する人物や事件とは一切無関係です。「夢想」は個人が有する自由な権利ですが、現実は現実としてきちんと区別なさったうえでお読みください。くれぐれも混同されないよう、よろしくお願いいたします。尚、当ブログ内の文章や作品の、無断転載・引用・コピーを固くお断りいたします。

ストロベリームーン

☆*゚ ゜゚*☆*☆*゚

ストロベリームーン : 一般に6月の満月をさすが、正式な天文学用語ではない。好きな人と見ると結ばれる、幸せになるという言い伝えがある。

゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆



やや遅い夕食の片付けを終えて、二階へ上がる。


「あ、トシ!待ってたよ♡」

ヨシキがベッドの上で微笑んだ。


───待ってた?なんでだ?


不思議に思いながらも、あることに気付いて窓辺へ向かった。


…ヨシキ、夜はカーテン閉めなきゃ。いつも言ってるのに。


小言を言ってしまってから、思わず手を止めた。
ちょうど窓から、丸い月が見えていたのだ。


…あれ。今日満月???

「うん。きれいに見えるでしょ」


わざとヨシキはカーテンを開け放してたのかな。


…おー、見事。

ヨシキはうれしそうに、首を傾げてうふふと笑った。





.。o○.。o○.。o○.。o○





ふたりでベランダに出て、月を眺めている。
6月になったばかりの夜風が、やや湿り気を帯びて気持ちいい。

隣に肌が触れる、そのヨシキはと言えば、


「よかった~、雨降らなくて♪」


と、妙にはしゃいでいて。


…なんだかさー、うれしそうだねヨシキ。

「うれしいけど?

…何それ、月見れたのが?

「うん!一緒にね♡」

…ふぅぅぅん。


今ひとつわからないまま、また空を見上げた。
ゆっくりと、薄い雲が幾層にもなって流れていく。






「ねえ。チューしよ?」


唐突に言う。


…ええ!今!?

「うん。。」

…だめ、あーとーで。

「え~、今がいい」

…だめだよー。ヨシキ調子に乗るもん。

「乗らないよ、チュッてしてくれればいいから~」


迷った。
考えた末に俺はヨシキの頭を抱き寄せ、その髪にキスをした。


…好きだよ。

「え~!そこぉ~?」

…文句言わない。

「つまんな~い」

…またちゃんと、あとでね。

「絶対?

…うん、絶対。

「ならいいけど~」


ヨシキは、一瞬文句を言いたげな表情で俺を見た。
が、それ以上のリアクションはなかった。
聞き分けがいいのも今夜は月の力なのかなと、俺は思ってみたりして。


…ほんとにきれい。

「ストロベリームーンって、言うんだよ」

…ストロベリー?どうして?赤いの?

「赤くないじゃん…笑」

…じゃ、どうして?

「そんなん自分で調べてよ」

…いいじゃん、教えて。

「やぁだ~」


何故か照れたように笑うと、ヨシキはくるりと後ろを向いて、部屋へ戻ってしまった。


…なんだよ、変なの。


月が、金色に輝いて、笑っている。



━─━─━─━─━─





ヨシキが照れた理由を後から知って、俺は唇が痺れて痛くなるくらい彼にキスを贈ることになるのだけど───。














《END》
どうもありがとうございました🌝

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